表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/49

連絡

各務元正:今の川中島の備えだけで、上杉を退ける事は可能でありますか?

林為忠:国衆内に綻びが無ければ不可能ではありません。ただ彼ら国衆は上杉と繋がりが深い者が多い事。父通安が自由に使う事が出来る兵がほとんどいない事が懸念されます。大至急金山より部隊を派遣する必要があります。

大塚丹後守:その障害となるのが織田家自体であります。ただこれについては杞憂に終わりました。信長様と信忠様に刃を向けた明智光秀は羽柴様に討たれたのでありますから。

林為忠:しかもその一員に池田様がいらっしゃるとなれば、我らは安泰。美濃東部と川中島に注力する事が可能となっています。後、問題となりますのが……。


 川中島までの道中。


林為忠:我らが川中島から戻る際、

「木曽に不穏な動きあり。」

の報を受け急遽日程を繰り上げ福島に入った所、予想通り。木曽が殿の命を狙っていた事が判明しました。今思えばそこで一戦を交え、奴を亡き者にするべきであったのでありましたが……。

大塚丹後守:ここ金山の状況。京の情勢が不明であったため、妥協を余儀なくされた。

「道案内したら岩松丸様をお返しする。」

と。

各務元正:ただ収穫もありましたな?

大塚丹後守:はい。木曽が美濃の何処に立ち寄り、説得にあたったのか。これがそのまま木曽と共に殿を亡き者にしようとした者共を意味する事になりましたので。その中で不問に処すには危険な人物の1人が……。


 遠山友忠。


各務元正:遠山の本領は岩村。ここを治めているのは団忠正様であります。その団様は京で信忠様と行動を共にしていました。現在消息不明であります。この情報は当然遠山にも届いていたかと。同じく京で行方がわからなくなっています蘭丸様の金山共々木曽と謀って奪い取ろうと考えていたと見て間違いありません。

林為忠:このまま帰すわけにはいきません。

大塚丹後守:木曽と遠山に対し、我らによる金山と川中島の行き来の安全を如何にして約束させるか。これが課題となっています。

 殿の背後には池田様が居ます。その池田様は羽柴様と共に明智打倒に貢献されています。一方、木曽と遠山を動かした明智光秀はこの世には居ない。今、彼らが我らを脅かす。当主不在となっている岩村を簒奪する事を認める有力者は存在しない。人質を供出させる事により、動きを封じる事は可能。

 ただその人質となるに足る存在である岩松丸様は木曽に返さなければならない約束となっている事。加えて殿と木曽は同格。主従関係では無い故、人質を取る事は許されない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