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52話

「皆さん、お見事ですね」


 いつの間にかアリアさんを守る様に立ちふさがっていたルッセルさんが皆にねぎらいの言葉をかける。


「ははは、大した事じゃありませんよ。アリアさんに魔物の攻撃を通してしまうのは良くありませんからね」


 エリクさんはもっと褒めて欲しそうなオーラを纏っている。


「私もエリク君と同じ。勿論、後衛が襲撃された時の経験を積ませる事もありかもしれないけど、地獄犬ヘルハウンド相手にそれは危険だから止めたわ」


 一方のセフィアさんはさも当たり前の事をしただけと言いたそうに、さらっと流している。


「ご厚意感謝いたします。ですが、私は出来る限りの経験を積みたいと思います」


 つまり、アリアさんは地獄犬ヘルハウンドを懐に潜らせたかったと。

 格上の魔物と対峙したい事は一見勇敢にも見えるけど、俺には無謀としか思えない。


「貴女、生き急ぎ過ぎよ。強くなりたい成長したいって気持ちは大事だけど、自分達より格上の魔物相手にその鍛錬は勇敢で無く自殺行為なのよ。勿論今後冒険者をやっていくうえで、前衛を抜かれて後衛を狙われるケースもあるし後衛を優先的に狙う魔物も居る」


 セフィアさんがアリアさんに説明をし、


「その通りです。ここはアリアさんにとって上位の狩場ですので、必要でありますが無謀な訓練はさせられません。また後日、私の方から敵に前衛を抜かれた際の自衛方法についての訓練指示を出しますよ。ヴァイス・リッターに在籍する後衛の方々にとって丁度良い訓練テーマでしょう」


 ルッセルさんが補足説明も含めこの話を締めてくれた。


「すみませんでした」


 アリアさんは二人の話に納得した様子だった。


「それでは皆さん、先に進みましょう」


 ルッセルさんの合図と共に俺達は炎獄の谷の奥へと向かった。

 炎獄の谷の奥へ進めば進む程周囲の炎が活気付いている。

 エリクさんが掛けた魔法のお陰で熱さは感じないが、頻繁に飛び交う炎を纏った小石が時折身体にぶつかると僅かながら痛みを覚える。


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