勇者の寝言 第4夜 「お風呂の水」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「マトン、もう飲めないよ」
今日も勇者の寝言が始まった。
「減らないよ、お風呂の水」
何で、お風呂。
俺は、夢でお前をいじめているのか。
「源泉かけ流しだからかなぁ?」
そりゃ、減らんわ。
止めろ。
「マトンも手伝ってよ」
無理だって。
何リットルあると思っているんだ。
「おいしいね、、、ムニュ」
何で俺たちは温泉の水を飲もうとしたんだ。
それも、お風呂の水を。
全くわけがわからんぞ。
カーテンの間から朝日が差し込む中、俺は水を飲むため、
ベッドを立ち上がった。
「マトン、どうしたの、そんなにフラフラして」
「いや、お風呂の水を何杯の飲めるか挑戦する夢をみてな」
「お風呂の水を飲むなんて夢おかしいよ。
お医者さんに相談しなよ」
いや、お前が相談しろ!
別部屋でゆっくり眠れる日が来ることを願う。