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さんそく! ヒーローと幹部と学生と  作者: ムネミツ
第一章 偽ヒーロー登場
2/5

第二話 秘密結社パッチ

ヨモギマンが事件を起こす数日前、秘密の場所に存在する秘密結社パッチの基地では首領と

幹部達が集合していた。

今回の彼らの作戦は、路上喫煙者を仕置きすると言う物騒な物であった。

 時は数日前にさかのぼる。

 

 「この世界には修正が必要です!」

 金髪姫カットの美少女が立ち上がって叫んだのは、ギリシャ神殿に見られる白い円柱が並び赤いカーペットが敷かれた部屋であった。

 ここは玉座の間、秘密結社パッチの中枢部。

 少女は部屋の主であった。


 彼女の名はカンナ・(エンダ)・ゴールドバーグ、齢13歳にして秘密結社パッチの首領を務める女子中学生であった。


 秘密結社パッチは、世界の修正を謳う秘密結社である。

 様々な異能の力を駆使し首領の理想による修正で、世界を継ぎ接ぎし自分達の理想とする形に作り変える事を目指す組織。

 それが秘密結社パッチである。


 

 誰かの理想郷は誰かのディストピア、自分達の理想を追求するパッチはその姿勢故に他者からは悪の組織と見做されていた。


 「幹部の皆様、集合してくださいませ!」

 カンナが両手でポンポンと柏手を打つ、これがパッチの幹部召集の合図だ。

 

 「フォッフォッフォ、如何なされましたかな?」

 何もない床から浮き上がって来たのは執事服を着た骸骨、ドクロ執事だ。


 「あ~ん♪ カンナ様の修正宣言が発令されましたわ~♪」

 赤いベレー帽を被った軍服姿のグラマラスな黒髪の美女、ベレー将軍も現れる。


 ドテッ! と空から落ちてきて尻餅をついたのは学ランを着たGIカットの少年、幸之助。

 「痛てててっ! 何で俺だけこんな登場!」

 尻をさすって立ちあがる、幸之助。


 「コウちゃん、お尻は大丈夫~♪」

 ベレー将軍が幸之助に声をかける。


 「幸之助様、しっかりなさってくだされ」

 ドクロ執事も心配そうに声をかける。


 「お嬢様、坊っちゃん、呼んだか!」

 バンッ! と、扉を開けて入って来たのは茶髪に赤い肌と赤い二本角と言うメイド服を着た赤鬼の女性の赤鬼メイドだ。


 ボンッ! と煙と共に現れたのがピンクのショートボブカットにトランジスタグラマーな白衣の少女。

 「キャンディ博士、参上~♪」

 棒付きキャンディを掲げて名乗りを上げる、キャンディ博士。


 カンナによって呼び出されたこの5人が、パッチの最高幹部であった。

 「皆様、お仕事の時間ですわ!」

 カンナが用件を切り出す。


 「今回はどのようなお仕事ですかの?」

 ドクロ執事が尋ねると、カンナが柏手をポンと一回鳴らす。


 すると、玉座の間に巨大なホログラムデジタルスクリーンがポップアップされる。

 スクリーンには『路上喫煙撲滅作戦』と表示されていた。


 「あらあら♪ 路上喫煙は迷惑よね~、ポイ捨てとかも綺麗じゃないわ~♪」

 ベレー将軍が頬に手を当てて呟く。

 「歩きタバコなんて迷惑なのだ~!」

 キャンディ博士も棒付きキャンディを振り回してプンプンだ。


 「愛煙家からしても、このような者達は迷惑ですな」

 ドクロ執事も遺憾の意を顕にする。


 「ま、確かに迷惑だわな。わかるわ」

 幸之助も同意する。


 「皆様、同意いただけましたわね? では作戦を決行いたしますわ!」

 カンナがスクリーンに手をかざすと、画面に決行の判が押される。


 「いや、ハンコを押す前に内容を話せよ!」

 幸之助がツッコむ、どんな事をするのか説明もなしは困る。


 「コーちゃんは、頭が固いのだ~!」

 パッチ一の頭脳を誇る、キャンディ博士が頬を膨らませて不平を言う。

 「幸之助様、首領たるお嬢様が決行印を押されたからには止まりませんぞ」

 ドクロ執事が諭すように言う。


 「坊っちゃん、男は野暮な事言ったら駄目だよ」

 赤鬼メイドも幸之助を窘めにかかる。


 「もう、コウちゃん♪ 何でもすぐにツッコんじゃダメよ~♪」

 ベレー将軍がエロい感じで言ってくる。


 「いや、お前らなあ! 俺か、俺がおかしいのか?」

 幸之助のツッコミは追いつかなかった。


 「もう♪ 仕方ないですわねコウ兄様は♪ それでは説明に入ります!」

 カンナがスクリーンを指さすと、画面が変わる。


 路上喫煙者を怪人がシバキ倒して、謎のタバコを吸わせているアニメーションが流れた。


 「素晴らしいですわ、カンナ様♪ 路上喫煙者どもを成敗するのですね♪」

 ベレー将軍がうっとりする。


 「咥えとるのは線香ですかな? 供養も忘れないとはお優しい」

 ドクロ執事が感心する。


 「いや、叩きのめすのもあれだけど人殺したらアウトだろ流石に!」

 組織の良心である幸之助がツッコむ、何とかしないと。


 「ええ、あれはお線香ではなくヨモギタバコですわ♪」

 カンナがほほ笑む。

 「あ~、禁煙グッズで売ってるあれだ! 吸うと健康になるって!」

 赤鬼メイドが叫ぶ。


 「なるほど~♪ ヨモギの怪人を作れば良いのだ~♪」

 キャンディ博士が納得する、怪人の作成などは彼女の仕事だ。


 「流石は、博士♪ ええ、我らが怪人で路上喫煙者を懲らしめ強制的にヨモギタバコを吸わせて健康にして彼らを禁煙させるのですわ!」

 カンナが暴力的な事を言い出す。

 「ヨモギは健康に良いからね~♪ おやつはヨモギ餅作るよ♪」

 赤鬼メイドは呑気な事を言う。


 「いや、健康に良いからってなあ?」

 幸之助は不安で仕方なかったが、動き出してしまった計画は彼には止められなかった。


 「さあ皆様、行きますわよ♪」

 カンナが拳を天に突き上げるポーズを取ると、幹部たちは全員整列した。

 「世界に我らが修正をっ!」

 とカンナが叫ぶと、幹部達はそれに続き

 

「「我らパッチが、世界を変えるっ!」」

 とレスポンスを返した。


 

 

かくして、作戦は動き出した。

事件を起こすヨモギマンをヒーロー達が追いかけ始める。

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