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第十一話 はじめてのクエスト②

「よし、じゃあクエストも完了したしそろそろか……え……。おい、リリス。 あれ見て見ろよ」



「なーに、急に信じられ無いモノでも見る様な顔をしてんのよー! あれって? どれの……こと……を……」



そう、オレとリリスの視線の先にはとてつもない光景が見えていた。



「なぁー……オレの見間違いじゃなかったらあれ……こっちに向かって来てないか?」



「そ、そんなわけー……あるわね……」



オレ達には遠くから走ってくる、さっきのアーモンドリザードの三倍位の大きさのモンスターが見えていたのだ。



「ち、ちなみに聞くがアレは見た目はやばそうだが、実際はめちゃくちゃ弱い見たいな事はないんだよな?」



「さ、さっき討伐したアーモンドリザードが初心者向けのEランクなら、アレはCランク位はあるわよ! きっと、さっきのアーモンドリザードの親かなんかで、子供の鳴き声を聞いて駆けつけて来たんだわ!」



なるほどなー。

だから、あのデカイモンスターはこっちに目掛けて走って来てるのか。



「よし、じゃあーオトリは頼んだぞ! オレは逃げる!」



そう言ってオレは迫って来るモンスターと反対方向に逃げ出した。

 


「は、はぁー!? あ、あんた仮にも冒険者……てか、仮にも男でしょー? そこは、ここはオレに任せて先に行け! とか言えないわけー!? こんな可愛い女の子をおとりにして自分一人だけ助かろうなんて信じられないんですけど!」



今度はリリスがそう言って、オレの後を追いかけてくる。



「なんとでも言え! オレは男女平等主義者だからな!それにこんな時だけ、女の子だからーとかご都合主義を並べるなら! リリスだって自称勇者だからな? 勇者って言うのは困っている人を助けたり、凶悪なモンスターを討伐したりするもんだろ? それなら、今の状況はお前にぴったしじゃないか!」



「自称じゃないからっ! 勇者だからー! てか、勇者のわたしでもあんなのに勝てるわけないでしょ! あんなのと闘ってたら命がいくつあっても足りないわよーっ!」



そんな悪態をつきながらオレとリリスは懸命に走る。

確かに、オレは全ステータスEランクのヘッポコ冒険者だが。これは、笑えない。



さっきのアーモンドリザードは歯が無かったし、噛まれも痛くなかったが、今回のアイツは絶対に歯がありそうだし食べられたら今度こそ終わる。




そしてーー。




「あああああああああああぁぁぁっ! やめて! 離して! 死にたくない! まだ、死にたくないよぉーっ! 謝るから! 助けて! 助けてよおおおおおおぉぉぉぉーっ!!」



リリスは捕まった。



全ステータスはEランクだが、逃げ足と言うステータスがあったのなら、きっとAランク位にはいってたかもしれない。



その位逃げ足に関してだけは、誰にも負けない自信があった。



リリスは、大きなトカゲやろうの長い尻尾に丸めとられる様に持ち上げられている。 

この調子だと、数分後には食べられてしまうだろう。



「リリス! すまんっ! お前と出会った事は忘れないから、安心して成仏してくれー!」



「な、なーにっ! ばかなこと言ってんのよー! 見てないで、助けなさいよー! お願いだからあぁー! お願いしますからー! みしゅてなぁいでぇーっ! 後でなんでも、しゅるからー! うわあぁぁぁぁーん!」



確かに、ここでアイツを見捨てるのも心苦しい。

だが、オレにはあんなモンスターと闘うスキルも力もない。



そして、そうやって考えてる時だ。



突如として、あのメロディーが流れた。




チャラ、チャーララ♪ チャラ、チャラ、チャ、ラー♪




と言う、ラーメン屋のチャルメラのメロディーが流れ、メロディーの後に機械音声が流れる。




(ホスト・スキル習得! ホストの刃ーーホスト・ブレイドーーを覚えました。)




すると今度は、ダンディーな漢の声で音声が流れ出す。





(CV ダンディーなおじさん)



では、説明しよう!! ホストの刃ーーホスト・ブレイドーーとは、光あれば闇もあり。



そんなホストの厳しい社会で生き残る為に、「はー……俺には全然、本指名のお客様がつかないわー」とか。



「初回(フリーで来店したお客様)の送り指名が取れなくて、全然売り上げが上がらない」とか、そんな弱音を吐くホストくん達の為のスキルだ!



このスキルを使えば、な、なんと!!



所持しているモノの「会心率」を、一回につき最大三分間上げることが出来る!



もちろん、所持しているモノならなんでもオッケー!



武器でも、道具でもそれこそホストに大切なトークでも!



トークなら、その攻撃的な会話でドMな女性をイチコロに……出来るかもしれないし! 




武器なら闘いの場面で、活躍する事間違いないだろう!



三分間しか使えないが、その分会心率の威力は見物だぞー!



ちなみに、このスキルは一日一回しか使えないので気をつけてくれ!



さぁー君も、このスキルを使って楽しい異世界ライフを楽しもう!!




このタイミングでスキルを習得するとか、まるでマンガやアニメの世界だな。



けど、今回のスキルは有用だ。



どれくらいの効果があるのか分からないが、これで勝機が見えた。



「リリスっ! 今、助けてやるからなー! お前が口では大きな事を言いながら、いざとなったら使えないポンコツでも見捨てたりしないぞー! 俺達、一応は仲間らしいからなー!」



「わ、わかったから! さ、さっきの事は謝るから! わたしが悪かったでしゅ! ごんめんなしゃ……くさっ! ああ……あああああああぁぁぁーっ! 食べないでえええぇぇぇぇぇーっ! 食べても美味しくないからっ! お腹、壊すだけだからああああああぁぁぁーっ!!」



大きなトカゲやろうは、リリスを自分の目の前に持って来て、今まさしく食べようと大きな口を開けていた。



「ホストスキル発動っ! ホストの刃ーーホスト・ブレイドーー!!」



そして、スキル発動と同時に腰のショートソードを抜きモンスターに向かって駆けるっ!



自分でも分かる、何かとてつもない力がオレの中を巡っている事に!



ショートソードを振り上げ渾身の力で切り込む。



「いっけえええええええぇぇぇぇぇーっ!!」



そして、オレのショートソードがトカゲやろうの肉にっ!



深く!



深くっ!



そしてーー。



ーーー。


ーー。



次回に続く。




(♪エンディングテーマ)



(CV リリス&ハルト)


「あー、いいとこで終わっちまったなー」



「ちょ、ちょっとー! どういう事よー! わたし、今にでも大きなトカゲに食べられそうなんですけどー!」



「いやー、オレもついに二つ目のホストスキルを習得したし! これから、本格的に冒険がはじまるって感じだよなー! これでオレが大活躍して、いろんな美少女にモテだすって言う……」



「そんな夢見たいな妄想はいいから! 早く助けなさいよっ! こんな、可憐で可愛い美少女の勇者様が大ピンチなのよ!」



「って……言われてもなー。逃げずにリリスを助ける為に単騎であんなモンスターに、立ち向かって行った事を感謝して欲しい位だぞ?」



「そ、それは……感謝……するけど……」




「はい、そう言う事で!『ホス盛!』異世界転生したので残念な仲間と一緒に無双したいと思います!?」



「次回、ほすもり!『ひよっこ勇者リリス、死す!?』」



「ちょ……えーっ、結局わたし死んじゃうのー!?」



「次回も、ちゃんと見てくれよな!」



次回の更新をお楽しみに!!





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