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28話

 魔法の試し打ちをしてみたくなったが、流石にこの場所で試すのはダメだろう。

 同じくこの指輪を身に付けたルッカさんとルミリナさんも魔力が増強する感覚を覚えたのか嬉しそうにしている。

 魔術の扱えないデビッドが少し残念そうにしているが、ルッド君が売れば良いお金になりますと言うと、少しばかり嬉しそうな声を上げたのだった。

「では、俺達はこれで。また何かありましたら冒険者ギルドの方に御連絡を頂ければ対応出来るかもしれません」

「分かったワン。またコバルトが欲しくなったり、わんわん☆ぱらだいすが恋しくなったら遠慮無く来ると良いワン」

 俺達は、コボルトキングに別れを告げセザールタウンへの帰路へと着いたのであった。


 ―冒険者ギルド―


 冒険者ギルドの中は今日も冒険者達で溢れかえっている。

 賑わっている冒険者ギルドの中ですら暇そうにしている受付嬢、容姿端麗スタイルもよい、けれど金の亡者で口も悪く性格もキツイ、愛想と言う言葉はお金の見込みがある冒険者にしか振りまかない。

 それ故に冒険者からは人気が無く余程緊急でない限り彼女の元に依頼の手続きをする者はいないのである。

 一方、彼女以外の担当者は美人だったり可愛かったり皆に愛想も良かったり天使だの聖女だのと賛美される様な受付嬢ばかりであり、冒険者達が依頼の手続きをする際は主に冒険者ギルドで人気の無い受付嬢リンカ嬢以外の受付嬢にお願いしているのであった。

 人気が無い故に某弱無人やら自分は異性からモテると勘違いしている男冒険者達から迷惑極まりないアプローチをされる事が無いのは彼女にとって有益な事なのかも知れない。

 一応は、同僚達がそれ等の男達から絡まれた際はその男達を口汚く罵り止めに入ったり上司に助けを求めに行く為の繋ぎをする為根っからの悪女と言う訳では無い。

 その口の悪さから、一部コアな男性、例えばエリク・ロードの様なドMな人間からの支持を受けているらしいが真相は謎である。


「あら~? ルッドさんですかぁ~お帰りなさい☆」


 俺達の姿を見たリンカさんが、胸の前で両手を組んでにこにこ笑顔で出迎えた。

 ルッド君も国王軍に所属している将来有望な人間で、女性に対する気遣い能力も高い。

 多分俺が知らない所でルッド君はリンカさんにも高い気遣いスキルを見せているのだろう。

 と推測したくなる位、リンカさんのルッド君に対応は珍しくも好意的だった。


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