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勇者の寝言 第40話 「ダイビング」
勇者の寝言を聞くのが最近楽しくなってきた。
「危なかったねぇ~」
何が危なかったんだ。
そんな危険な夢なのか?
「もっと早く言ってよ」
悪いな。
夢の中の俺が迷惑かけて。
「酸素ボンベのエアがなくなりそうだったら、
インストラクターの人にもっと早く言ってよ」
夢の中でスキューバダイビングでもしているのか。
エア切れって、最悪だな。
「安全停止ができなかったじゃない」
緊急浮上したのか。
スキル講習以外では滅多にやらないから、うまくできたのかは不安だがな。
「なんだか、息苦しいよ、、、ムニュ」
大丈夫か?
減圧症は大丈夫だったのか?
カーテンから差し込む陽光に攻撃され、俺は目を開くほかなかった。
ゆっくりと立ち上がるが、まだ、その足取りは重い。
スキューバダイビングか、10年以上やっていなから、ウェイトの重さから
調べないと駄目だな。




