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10 墓場

中盤編、今回の回で終了。

応援ありがとう!

ぜひ最後まで読んでいってください!


終盤編は中盤編より長いから、気を引き締めるように!

 「お父さんとお母さんの亡くなったところは、家。もう、透明モードは解除してある。」


 こ、こりゃ酷いなぁ⋯

 グロすぎて、最悪の場合吐きそう。

 床に血がびっしゃりで、頭だけの死体や腕だけの死体がゴロゴロゴロゴロと転がってる⋯

 心臓が動いていないのは当たり前だが、酷い状況だな。

 親がこんな状態で死んでたら、間違いなくショック死するな⋯

 あぁ、良かったとも素直に思えない複雑な状況で涙が出てきた⋯

 本当に、可哀想だ。

 あと、素直に一回ゲロった。

 水仙とハイドが必死に処理してくれたからなんとかなったけど、やっぱきついわ。


 「なぁ、ハイド。自分で言ってて悲しくないのかそれ⋯」


 「悲しいよ。悲しけど、私の親は親じゃないってこと、薄々気が付いてた。だから少しは楽。」


 「それ、どうせ嘘だろ。僕にはわかるぞ!顔でな!」


 「なにそれ、私勝ち目ないじゃん。」


 「勝ち目あるないの話じゃないんだけどな、まぁそれはいいや。取り敢えず、どうしたいか言って欲しい。僕の一般魔法には『死体・死者蘇生』のスキルまであるから、使いたいんだったら僕が死体に薬をかける。」


 「チートだね、それ。」


 「よく知ってるね〜!」


 「現界のラノベってやつみたいなの、自分で作ってるから。」


 「へぇ〜小説家なんだな。」


 「そ。」


 なんかやけに冷たいな⋯まぁ家族のことが関わってるし、色々質問してるから、必然的っちゃ必然的かもだけど。


 「取り敢えず、花は添えたい。」


 「あとからでも渡せそうだけど⋯」


 「私はこれでいいの。」


 「あぁ、そう。」


 しかし、問題なのは上手くいくかということだな。

 さっき言った魔法は、一般魔法とはいえ秘伝の魔法。

 使うのは初めてだし、すぐ使いこなせるかと言われたらそれは違うんじゃないかと思う。

 言うなれば、時間制限デバフがつけられる可能性のある運ゲーだ。

 ハイドのために長く生き長らえることが出来るのか、成功するかが鍵になってくるな。


 「そこまでする必要ないよ、いうほど親に会いたいというわけでもないし。」


 「押し付けられたからだろ?嘘なんてもうつかなくて良い。本当のことを言おうな。」


 「本当のこと言ってるもん⋯嘘じゃないもん⋯!」


 ここは信じるべきなんだろうか、信じないべきなんだろうか⋯

 いや、ここは心を鬼にして⋯!


 「本当は両親に死ぬほど会いたいんだろ?流石に僕にも言いすぎなところもあった。でも、嘘はついちゃいけない。僕はハイドの両親に会いたい。会ってみたい。」


 「ふ、ふん!勝手にすれば?」


 な、なんだこの子⋯ツンデレで可愛い〜!


 「何こっち見てんのさ、早く死体蘇生しなよ!」


 「わかってるって〜もう、可愛いなぁ〜!(いや、ふざけてる場合じゃないんだけど)」


 「可愛い⋯?う、嬉しい⋯」


 そこは素直なんだね、でもそこも可愛い〜!

 おっと、見惚れてないで早く死体蘇生しないと、他の方を待たせてるからね!


