勇者の寝言 第13夜 「嫌い?」
俺の名前は、マトン・スクィーバー。
自由騎士だ。
騎士養成学校を卒業したものの、仕事がなく、勇者と悪霊・怪物退治をする日々を過ごしている。
勇者は過去を教えてくれないのだが、腕っ節は強く、俺がいなくても1人で悪霊を退治してしまう。
こんな勇者と一緒にいると、俺の経験値は上がっていく一方なのだが、1つだけ悩みがあった。
「マトンなんてキラ、、、」
今日も勇者の寝言はいつにも増して大きかった。
「マトンなんてキラ、、、」
何で、そこで終わる。
何が言いたいんだ。
「僕は、アスラ、、、」
ちょっと待て、嫌いかと思っていたが、違うのか。
著作権的に問題なるからこれ以上言うなよ。
「ストライ、、、発進」
おい、やっぱりあれか。
「ク」というなよ、「キ」と言え。
「サービス、サービス、、、ムニュ」
あれっ、アニメ変わっていないか?
確かにその声優さんも出ていたが。
今日は、ヒヤヒヤもんだった。
別に何も気にならないぞ。
おやすみ。
「マトン、どうしたの肩落として?」
「いやな、著作権法違反で訴えられる夢みてな。
寝不足なんだ」
「なんでそんな変な夢を、マトン。いい弁護士紹介してあげるよ」
何で夢の話で、弁護士紹介の話をしたんだこいつは。
反論する気力もねぇ。
別部屋でゆったり眠れる日が来るのはいつのことやら。




