27話
気遣いも上手いし観察眼も優れるし優しいルッド君なら女性に多いにモテるだろうね。
そうか、確かに自分が実行すればきつく言われない、と言う事実は傍から見ていて面白いな。成る程、納得したぞ。
「カイル、今まで何か色々とすまんかったな」
デビッドが、俺の肩をポンと叩きながら憐れんでいる。
デビッドに謝られる理由が分からないのだが、
「何の話だ? 戦いに関する事か? 確かにデビッドの攻撃は大振りだが」
俺がデビッドに返事をすると、何故か皆が刻が止まったかの様に凍り付いた空気を見せる。
「……カイル殿。反省会はヴァイス・リッターへ戻ってからでも問題無いでしょう」
「あ、ああ。そうだな。よし、勝利の余韻が冷めない内にコボルドキングの所へ戻ろうか」
俺達はコボルドキングの元へ戻った。
しかし、魔族を撃退したにもかかわらずみんなテンションが低いのはなんでだろうか?
「コボルドキング。例の魔物を撃退しました。しかしながら私の判断ミスにより討伐は失敗しました。申し訳ありません」
コボルドキングの間で、専用の椅子に重鎮しているコボルドキングに対し俺は今回の旨を報告した。
ルッド君は庇ってくれたが、俺がデビッドに華を持たせ様と援護に回った結果逃げられた事実は覆らない。
「謝る事なんか無いワン。貴殿達のお陰で少なくとも今この瞬間は魔族の脅威を退ける事が出来たワン。皆、有難うだワン」
「そう言って頂けると助かります」
俺のミスを責める事無く、逆にお礼を述べるコボルドキングは優しいのかもしれない。
「今回のお礼だワン。私が直々に産み出したコバルトがあるワン。それを加工した指輪もあるワン。この指輪を身に付ければ魔力が増強するワン。そこのお嬢ちゃんは指輪の方が良いと思うワン。でも、コバルトのまま欲しいならそれをあげるワン」
コボルドキングの提案に対し、ルッド君とデビッドがコバルトを貰う事にし、俺とルッカさんとルミリナさんはコバルトリングを貰う事にした。
「有難う御座います」
俺は青く輝く指輪を受け取り、
「早速身に付けると良いワン」
コボルドキングに促されるままコバルトリングを身に付けた。
身体の奥底からほんのりと魔力が湧き上がってくる気がした。




