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6 利炉硫〈リロル〉

??「俺が望む展開、叙事詩じゃない」


IFストーリー開幕。

 リロルは元々、漢字の名前だった。

 意味のわからない漢字を当て字として使った、愛のこもった名前だった。

 でもそれは、名前じゃない。

 親の押し付けによる、無理矢理な愛だった。

 それを■と決めつけるのも、彼女にとっては■だと思うが⋯



 ―アリゼム 森林―


 ん、ん〜っ⋯日差しが気持ちいい。

 テントである程度遮られてはいるけど、途中から敵が入らないようにして、その上で開けるようにはしといたから、日差しが入るのも当然っちゃ当然だよな〜


 というか、昨日の深夜辺り、ここら辺に誰かいたような⋯

 ちょっと小さな天使みたいな子、女の子だった気がする。

 でも、逃げちゃったのかな。

 姿が見えない⋯いやぁ、見たかったなぁ⋯

 この世界で女の子は貴重だし、何より族の生き残りだから姿を一度見ておかないと⋯


 ん?水仙どうした?そんな驚いた顔して、足元指さしてるけど、足元には誰も⋯

 ⋯え?


 「お、おいそいつ⋯!」


 「間違いねぇぜ兄弟⋯!」


 「颯太⋯」


 「え、えぇ!?」


 まさかの足元に、リロルちゃんがぁぁぁぁ!!!!

 し、しかも裸ァ!?

 こんな登場の仕方想像してなかったし聞いてもいない!

 しかも、カレーのルー口に付いてるし⋯

 食ったのか、まぁ可愛いから許すが。


 「⋯こ、ここは?」


 あ、やべ⋯起こしちゃったかも!

 どっか、草むらかどっかに休ませないと⋯

 あと、裸だと恥ずかしいだろうから、葉っぱも⋯

 って、離れてくれない!?


 「ダメ、ダメ⋯離れちゃダメ⋯」


 え、えぇ⋯離れちゃダメなんて⋯

 可愛いけど、このままじゃ何処も動けない⋯!


 「こら、リ、リロルちゃん、だっけ?離れなさい!初対面とはいえ、私も流石にそこまでやっられたら怒るわよ!颯太君が困ってるでしょう!?」


 なっ⋯!?君付け⋯良き。


 「おいおい、流石に怒るのはダメだぞ水仙!」


 「なんか顔赤くない?気の所為?」


 「気の所為だっ!!」


 「そう、なら良いけど⋯」


 もうそれ口癖になってないか⋯?

 まぁ、僕もだけどさ。


 「私以外の人と、仲良く話さなくて良い⋯私と、仲良く話してよ⋯」


 か、可愛い⋯一緒に話すことを強請ってくるなんて⋯

 余程一人だったんだな、とても酷だ。


 「わかった、わかったから一旦離れて⋯動けないし、色々と恥ずかしいよ⋯」


 「え〜、ヤダ。私、離れたくない⋯颯太、良い香り。良い顔。良い容姿。好き。」


 「⋯嬉しいこと言ってくれるじゃないか!」


 「いい加減にしなさい!離れないと、私が⋯!」


 「おい!水仙!さっきから様子がおかしいぞ!」


 「だ、だって⋯!」


 「僕のことを思うのはいいけど、この子はまだ子供なんだぞ!?何百年生きていても、容姿が幼すぎる⋯そんな子を、傷つけたくはない!だからやめるんだ。」


 「そ、そんな⋯」


 「お前さんもお前さんだ。この子はお前さんのことを思って止めてくれているわけだ。それにこの子、魔力値がとんでもないことになっている⋯放っておいたらお前さんをも巻き込んで暴走するだろうよ。」


