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勇者の寝言 第16夜 「トイレ」
俺は、マトン・スクィーバー、自由騎士だ。
勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしているのだが、
1つだけ勇者に不満があった。
「マトン、駄目だよ」
今日も勇者の寝言は絶好調だ。
「まだ、僕が入っているんだから」
何に入っているんだ。
そして、俺は何をしているんだ。
「やめてよ、無理だよ、途中でとめるなんて」
何をとめろと俺は言っているのか?
確かに無理だな。
「別の階のトイレに行ってよ」
何で、俺は、お前とトイレに入りたがっているんだ。
夢の中の俺は奇怪な行動ばかりとるな。
「トイレは、、、ムニュ」
どうなったんだ。
お前はちゃんと用を足せたのか?
俺は、朝起きるなり、勇者の布団を見てみた。
臭いはない、おねしょした形跡もない。
「マトン、どうしたの? 僕の布団見て」
「お前、今日おねしょしてないよな?」
「失礼だね。僕はもう大人だよ」
「そうか、大丈夫だったか。よかった」
俺の気苦労は絶えない。いつになったら、別部屋で寝れる日が来るんだ。




