無々我々夢々中々

本編

めざめた

　私は夢から目覚めた。

　時刻は朝５時。しかしまだ日は登っていない。

　兄はまだ寝てるだろう。両親は……？

　いい夢だったのに…………でもどうしても思い出せない。

　夢の続きは気になるが、夢は夢。

　せっかく目覚めがいいんだ。このまま起きていよう。

　私はうずくまった体を布団から出し、ベッドから降りた。

　階段を下る私の足音は切なくきしみ、やがて小鳥の鳴き声のように途絶えた。

　いずれわかるだろうが、これはまだ夢の中。

　夢の続きはこれから見ることになるのだろう。