 【一般秘伝魔法 死体・死者蘇生】


 「⋯こ、ここは、あの子の家⋯?」


 「くっ、戻ってきちまったか⋯エルフだって何処まで迫ってきてるかわかんねぇのに⋯つくづく俺達は運が悪いぜ。」


 「⋯お母さん、お父さぁん!!」


 「お、おい!なんで外出てきてんだ!あれほど外へ出るなと言っておいたはずだぞ!?」


 「いや、貴方。周りを見てみなさい。」


 「ま、周り⋯?あ、あれ⋯エルフの大族たちがいない!」


 「まだ完全にことが静まり返ったわけじゃないですし、多分魔法の効果的にすぐ死ぬかと思いますが、一度蘇生させました。」


 「き、君は人間かね⋯?」


 「あぁ、人間だとも。」


 「エルフの大族は今何処に⋯?」


 「まだ根城でしょうね、まだ事態は静まっていないとさきほど説明したばかりですし。」


 「そうか、よく聞いていなかった。」


 どれだけ耳が遠くてアホなんだ、この族の民たちは⋯


 「あの、人間の方⋯」


 「どうしたのですか?」


 「他の族の民は、生き返らせることは⋯」


 「二人が限界です。二人以上を死体蘇生させてしまうと、時間制限が完全に設定されてしまうので、二人が限界なんです。二人も制限時間が設けられるかもしれないのですが⋯」


 「大丈夫です。ご回答いただきありがとうございます、人間の方。」


 「あ、あと娘さんが花を渡したいらしくて⋯色々話すついでに、受け取ってあげてください。僕達は別の場所で時間を潰します。ではごゆっくり〜」


 「あっ、行ってしまわれた⋯」


 「人間の族の中には、あのような優しい方がいるんだな。その者に拾われて本当に良かった。」


 「話す前に、はいこれ。お花。」


 「この花たちは?」


 「私もよくわからない。けど、いい花だって言うことはわかってる。」


 「そう、ありがとう。」


 「ありがとうな。」


 「ねぇ、お父さん、お母さん⋯」


 「なんだ?」「なんですか?」


 「なんであの時、色々押し付けたり私を見捨てたりしたの⋯?」


 「それは、とても言い難いんだが⋯」


 「お父さんがリロル、貴方に敢えて距離を作って、印象付けないようにしたからよ。私もそう。」


 「そ、それだけの為に⋯私を?」


 「お母さん⋯そんなしょうもないことをすぐに話そうとするな⋯!」


 「いつか腹を割ってリロルと話すつもりじゃなかったの?そんなんだから嫌われるのよ!」


 「ち、ちが⋯!嫌ってたわけじゃ⋯!」


 「わかってる、わかってるわ。貴方の優しさは痛いほどわかる。そして辛さも⋯でも、仕方のなかったことなのよ。」


 「き、気にしてないって⋯!」


 「俺はお前が謙遜しすぎているから、そんなんじゃすぐ捕まって死ぬと思って縛りをつけて、因子と縫いぐるみと、念入りに色々なものを準備したんだ。」


 「そ、そんな⋯」


 「でも、自分を責める必要はないわよ。だって、私達が悪いんだもの。」


 「自分勝手、二人共自分勝手に話を進めすぎてるよ!私だってなにかしたかったの!私にだって出来ることはあったはず!なのになんで託そうとしなかったか!それの理由がそれだけ!?意味分かんない!私は二人という両親にとってどう見えていたの!?道具⋯?傀儡⋯?そんな物程度にしか見えてなかったってわけ!?そんなの、私が望んだと思うの!?正直言って勘違いも甚だしいよ!生きててほしかったんじゃないの!?立派に、何者にも囚われずに、自由に生きていてほしかったんじゃないの!?今、貴方達の代わりはすんなり出来た。何百年の無駄のお陰で!だから、これ以上会話することも、相対することも、顔を合わせることもないね。はぁあ清々するよ。貴方達のようなよくわからない理由で私を縛る両親の中に生まれてね!」


 「⋯そんな風に考えていたのね、わかってあげられなくて、本当にごめんなさい。」


 「ご、ごめんなさいで済むと思ったら⋯!」


 「わかってる。それだけじゃお前の怒りは収まらないことも、わかってる。だからこそ、謝るんだ。誠意をここで見せなければ、顔合わせなんて何百年経っても無理だとわかっていたから、ここまで渋ってしまったんだ。本当に申し訳ない!」


