勇者の寝言 第7夜 「あいろん」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「うーん、マトン」
俺は、今日も勇者の寝言に起こされた。
「アイス食べようよ」
何で、アイスを食べる事になったのかは知らないが、今日の夢はまともそうだな。
よかった、あまり気にならないぞ。
「違うよ、マトン、それはアイロン」
おい、違うにもほどがある。
というか夢の中の俺は、何をしている!
「しょうがないな、僕がアイロンをかけるよ」
何で、アイスを食べる話からアイロンをかける話に変わっているんだ。
いや、そもそも、お前アイロンをかけたことあるのか。
「あっー、アイスとけちゃったよ」
アイスにアイロンか?
お前の夢、全然わからんぞ。
「よかった、アイス食べら、、、むにゅ」
アイスとアイロン、今日の夢は本当にわからん。
気になって、目がさえてきちゃったぞ。
朝の光が心地よく感じる。
今日は絶好調だぜ!
「マトン、今日は調子よさそうだね」
「そうさ、一睡もできなくて眠気は峠をこえたささ」
「えっ、一睡も?」
「今日は、ガンガン行こうぜ。目指せ10体だ!」
「マトン、ちょっとおかしいよ。
いくら僕でも10体はきついよ~」
別部屋? どうでもいんじゃん、そんなこと♪