ep.6 俺が続けるクロ
てゆーかー、バレるってなに?俺ってバレちゃいけない存在なんだっけ?そもそもこいつらは俺のこと知らないし、嘘ついても本当のこと言っても、信じてももらえるし、信じてもらえないかもしれないし。でも確かに画面の向こう側で、俺がいつも操作している側者だとバレたら確かにテンパるか。『え、いつも僕のこと乱暴に操作していた方ですよね?すみません、嫌いなので殺させてもらいます。』とか言い出したら、本当に俺はゲームオーバーを迎えてしまう。
まあ、クロはもう現れないし、こいつも気まずくなりそうだし、クロカワとかいう中途半端な名前にしとくか。
「すまん、俺もそのことは知っているぜ、流石に。クロじゃなくて、クロ、、、」
「あ、アブだ!!」
俺はなんてタイミングが悪いのだろうか。キョンが見つけ声を出して逃げた。
「っわーーーーー、散々だな本当に。」
アブはどこか彼方へさらっと行ってくれた。
「危なかったな、アブだけに。」
とんでもない親父ギャグが生まれてしまった。しかし誰も笑ってはいない。
「悪い、俺の名前だったな、えっと、」
「君クロワッサンって言うんだね。名前被りなんて聞いたことなかったからびっくりしたよ。改めてよろしくね、クロワッサン君。」
は?俺はいつそんなフランスかぶれっぽい名前を口にしたのだろうか。言ってないぞ、俺。なんでそうなるんだ?ルオってやつは本当にバ、、、みたいだ。
「いや違くて、、、」
「違う?でも今途切れ途切れに、クロ、、ワーサンって。あ、あまりにも素敵だからもったいなかったんでしょ?クロワッサン君、よろしく。」
「クロワッサン、、、すごい斬新な名前だけど、キラキラネーム、意外と憧れるぜ、クロワッサン。」
「ね、すごい名前だよね。僕もそんな美味しそうな名前つけられたかったなあ。憧れるよ。」
「ルオ、君が食べ物の名前だったら食べちゃうんじゃないか?パクッと。アハハハハ。」
「でもクロワッサンて名前長くて呼びにきーぜ。クロで被っちってるからワッサンとかどう?」
「確かに、クロワッサン君って長いかも。ワッサン君!いい、すごくいい!」
おい、待ってくれよ。と訂正したいとこだったが、わっさんならまだあだ名でよくありそうだから、勝手にそう呼んでくれ。
クロワッサンで可決されてたら、俺はこいつらをなんらかの方法で口をだまらせてただろうな。にしてもこいつらに逆に問いたい、義務教育いってねえのか?あ、行ってないか^^
「クロワッサン君。いいよね?この村ではワッサン君で!!」
「はい、どーぞー。せめて君づけはやめてほしいでーす。」
「僕なんかが呼び捨てでいいの!?嬉しいな。」
いや、君つけることによって、クロワッサン感が拭いきれないんで、どうにかしてもそうしてほしいんだお^^
「ワッサン!!新しい名前についてどうですか?」
拳をマイクにみたてて、俺に聞いてくる。そのまま顔に返してやろうか。
「ニニニックネームが、決まって、それは、それは、うれしいでーす。」
「だそうです!キョン君!!」
「僕らも嬉しいなッ⭐︎」
、、、こいつらさっきから薄々は気づいていたけど、、、つまんねえ。面白くない。間違った。
高校入学して、最初に話しかけたことがきっかけでそのままの成り行きで、いつメンみたくなるのかと思ってたけど、話せば話すほど、話し合わなくて、まあ一緒に行動を共にするけど、移動教室や選択授業で話し合うやつが明確にわかってきて、やはりあいつとはこの学校生活共にできねえと思い、勇気を出して、行動を共にしないみたいな時のあれみたいになりそうだな。
ここまで正確に話しているからといって、俺の実体験とは限らないぞ、諸君。
こいつらはただの住人だし、てか俺がいつまでここの世界に存在しなきゃいけないのかわからない。ルオとキョンと、、、もう一人なんだっけ。メッツー?とかいったなあ。そいつにフォーマットを変えて?もらわなきゃだった。
「あのーメッツーさん。フォーマットとやらを、、、。」
「あ、そうだったな。ていうか、俺の名前メッツー様って呼んでいいぞ?知らない?様をつけた呼び方のほうが砕けた言い方なんだぜ?」
んなわけあるかい。このゲームの開発者俺と同じ人種だぞ、なめんな、こんちきしょうが!!こんなやつ、意地でも呼ぶかい。
「んじゃメッツーでー。」
「あ、そう?それでもOKだぜ、未来人さんよ。」
「ねえ本当にワッサンは未来人なの?」
またもや考えてなかった設定について急に突っ込まれた。えーっと。こういう時ってなんていうのが正解なのか、と脳に問いかけても、クロをプレイしている時の選択肢は出てきてはくれないので、俺が考えるしかないのだ。
「たぶん、もうちょっと先のアップロードでスペシャル企画として新しく僕が投入されるみたいだったんだけどバグみたいなもので、試用のものが配信されてしまったみたい、、、。まあメッツーが言う、未来人みたいなものだよね、、、。」
どうだこの話術。これならバレるまい。動揺も見せつつ、言うことでリアルぽくする。まあ動揺しているのはリアルなんだが。
「あーそうゆうことか、一応未来人ではあるけど、つっまんねえなあ。」
「まあそんな落ち込むことじゃないよ、メッツー。現実味があっていいじゃないか。」
「だって、要するに、未来人というよりは、失敗作なんだろ?未完成のまま世に放たれてしまった。」
しまったー。確かに怪しまれはしてないが、妙にリアルを追求させすぎて全っ然、俺のこと尊敬してくれなくなってしまったではないか。同等以下でこの生意気なガキはみてくる、それは心外だ。
どうやって、この立場逆転する?