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22話

「ぐ、ぐおおおおお!!!! あちぃぃぃぃぃ!?!?!?」


 デビッドの悲鳴だ。

 炎を気合で受け止める事はやはり無理だった様で、ルッド君が被せた水を蒸発させ身体に燃え移った炎を消す為、デビッドは地面を転がる。

 一方、ルッカさんを庇う為ワイバーンが吐いた炎をその身に受けた俺も無事とは言えない。

 デビッドに比べ元々の魔法防御力が高い俺は、魔法抵抗レジストの効果もあり高温に包み込まれ皮膚が焼かれる痛みを覚える苦痛だけで済み、自身の身体が炎上を始める事は無い。

 しかし、滅茶苦茶痛い。

 俺は炎で焼かれた痛みを堪えながら治療術ヒーリングで炎から受けたダメージを治療する。

 それと同時に、ルミリナさんも治療術ヒーリングをデビッドに向け放ち、彼が受けた傷を癒し、ルッド君が水魔法の込められた魔道具をデビッドに投げつけ、デビッドの全身を包み込む炎の消化に成功。

 自身を包み込んでいた炎が消えた事を確認したデビッドが、ゆっくりと立ち上がり顔を大きく左右に振る。


「わりぃ、助かったぜ。けどよぉ、空を飛んでいる奴をぶん殴るにはどうすれば」

「ククク、デビッド君。戦場で投石も有効な攻撃手段なのですよ……」

「そうか、そうだったな!」


 ルッド君の助言を受けたデビッドが、地面に落ちている石を拾い上げ滞空している魔族に向け投げつける。

 デビッドは普段力を自慢している事もあり、彼が投げた石はしっかりと魔族の元に届く。


「クク……これを使うと良いでしょう」


 ルッド君が、投石攻撃の際威力を向上させる道具、スリングショットをデビッドに渡し、デビッドは礼を述べ受け取り、魔族目掛けスリングショットにて何度も投石を行う。

 魔族はデビッドからの投石攻撃を回避するが、


「覚悟なさい!」


 ルッカさんが、再び雷光撃ライトニングレイザーを完成させ、デビッドによる投石攻撃を回避した直後を狙い上空に居る魔族へ向け放つ。


「なっ、くそっ、2人がかりの攻撃なんて卑怯じゃないか!」


 魔族は、雷光撃ライトニングレイザーを咄嗟の反応でワイバーンに回避命令を下す。

 だがしかし、自分の身体への直撃こそ免れたものの、自分が乗っているワイバーンの胴体部分を直撃、強烈な雷攻撃を身体に受けたワイバーンは全身を激しく痙攣しながら墜落。

 このままではワイバーンと共に地面に叩き付けられる。そう判断した魔族は自らの背に生やしている翼を上手く使い、ワイバーンの背から離れ緊急離脱、ゆっくりと地面に向け舞い降りる。


「よっしゃ! ナイスだぜルッカちゃん! 地上にさえ降ろしちまえばこんな奴どうにでもなるぜ!」


 確かにデビッドが言う通り、空中に居た敵が地上に舞い降りたとなればかなり楽になる。


「油断するなよ、デビッド!」


 少し遠くに見える魔族は、大体俺達と同じ位の背丈と体格だ。

 強いて俺達との違いを言えば牙と爪が鋭そうで翼が生えている位か。

 言動から小物臭のした魔族だが、切り札を隠し持っている可能性が無い訳では無い。


「力勝負なら俺の得意分野、わかってんだろ? カイル」

「もちろん分かっている。だが、相手の方がデビッドより力が強い可能性もあるぞ」


 俺は炎を受け溶けるのはまずい、とさっき投げ捨てた盾を拾い1つ固唾を飲み、身構える。

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