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勇者の寝言 第36夜 「たて」
俺は勇者の寝言に悩まされるマトン・スクィーバー、騎士だ。
今日も勇者の寝言に悩まされる。
「マトン、盾かして!」
「そうそう、この楯。いい感じだね。優勝したって感じするね」
「そうそう、この縦。横と縦のストライプ。目が回りそうだね。」
「そうそう、この殺陣。うまいねぇ。切られたフリ」
「館、古い城郭が雰囲気をかもしだしているね」
「って、全部役に立たないじゃないか、、、ムニュ」
今日は、ハラ●チっぽくなかったか?
それも、最後の突っ込み甘くないか。
朝日に抵抗をしながら、俺は目を開ける。
「ハラ●チ団地か。よく抜け道で利用していたな」
「何、マトン?」
「何でもない、独り言だ」
俺も、抜け道があったら、入りたいな。




