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24話

「私も居るんだからね」


 ルッカさんが、再度雷光撃ライトニングレイザーの魔法を放つ。

 狙いは魔族がデビッドの攻撃を回避し、着地するであろう地点だ。

 デビッドの攻撃に対しての回避に専念していた魔族は、ルッカさんの存在が意識から外れていたらしく、ルッカさんが放った魔法を回避する事に失敗。


「ぐがあああああああああ」


 ルッカさんが放った雷魔法の直撃を受けた魔族が大きな悲鳴を上げる。

 と同時に肉が焦げた様な臭いが周囲に広がって来た。それは良い臭いとは決して言えず、何処か不快な感覚を覚えた俺は咄嗟に息を止め、その臭いを遮断する。


「やったか!?」


 緊張の糸が切れたのかデビッドが少しばかり嬉しそうな声で叫ぶ。

 デビッドはああ見えて実は神経をすり減らしていたみたいだ。

 とは言え、幾らルッカさんが放った魔法が強力とは言えそれなりに強そうな魔族を一撃で葬る事が出来ると言われれば難しいかもしれない。


「デビッド、油断するな」


 俺がデビッドに激を入れると、


「やるじゃないか、人間の癖にッ……」


 よろめきながらも魔族が俺達に一つ睨みを効かせる。

 幾らルッカさんの魔法が強力とは言え、一撃で倒す事は出来なかった。

 魔族が生きていた事を見たデビッドが斧を身構え、ルッカさんが魔法の詠唱を始める。


「ルッカちゃんの魔法に耐えるだと! なら俺の一撃はどうだ!」


 デビッドが魔族に対し3度目の攻撃を仕掛ける。

 だが、魔族は垂直に大きく跳びデビッドの攻撃を回避、デビッドの攻撃はやはり空を切り裂くだけだった。

 デビッドの攻撃を回避した魔族は自分の背中に生えている翼を使い空に滞空を始め、


「ハッ今日はルカン様の誕生日だった。俺様とした事がすっかり忘れていたっ。本当の所はお前達なんか相手ににならないけどよ、上官の誕生日を祝わないわけにはいかねぇ。この程度のかすり傷痛くもねぇ、けどルカン様を怒らせる訳にはいかねぇ、良いか! 俺は逃げるんじゃない、上官の誕生日だから仕方なく帰るだけだ、勘違いするんじゃねぇぞ!」


 魔族は俺達に捨て台詞を吐くと、飛び去って行った。


「逃げたみたいだな」


 正直なところ、魔族が逃げるとは思っても居なかった。

 俺が今まで討伐して来た魔物達みたいに命果てるまで攻め込んでくるとばかり思っていた。俺が加勢していれば逃す事は無かったのかもしれない、残念だけどこれは俺の判断ミスか、次に生かそう。


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