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色を失う真実の目

作者: おくら

初めてなのでいろいろおかしいかと思いますが、最後まで読んでいただければ幸いです。

「うわぁ~…殺風景」

 引っ越し先のアパートを訪れた新大学一年生の霜月真眼。下見に来たのだから殺風景なのも当たり前だ。

「どうでしょうか?」

「ここで全然オッケーですよ。一人なんで十分な広さです」

 下見の付き添いに来てくれた案内人の女性にニコニコしながら言った。

「…いやぁ~。いよいよ一人暮らしだー!テンション上がっちゃいます」

「それは良かったです」

 案内人は嬉しそうに答えた。

「あっ、私次バイト先に面接行かなければいけないんで、先に失礼しますね!」

「はい、今回は下見に来ていただきありがとうございました」

「はーい!」

 真眼は走って部屋を出た。


 真眼の働くことになるであろうバイト先は、実家から結構近い所にある。家を出れば遠くに見えるくらいの距離で、歩けば2~3分で着くのではないだろうか。そんなに近いのだから、実家からバイト先へ通えば良いのではないかと思ってしまうが、真眼の頑固さでアパートに暮らすことになったのだ。アパートより実家の方が大学に近いという利点もありながらも一人暮らしをしたい理由とは一体なんなのか?

 足取りを軽くして進む真眼。何を嬉しそうにしてるのか。

 それは、遡ること一日前。


「ん~、バイトかぁ…」

 自室でぐうたらとしながらバイト先を決めていた。横になりながら携帯で探しているという怠け者状態で、寝返りをうつ度に足を机にぶつけてはうずくまり、ぶつけてはうずくまりの繰り返し。さっさと探せってなるであろう。

「時給600とか…私は大学生ですー」

 部屋に一人でいるのにも関わらず一人で喋ることが多い。いわゆる一人言が多い真眼。

「おっ、…お?………なんだ、件数だった」

 どういう見間違えだ。

 画面を素早くスクロールしながら、そんな早くして画面の字が見えるのかと思うくらいのスピードで見ていると、ピタッと手が止まった。

「これ…めっちゃ高いじゃん!最高額10万って!正気かよ!」

 足をじたばたさせながら叫ぶ。家族がいると言うのに、そんなに暴れて大丈夫なのか。絶対迷惑掛けてるに違いないだろう。

「うるさい、真眼!」

 …やっぱり。

「あっ、ごめんごめん。でも、もうこんなうるさいやつは家からいなくなるから安心するといいさ!」

「何を言ってんの」

 呆れたように戻る。

(この仕事で決まりだな!)

 心の中でそう叫んだ。


 ___そして、今に至るわけだ。高い報酬に喜んでいるのだ。

「10万か…」

 10万があれば何が出来るだろうなんて考えていたが、あっという間に消えるに違いない。しかも一人暮らしするんだから、それなりに出費も激しいだろう。

 そんないろんな妄想をしてるうちにバイト先に着いた。見上げてみれば二つ並んで建っている。一つは一階建ての建物に、一つは三階建ての建物。さて、どちらに入ればいいのか?見渡す限り看板などは見当たらない。

(マジでどっちよ……)

 その場で二つの建物を交互に見ていると、何か匂いがしてきた。

(これ………コーヒー?)

 匂いの元は一階建ての建物からだった。

(ってことは、ここは喫茶店か何かかな?)

 そうとわかればそこには用がない。隣の三階建ての建物に用があるということになる。なぜなら、時給も何も書いていなかったから。それに、広告には【喫茶店の隣にあります】なんて事も書いていたから。

 真眼は迷うことなく三階建ての建物に入って行った。

 それにしても入り口までの距離が結構長い。

(お?)