 「⋯怠惰だね、二人共。だらしなくて、愛情がなにかも知らないで生き続けて⋯それでも、幸せだったよ。二人と過ごせた時間は。ありがとう、大好き。」


 「こちらこそ、こんなだらしない親の間に元気に生まれてきてくれて、本当にありがとう。」


 「来世がもしあったとしたら、次は必ず、お前を一人にしない。くどいと言われるまで、幸せにしてやる⋯!」


 「き、消えていってる⋯!」


 「やっぱり、時間制限があったみたいだな。申し訳ないが、ここでお別れみたいだ。」


 「この数百年間、よく頑張ったわね⋯!おめでとう、リロル!いや、今はハイドちゃんって呼ぶべきかしら⋯」


 「そうだな、ハイド。あの人間に、良くしてもらうんだぞ。」


 「⋯もう、言い方。」


 「もう、消えそうなんですね。二人さん⋯」


 「そうね、もう貴方ともお別れね。最後に一つ、人間の方にお願いしたいことが⋯」


 「なんでしょうか?」


 「どうか、この可愛い可愛い娘を⋯貴方の嫁にしてあげて下さい。幸せにしてあげて下さい。それが叶えば、それだけで私達は、安心して成仏できます。」


 「わ、わかりました。叶えてみせます⋯!」


 「有難う御座います⋯!無理言ってすみませんね。」


 「⋯///」


 「「さようなら。」」


 「天国でも、お元気で。」


 消えちゃったな、最後のお願いは結構僕にとってはきついものだったけど⋯

 二人の夢が叶えられるよう、僕も誠心誠意努力で応えなければ!


 「け、結婚とか⋯今じゃないけど、しちゃう⋯?」


 こっちはこっちで行き過ぎてるけど。


 「絶対にダメよ?絶対にね!」


 こっちもこっちで聞こえてたみたい。

 これから大変になりそうだなぁ⋯


 ―その裏で エルフの大族 根城―


 「ボス〜!一大事です!」


 「なんだ、そんなに慌てて。」


 「じ、実は⋯例のあの森で⋯」



 ―斯々然々(かくかくしかじか)


 「はぁ!?味方が増えただと!?しかもその味方は5人とも魔力値がカンスト状態で、幹部全員が束になってかかってもワンパン状態でやられるだとぉ!?」


 「は、はいぃ⋯!」


 「こっちに向かうような動きはあるのか!」


 「誠に残念ながら、あります⋯」


 「命の危機だ!存続の危機だぁぁぁぁ!!!一体どうすりゃ良い!?教えろ部下共ぉぉ!!!!」


 「(あの鬼のボスが、今回はひどく怯えていらっしゃる⋯これは立場を弁えて正しい言葉を言わないと⋯)」


 「呪鬼じゅきたちに頼んでみてはいかがでしょう⋯?”一部の”にはなりますが⋯」


 「そ、そんなことをしてはこの大族部族も巻き添えを食らってしまうではないか!!」


 「やはり、そうですか⋯」


 「いや、案外ありか?」


 「そう言ってくれると思いましたボス〜!」


 「な、なんだ?部下が急に調子に乗り出して⋯!」


 「なんたって僕、呪鬼じゅき本人なんですもの〜!」


 「な、何ぃっ!?誰が入れたこんな奴!」


 「私じゃありません⋯!」


 「私でもありませんよ⋯!」


 「僕でもありません!」


 「うん!うん!(僕でもないですよ!)」


 「それはそうでしょう、何故なら僕は、僕の意思でここまで辿り着いたんですから。」


 「す、すごいな⋯あれだけ強固なセキュリティを⋯」


 「(あれ、言うほどだったっけ?まぁいいや。細かいことは気にしたら負けってよく言うし。)」


 「取り敢えず、諸々のことは僕に任せて、君たちはのんびり茶でも飲んでいると良い。」


 「わ、わかった。では遠慮なく⋯」


 「(いや、早ぇな)」


 勢力は一歩ずつ一歩ずつ、脅威を纏い始めていた⋯


 つづく

次とその次の回は十話記念で、色々な番外編をご用意!

謂わばサプライズ物語〈ストーリー〉ですっ!

制服姿の御二人にも注目ッ!

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