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物の真価で冒険する  作者: ひまの権化
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はじめは、気合入れていくよね

平凡、普通、「あれお前居たっけ」と影の薄いコビ13才。家族にも、たいして興味をもってもらえない。不幸って言うほど、つらくないし。


ただ、何かやってみたい!そんな漠然とした

気持ちだけが育っていった。



「コビ、もう時間だよ」

母が面白くなさそうに言った。


「そうだね、母さん。今日まで育ててくれてありがとう。それじゃ行くね」


親子の別れなら、もっと涙あり笑いありで感動の一瞬であるが、この親子は違うみたいである。色々な親子の形があるが、コビの父と母は子に特別な思い入れもなく、親子という関係性上扶養しているに過ぎなかった。人間の感情とは、ドラマチックでもロマンチックでも無いのかもしれない。


コビは、そんな母の姿を見ながら悲しみや悔しさが心を染める事はなかった。子供の頃から、父母に精神的に頼る事が無かった。人を信じる時、自分の願望を知らずに投影している。

精神年齢50才の彼は、誰も頼まず生きていける事を目指していた。


何故、彼の精神年齢が50才なのか、、

人間の世界には、生まれ変わりという考えが

どの時代、世界にもある。命はめぐり、生まれ変わり死にかわる。


コビの前世は来代歴500年、今より100年前。農家に生まれ、不平も言わず。淡々とした面白くもない日々を過ごす。


ある日、急に胸の痛みを覚え、空が見えた。その後は、暗闇や続き、コビとしての人生を始めた。


前世の記憶をたどり、何か出来ないか考えたが既に農業技術も日常の知識も、特別なものはない。コビは精神年齢50才、物怖じしないだけの少し変わった子供であった。


自分が変わった子供であると認識した時、なるべく普通の子供を演じ、目立つ行動は避けた。こうして、影の薄い何の変哲もない子供として、コビは知られていった。


コビには町の中に親しい人は居ない。兄弟は兄と妹がいたが、一緒に遊んだ記憶はなかった。父母が抱く愛情がまるで、コビ以外の兄弟に向いていて兄弟たちも、それを承知で過ごしていた。


コビにとって、13才の誕生日は特別なものであった。この世界での成人は13才で、一般的に独り立ちする事を許される年齢であった。


常日頃、ひとりで生きていきたいと思っていたコビにとっては、待ち焦がれた「この日」である。


一年間しっかりと用意をし、我が家だった扉をくぐり、外に出ると言い知れぬ開放感にコビは包まれていた。家に向き直ると「ありがとうございました!」と言い、村の入り口に向かう。



やっとギルドに登録し冒険を始められる。

ツライ事もあったが、今はみんなに感謝したい気分でいっぱいだった。

弾む気持ちを抑えつつ、村をでた。

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