 「兄弟の言う通りだぜ。君の正義がその子に届いたとしても、相棒である水仙にとっては独りってことと同義だ。水仙のことも見てやれ。ちゃんとな。」


 その言葉一つ一つに濁りが見当たらない、この二人は本気で訴えている。

 水仙のことも大事に思わなければ、人間として失格だということを。


 「だがな、それを絶対的使命だとも思っちゃいけねぇ。そんなことしたら自分自身の身体もどうにかなっちまう。」


 「そうだな、他人もそうだが自分の体も大事だ。」


 追い詰められ、自分を認め直した。

 確かに、これで自分が変わるわけじゃない。

 いや、絶対変わらない。

 こんなんで変わったら、神様が絶対に間違えてる。

 水仙は、一人になるのが嫌いだ。

 そして、嫉妬深い。

 それは単に僕に対する愛を抱いてるわけじゃない。

 僕に対する心配する気持ちも、備わっているんだろう。

 こう考えると、僕は一人の人間に精を出し過ぎたんだろう。

 変な意味じゃない⋯言葉の綾、表現方法ってやつだ。

 ⋯そうだな、僕が間違ってた。


 「水仙、すまなかった。」


 「大丈夫、でも一人にするのはやめて欲しいわ。だって、一緒に冒険するって決めたでしょ?」


 「決めた。」


 「なら、この際だからもう一つ決まりを付け足すわ。一人で背負おうとしないこと。」


 「わ、わかった。」


 「少しはしてもいいけど、あくまで許容範囲まで。許容範囲を過ぎたら、私は君に冷たく接するわ。出来るかどうかは置いといて。」


 「⋯(出来ないとでも言うのかな?可愛い⋯)」


 「とにかく!私に隠し事なんてしないこと!私に相談すること!良いわね?」


 「勿論、わかってるよ!」


 僕からは⋯やめておくか。

 いや、隠し事はしないようにって今言われたばっかだけど、聞かなくてもいいことだってあるんだから。


 「みんなばっかりずるい!私も、話に入りたい⋯!」


 「わかったわかった!でも僕達の話は結構難しいぞ〜?」


 「難しくていい。話してくれるだけでいい!」


 「オッケー。ってかそのほうが僕らも話しやすいよな」


 んでも、何話そうか。

 出来る限り、真相に迫ることはやめておいたほうが良いな。


 「そうだなぁ⋯好きな食べ物とかかな。話したいことは!」


 「好きな食べ物〜?いいよ!」


 お、承諾を得れた!

 好きな食べ物を知れたら、作る側としても作りやすいんだよな。


 「そうだなぁ〜好きな食べ物、颯太の作るカレーが一番好き!」


 あっ、やっぱりか。


 「食べたんか、あれ。」


 「美味しかったよなぁ兄弟!」


 「な!」


 「私も颯太の作るカレーが一番好きよ!」


 や、やけにグイグイ来るなぁ⋯

 さっきのがあったからか。


 「みんな一緒!でもなんとなく、この女の人と一緒は嫌。」


 「⋯はい?」


 あっ⋯定型的な喧嘩が始まってしまった⋯


 「リロルちゃん?さっきの言い方は何なのかなぁ?」


 「別に?変な意味はないよ。言いたいこと思ったことを口に出していっただけだもん。それの何が悪いの?」


 「むぅっ⋯!」


 「これこれ、流石にあかんぜ嬢ちゃんたち!」


 「関係ない人は来ないで!」


 「か、悲しいぜ⋯」


 「そういうことぐらいありますぜ兄弟⋯日常茶飯事ですぜ⋯」


 破茶滅茶でまとまんないな、収まるまで待つしかないか。

 あ、そうだ!


 「みんな、腹減ってるよな?」


 「「「「勿論」」」」


 ほんとにみんなそうだった⋯

 こういう時に息ぴったりじゃん。


 「なら、ちょうどいいものが料理にあるから、今から作るね。」


 「あっ、私も手伝う〜!」


 「ず、ずるい〜!手は小さいけど、私も作る〜!」


 「俺達も作ろうぜ!」


 「そうだな兄弟!」


 ということで、朝食作りが始まった。

 ふかふかもちもちふわふわのパンを用意し、硬いところである耳を切り落とし、柔らかい部分だけにする。

 ここら辺は非常に危ないので、僕がやる。


 「包丁⋯危険!颯太、よく使えるね。」


 「意外と慣れてるからね〜」


 「私もやる〜!」


 「や、やらんでいいって言ったのに⋯まぁ良いか。」


 ということで、俺と水仙、二人がかりで下準備をすることに。

 大体が切り終わったら、パンの耳と柔らかいところを分別する。

 パンの耳は捨てずに、おやつとして使わせてもらう!

