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勇者の寝言 第3夜 「下半身はどこに?」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「マトン」
今日も勇者の寝言は快調だ。
「マトン、浮いている、いいなぁ」
おお、すごいな。
俺、浮いているのか。
「下半身がないよ」
何で、俺は上半身だけ見えているということか?
おい、それって、ただ単に幽霊ってことじゃねぇのか?
「どこにおいてきたの?」
俺もそれが気になる。
お前の夢で俺はどこに下半身をおいてきたんだ。
「トイレ」
トイレに下半身を忘れてきたとは。
まぁ、時々あるか、、、ってないわそんなこと。
勇者が起きた。
そして、俺を見てこう行った。
「あれっ、マイン、まだ起きていたの?
そんなんだから、寝不足になっちゃんだよ。
ゆっくりお休み」
殴りてぇ、殴っていいか。
あぁ、支給額を増やして、別部屋にしてぇ。