勇者の寝言 第5夜 「巨人襲来?」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「うーん、マトン」
勇者の寝言に俺は、夜な夜な困らされていた。
「こんなに食べられないよ」
お夢の中で何を食べているんだ。
まぁ、お前らしいがな。
「うーん、無理だよ、巨人」
おい、お前が巨人を食っているのか?
普通、逆じゃないか。
「マトンも、食べなよ」
それを、俺に勧めるな。
夢の中の俺、拒否ってくれよ。
「マトン、違うよ。一口でいくんだよ。」
俺、食べてしまった。
それも、中途半端に食べた。
「そうそう、うまいね、、、むにゃ」
あー、結局俺は、巨人を食べてしまったのか。
さらば、夢の中の俺。
無常にも、朝はやってくる。
歯を磨いている時に、自分の顔をみて驚いた。
「マトン、どうしたの、今日は顔が青白いよ」
「巨人がな」
「なに、巨人って。巨人は襲ってこない設定だよ」
「あぁ、わかっているさ」
俺は頭を抱えた。
支給額が増えて、別部屋になる日はいつの日なのだろうか?