 ようやく入り口まで来た。インターホンを鳴らし、軽く身だしなみを整え、挨拶をする準備をする。

「はーい?」

 扉の奥からは爽やかな男性の声が聞こえてきた。

(男がいるんだな)

 なんて思いながら待っていると、

「今開けますね~」

 ガチャッと言う音がして、開いたと思ったら…

「いでっ」

 ガンッと音がした。

「っ痛~」

「ごっ、ごめん!大丈夫!?」

 まさか真眼側にドアが開くとは思わず、黙って立っていたら案の定真眼に当たってしまった。しかも額に。

「あ~…アザできちゃった。ごめんね本当に」

「いいえ…大丈夫です…」

 泣けと言われたら泣けそうなほど痛かったようだ。

「ごめんね本当に。中に入って」

「お邪魔します…」

 何か虚しい感じが残るが、そんなこと気にしても仕方ないのか…なんて思っている。

 中に入ると、右側に机が二つ壁際に並んでおり、左側に長椅子が置かれている。奥には正方形の大きなテーブルに、L字形のソファが置かれていた。

「痛々しい中聞くんだけど、用事は何かな…?」

「あ…バイトをさせていただきたいなと」

 今の真眼の一言でしん…と静まった。

「え?」

「お前…いい度胸してんな」

 突然立ち上がった、いい声してる男性が喋り掛けてきた。

「はい?」

「お前女だろ。よくこの仕事を選んだな。誉めてやるよ」

「あ…ありがとうございます……?」

 爽やかな声の持ち主とは正反対の、厳つい声の男性だ。

「お前、注意書見てきたか?」

「注意書?」

「……はぁ」

「あ、すみません。報酬だけに目がいってまして。注意書など見る気もなくて…」

「馬鹿じゃねぇの。人間としてどうかしてるわ。底辺だわ。流石は餓鬼だな。馬鹿みてぇに声でけぇしよ。注意書読んでから出直してこい」

 そう言われ、紙を貰った。つまり、読めと。

 その紙にはこう書かれていた。

 __死ぬ覚悟でここへ挑むように。万が一命を落としても、こちら側は保証致しませんのであしからず。ほとんどが自己管理となります。尚、こちらで住むとなった場合は、日用品以外は全てこちら側の負担となります。お金が無くてもお気軽にお越しください。(死ぬ勇気のある人は)

「読んだか?」

「はい、読みました」

 死ぬと言う言葉を強調したように見えるこの注意書。何をするのか全く想像できないが、

「死んでもいいんで雇ってください!そして…」

 最後の方に「こちらで住むとなった場合は」に物凄くつっかかる。そして、「日用品以外は全てこちら側の負担となります」ここも物凄く嬉しい事を書いているのではないかと気になっている。

「ここに住めるんですか!?」

「あぁ、住める」

「タダですか…?」

「あぁ」

「!!!!…もうここに決めました私!これからもよろしくお願いしますー!」

「え、いいの?」

「はい!」

「ほぅ…顔はそんなんでもないがいいだろう。面接無しで通してやる。とりあえず自己紹介しろ」

「め…面接無しですか!やったぁ~」

「自・己・紹・介」

「あっ、私は霜月真眼と申します。大学に通いながらになると思いますがよろしくお願いします!」

「大学だぁ?」

 突然話の流れを変えられた。

「大学費用は出さねぇからな」

「そんなこと知ってますよ」

「ならいいけどな。…よし、早速依頼が届いてんだ。行くぞ」

「い、いきなり行かせます!?そこ」

「コイツならいけそうだからいい」

「そ…そうですか」

「おら、行くぞ新人」

「はい!」

 爽やかな男性は不満を抱きながらもついていく。

「まぁでも、やる気あるみたいだしいいかな」


「あっ、そうそう。まだ名のってなかったな。俺は神無月強だ」

「僕は如月颯人。よろしく」

「よろしくお願いします!」

 三人横に並んで歩きながら自己紹介を終え、歩いてる時間を利用して活動内容を伝えた。

「俺達がやる事はな、……いわゆる徐霊だ。でも、テレビで見るような怖い感じのお化けじゃねぇよ。ちゃんと人間の形してたり、犬の形してたり。けど、俺達は化けてない奴は普通の人間にしか見えないから、化けてる奴しか徐霊することできないんだ。」