 柔らかい部分も暫く使わないので、調理する汚れていない場所にそっと置く。


 そして次は、具材を切ったり挟んだりする作業をする。

 トマトは葉を取り、縦に丸くなるよう切る。

 レタスは食べやすいサイズに切り分ける。

 ハムはそのままでも大丈夫だろう。

 ツナや玉子、トンカツハムカツとかはお好みで。

 マヨネーズとかマスタードもお好みで。(殆ど持参か自作のもの)


 あとは各々で色々挟み込んでもらって、完成!『仲直りライクサンドイッチ』!

 

 「はい、君も!」


 「やった〜ありがとう!」


 「これ食べたら、いがみ合いっこなし!いいね?」


 「はい!」


 んじゃあ、いただくとするか。


 「「「「「いただきます!」」」」」


 『パクっ』『もぐもぐ⋯』


 あいも変わらず、美味ぇな⋯サンドイッチ!

 心の支えって感じがする〜!

 自分が食べたのは、ベジタブルハムサンドと、トンカツサンドなんだけど、どれも個性的な味且つ美味しく仕上げてるから、感動するほど美味い(泣)

 他のみんなは⋯やっぱり、泣いてる。


 「こんな美味いサンドイッチ、食ったことねぇ(泣)」


 「ふかふかもちもちふわふわで柔らかいパン、感動モノだぜ、兄弟⋯」


 「これもとても美味しい⋯やっぱり、パンの素材をしっかりと味わえる機会なんて滅多になかったから、その機会を作ってくれた颯太には感謝してもしきれないわ!」


 「⋯美味しい、家族の味がする。暖かい⋯パンと具材が体を優しく包みこんでくれる⋯」


 みんな、こういうの食べたことなかったんだね。

 褒めてもらえて、本当に嬉しいよ!


 ―しばらくして―


 「これで、腹拵えは済んだね。んじゃあ、色々本質に迫っていく⋯前に!リロルちゃんの服をどうにかしないと!」


 「服⋯?あ、別に気にしなくていいよ。私、着るとしても半袖短パンとかばっかりだし。」


 「ダメだよ!寒いじゃん!」


 「そ、そう?」


 「肌寒いし狙われやすいから、何かしら暖かい服装にしとかなきゃ⋯」


 ん?ちょっと待てよ?

 この子、背丈短い関係でサイズが合うかどうかわからんやないかい!!


 「あ、それなら⋯私の糸魔法が使えるよ」


 「そういうのあるのか、すごいな糸幹人⋯ってか今、心読んだ!?」


 「こうして、こうして⋯」


 「良かった、今の聞こえてなかったみたいだ。聞いちゃいけない話かもしれないからね。」


 「こうっと!出来た〜!」


 「いや短パンに半袖なの変わってないって〜!どれだけ好きなのそれ!」


 「あれ、変わってなかった?あ、ホントだ。」


 どれだけ鈍感なんだこの子⋯


 「一回、着てみるね。」


 「良いけど、寒くない?」


 「気にしないよ〜」


 「なんで?」


 「面倒くさいから〜」


 可愛い⋯!理由がとても可愛いけど、それじゃあ悪い人に捕まっちゃうよ〜!


 「着れた〜」


 「いやシンプルだけど!白と青っていう見たことある組み合わせでシンプルでいいんだけれども!パッツンパッツン過ぎて骨格のラインと肌が透けちゃってるよ!!」


 「そう?」


 「そうだよ!逆になんで今まで気づかなかったの!?」


 「気にしてなかったから」


 「り、理由になってなーい!でも可愛い!許す」


 「やった〜!」


 割と支離滅裂なキャラ立ちだけど、僕はすべてが可愛くて好きだ。

 水仙とこの子と、存分に冒険できたら⋯

 それだけで、それだけで⋯それだけできっと。


 幸せな最期■共■過ご■■だろう。

次回、番外編IFストーリー&ぷちくろ

本編は2話ほどお休み!

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