200字小説・300字小説 誘い雨 作者: 柿原 凛 掲載日:2011/09/02 夏の終わりを告げる雨のざわめきが窓越しに聴こえている。昼寝をする気になれず、ただただ窓際にもたれかかって外を眺めるばかり。真っ白に少しの黒を混ぜたような雲が辺りを包み、人影はない。 冷蔵庫から麦茶を取り出し、残り少ないそれを一気に飲み干す。どこからかテレビの音が聞こえてきたが、雨脚が強くなると共にそれもどこかへ消えていった。 秋がもうすぐやってくる。麦茶のボトルに水を溜めると、心に一筋の秋風が吹いた。