「化けてるもなにも、最初から化けてるんじゃないんですか?お化けだし」

「いいや、変化ができるからややこしいんだよコレが。例えば、織田信長が歩いてるとしよう。おかしいだろ?死んでるはずなのに何でいるの?ってなるだろ。これが変化してる状態。普通の人間が歩いていれば、普通の人間だと判断してスルーする。そのスルーした人間が実は織田信長だったって事も有り得る。変化してない奴はこのせいで見分けられないんだよ」

「マジですか」

「そう、だからどうするか…」

「うわっ」

 いきなり真眼が叫んだ。

「どうした!?」

「あ…あれ、江戸?江戸の人じゃないですか!?足がないですよ!??」

「は?どこだよ」

「なんで見えないんですか!?」

「もしかして、見えるのかな?」

「何が」

「その、変化してない人間が化けてる姿を」

「ま…マジかよ。そんなことってあんのかよ」

「こっ、殺されますよー!?」

「わかった、この女だな?」

「はい!」

「颯人!準備!」

「はい!」

 強と颯人は思いきり地を蹴った。走ったままナイフを取り出し、構える。お化けでも今の姿は人間なので、刃が通る。

「くらえっ!」

 強が上からナイフを振り落とす。

 しかし、そう簡単には当たってくれず、避けられた。

 相手の後ろに回っていた颯人は隙を見付けてナイフを背中に突き刺した。見事刺さったが、出血はない。

「最終準備すんぞ!」

「はい!」

 強はズボンのポケットから一枚の紙を取り出した。相手がお化けと言うことは、取り出した物はお札か。

 強は手に持っているお札を相手に付け、真剣な顔をしたまま、

「悪霊退散!」

 簡単な掛け声と共に相手の足元から風が吹き始めた。徐々に強くなっていき、

「とどめだ、颯人!」

 颯人は右手を真っ直ぐに伸ばし、手を広げて相手に向けた。すると、手から魔法陣のような模様が浮かび上がり、模様の色が濃くなるにつれて相手が薄くなっていき、やがて消えた。

 少しの間暴風が吹いていたため、二人の髪の毛はぐしゃぐしゃになっていた。

「あっ、大丈夫ですか?」

「ふぅ~。ちょろいちょろい」

「少し焦ってましたよね?」

「うるせっ」

「凄いですね!何であんな人間じゃないことできるんですか!」

「ん?…だって、人間じゃねぇから」

「え…?」

「うん、強さんの言う通り。この仕事は死ぬ覚悟も必要だけど、人間を捨てる覚悟も必要になるかな。紙に書いてあったよ」

「え…」

 真眼は混乱してきた様子。しかし、混乱がなくなるまで待ってくれるはずもなく、

「お前みたいな人材は他にはいないだろうからな。これからもよろしく頼むぜ」

「えっと…?」

「さぁて、帰るか~。久しぶりの女がこんな顔でがっかりだけど、すげー能力持ってっし許すわ」

「いや、あの…」

「帰ったら軽くお祝いしようか」

「おし、そんなら少し買い物して帰るか」

「あの、ちょっと」

 二人は楽しげに歩いていく。真眼の声なんて届くわけもなく。

「話を聞いてくださいよおぉぉ!!!」

 いろいろ詳しく聞きたいのに、混乱しすぎて何が何だかわからなくなったのに。しかも、人間を捨てるだなんて意味深な事を言われたらせいで余計混乱してしまって。謎が多いまま真眼は徐霊の仲間入りを果たしたのだった。

「早く来い新入り~」

「ああぁぁぁぁ~!!わかりましたよ、行きますよ!」

これがもし好評でしたら、もっと詳しく明かすために連載にしようかと思います。

一応ツイッター(@hageno194)やってるのでこちらで何か質問など聞いても構いませんよ。

ミーバースにもいます。こっちの方がいることが多いです(ID:5642IKUYO)

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