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証明内容

作者: 姫山 朔

 

 思い描いた未来に心躍らせ

 私は生まれ育った街を後にする


 少し寂しさを感じたけれど

 後悔なんてしなかった


 遠い遠いこの町で

 新たな一歩を踏み出すことに

 抑えきれない喜びだけを感じていた




 現実なんてそんなに甘いものじゃない

 思い描いた未来は夢のまま


 何もかもうまくいかない日々が続いた

 まるで、真っ暗な道を歩いているように




 誰かのせいにしたくて

 でも自分が悪いことなんてわかってて


 誰かに求められたくて

 誰かの特別で在りたくて


 だけどそんなことはありえない




 後悔なんてしたくなかった

 もっと進めると思ってた

 でもそんな思いが崩れ去るのはあっという間で

 けだるい日々に侵されていった



 泣いて泣いて泣いて泣いて

 悔やんで悔やんでまた泣いた

 笑顔で送り出してくれた両親に、友に

 無性に会いたくなって


 自分の存在が許せなくなって、消えたくなった


 不安定な私の心

 それはもう「普通」じゃない



 「普通」であるのは難しい

 「特別」になるのも難しい


 私は何になればいい

 まだ答えは見つからない




 思い描いた未来が現実になることはなかったけれど

 夢は私の中で生き続けた


 そのうち新たな希望が生まれると

 役目を終えたとばかりに温かな光に変わる


 人の心が強いこと

 私はその時また知った


 私たちは乗り越える力を持っている




 私はまだ「普通」じゃないし「特別」でもないけれど

 私がここにいるというその存在証明を

 詠うことで示したかった


 ただ、私が生きているということを証明するために。

 ただ、私がここに在ることを示すために。




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