孤独
赤と、白に、点滅を、繰り返す。
定期的に、鳴る警告音。
薄目を、開ける。
「気絶してたのか」
操縦桿を、握ると、通常モードに、復帰する。
敵の近くで、敵を、破壊したために、その衝撃波で、気絶していたようだ。
「接近の、しすぎか」
残弾無し。
なん分、気を失っていたのだろう。
味方が見えない。
通信も届かない。
「そんなに離れたのか」
味方は、航行不能で、今の、ガンダムの、状況すら、把握してない。
「チェック」
Aiが、索敵を開始する。
何も無いのを、期待していたが、接近するムサイが、表示された。
ご丁寧に、ザク、三機も、展開済みだ。
「そこの、連邦軍兵に、告げる。投降せよ。投降せよ」
完全に、積みだな。
「投降する。撃つな。投降する」
弾切れのライフルを、投げ捨てる。
私の忠誠心も、大した事ない。
運の悪い事だ。
そう思っていた時が、私にも在りました。
いきなりムサイが、爆発した。
その場の、全員が、唖然としただろう。
直上からの、連邦の、軍艦の、強襲だった。
さらに、砲撃の後に、先端から、激突した。
ラムアタックを、仕掛けて来たのだ。
連邦軍の、軍艦は、そのまま、通り過ぎて、下に、ムサイごと、駆け抜けて行く。
啞然として、立ちすくむモビルスーツ達。
その後に、展開済みの、連邦の、モビルスーツ達が、さらに、強襲を、掛けてくる。
「投降しなければ、撃墜する」
銃撃の猛攻を、仕掛けながら、警告する。
全員、ライフルを、投げ捨てて、投降した。
それなりの、手練れだったのだろう。
負ける時も素早い。
下で、ムサイが、爆散する。
軍艦が、戻ってくる。
通信が、入る。
「モビルスーツより、退去せよ。モビルスーツより、退去せよ。抵抗は、無意味である」
私も退去させられた。
今は、敵の、兵士と、一緒に、エアロックの、中で、真空状態で、監禁されている。
エアロックの、窓を、叩いて、監視の、兵士を、呼び出す。
「あのー、何で、私まで、監禁されてるんですか」
「お前には、スパイ容疑が、掛けられている。おとなしくしていろ」
スパイか、私が。
なんてこった。
「運が、悪かったな」
敵の、兵士の、一人が、話しかけてくる。
「まさにドンピシャ。あれじゃ、誰だって、そう思う」
「私は、非武装でしたよ」
冷静に、反論する。
「そんなの、奴らに、解るわけないだろう。査問委員会まで、待つことだな」
「査問委員会」
嫌そうに、そう呟く。
「なんにしても、俺たちの、戦争は、これで終わりだな」
そんな時に、サイレンが、鳴り響く。
「右舷直撃」
「敵の総数は」
「ムサイ1艦のみ」
「左転身しながら、回避。けん引してるザグは捨てろ」
しばらくの、沈黙ののちに、こう言った。
「退艦の、準備を、しろ。ギリギリまで、粘るがな」
派手な衝撃の後、しばらくしてから、エアロックの、ロックが、外れた。
宙に、出られる。
外に出たところで、放棄されたザグが、どこかに、流れていった。
「俺たちのザクが」
敵兵の嘆きの声だった。
私は、迷いなくけん引されたガンダムに乗り込む。
スラスターを、使って、格納庫に、滑り込む。
「ライフルを、よこせ」
そう叫ぶ。
「お前に、ライフルを、やれるか」
整備員の、怒声が、きこえる。
だが、ライフルが、出てきた。
「行け」
別の、誰かの声が聞こえる。
「ライフルの、受領確認。接続完了」
「ガンダム、行きます」
「回避に、専念しろ。モビルスーツの、発進を急がせろ」
「ガンダム、発進しました」
「ガンダムだと」
「敵へと、直進しています」
「何がどうなっている」
その時に、通信が、入ってくる。
「貴艦を、援護する。当方、直ちに、砲撃を、開始する」
「援軍だ」
艦内が、一気に、沸き立つ。
敵に直進しながら、回避運動を、しつつ。
陽動の為に、一発ライフルを、撃つ。
弾が出ない。
なるほど、狡猾だ。
初弾は、撃てないようになってたんだな。
反逆者なら、そのまま、ハチの巣だったんだな。
「迷惑な話だ」
二射目を、撃つ。
陽動は、必要だ。
「敵は、戦線を、離脱するようです」
「追えるか」
「無理です」
「敵が、上手か。ガンダムは、どうなった」
「友軍の方へ、向かったようです」
「こちらの、おもてなしは、お気に召さなかったようだな」