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無々我々夢々中々  作者: まんどりる
エピローグ
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8/8

ないた




 あぁ………








 私は寝ていた……





 何というか……

 とても長い夢を、見ていたような気がする。

 長い長い夢……


 しかし夢の内容は思い出せない……

 なにか大切な夢だったような気がするが、どうしても思い出せないのだ。




 私はハッとして窓の外を見た。



 時刻は午前6時。すでに日が昇っていた。



 東の空に微かに見える太陽の輝きを見て、私はなぜだか安心の念を抱いた。



 一階から物音が聞こえる。母が朝食を作っているのだろう。





 そして私はベッドから立ち上がり、一階へ降りようとした。

 床を踏む感覚……毎日迎える朝なのに、今日はとても久しぶりのような気がした。






 そして私はまたあることに気が付く。






 部屋の床の中央。絨毯の上に、一冊のノートがあった。

 それは落ちていたというより、置かれていたと言ったほうが正しいような…………そんな気がした。





 私はまだ夢の内容は思い出せない。





 そしてそのノートに近づくと、腰をかがめ、右手でノートを拾い上げた。







 表紙には、『さんすう』と書いている上からマジックペンで消したような跡があり、その隣には鉛筆で弱々しく、『プルトゥールルのたび』と書かれていた。








 私は全身に鳥肌が立った。








 そしてゆっくりと表紙をめくると、一ページ目の一行目から物語は始まっていた。







 幼い字が縦向きにあどけなく並ぶ……私はそれを読んだ。




 



 その物語は実に単純明快で、勧善懲悪な主人公もまたわかりやすい性格の持ち主だった。







 それに加えて登場人物は実に個性豊かで、美しい世界観が読者である私の脳内に鮮明に映し出された。








 物語が単純なだけあって、考えさせられるものも膨大だった。







 そして正義と悪を題材にしたこの物語は、決してわかることのない謎を残したまま最後のページを迎えた。







 物語は結末を迎えずに、何もない白紙のページへと辿り着いた。






 そして残った白紙のページをパラパラとめくると、最後のページには子供が描いたような絵があった。


 その線はすべて震えていて、どことなく今の自分の絵に似ていた。


 絵の中心には一人の少年の後ろ姿が描かれており、その周りを地平線を挟んだ空と大地で上下に分断されていた。







 そして私はすべてを読み終わるとノートを閉じ、机の上にあった鏡を手にとった。












 私は泣いていた。












 









 






 窓から淡い光が差し込み、風がカーテンを揺らす。

 部屋全体はそれらにより、幻想的なな光と影に包まれた。






 頬を濡らした涙は、私に思い出させた。





 遥か昔に思い描いた夢。





 鉛筆の手触り。





 物語を創る喜び。そして、










 紙に文字を紡(つむ)ぐ情熱を。






全部読んでくれた方、ありがとうございました。

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