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勇者の寝言 第9夜 「人形遊び」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「王様、申し訳ありませんでした」
今日も勇者の寝言が始まった。
「マトンがこのようなことをしてしまって」
えっ、俺が何かしたのか。
気になるなぁ。
「マトン、何でこんなことしたの?」
だから、何を俺がしたんだ。
何も答えられないぞ。
「えっ、でき心で」
俺は何をしでかしてしまったのだ。
俺、気になります。
「人形遊び、、、ムニュ」
何、人形遊び?
俺、そんなことしたこともないし、第一王様に怒られるようなことか。
「マトン、今日も少し顔色悪いよ」
「あぁ、人形遊びが、、、」
「何、マトン、人形遊びしたいの?
今度、買いに行こうか?」
「いや、いいよ」
早く経験値を稼いで別部屋を取れるようにするぞ。