プロローグ
未熟者ですが、よろしくお願いします
遠い昔。
争いが絶えなかったその世界に、願望を唱える者達がいた。
ある者は願った。
『自分の命がどうなろうと構わない。どんな汚れた歴史があっても構わない。だから――誰もが自由に笑えて、誰もが自由に幸せを掴むことが出来る、それが当たり前の世界になって欲しい』、と。
ある者は願った。
『もう誰も傷つかない世界になって欲しい。物事を武力で解決するのではなく、互いに話し合って解決することが出来る世界になって欲しい。誰も武器を手にすることがない、そんな世界になって欲しい』、と。
ある者は願った。
『誰もが自由に、人を愛することが出来る世界になって欲しい。好きになってしまった人がどんな立場の人物であろうと、その者と自由に結ばれることが出来る、そんな世界になって欲しいと』、と。
ある者は願った。
『裏社会から、邪悪な闇が消えた世界になって欲しい。この世界に裏社会は必要だ。けれど、その裏社会によって、無関係の者が巻き込まれ、傷つくのはもう見たくない』、と。
彼らは願った。
この世界に、『真なる平和』が訪れてほしい、と。
これは、自らの願望のために戦った、あるいは、『真なる平和』を求めて戦った、英雄達の物語である。