勇者の寝言 第21夜 「探し物?」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「マトン」
今日も勇者の寝言に悩まされる。
「そこじゃないよ」
今日の夢では、俺たちは何をやっているんだ。
また、BLネタか?
「あれっ、どこにいったかな?」
主語を言え。
何がなんだかさっぱりわからんぞ。
「マトン、これどこだと思う?」
だから、何がなんだ。
お前は、いったい何をやっているんだ。
「あー、もう分からないよ、、、ムニュ」
俺の方がわからんぞ。
今日の夢はいったい何だったんだ。
俺が、カーテンを開けると、勇者が起き上がる。
とても眠たそうだ。
「勇者、どうした?」
「何か変な夢見てさ」
「どんな夢だったんだ?」
「ジグソーパズルやっている夢なんだけど、この部屋全体がパズルで、
それを解かないと、部屋から出れないっていう夢だったんだ」
「疲れていたんだろう?余り気にするな」
今日は、2人とも体調がよくないので、怪物・悪霊退治は中止したのだった。




