バルバーグ ――賢臣ロイとその一族
未だに得意分野が見つからないカトユーです。
今回は久しぶりに夢(?)をモデルにした作品です。すでに1月前のもので記憶が薄れているので、残っているのはなんとなくですが……
ロイド・バルバーグはバルバーグ家中興の祖と言われる人物である。彼はいったいどのような人生を送ったのだろうか?
ロイド(通称:ロイ)は、ミラント王国の貴族。類稀なる才能をもって領地を治め、バルバーグ家と王国の発展に貢献した。
未成年期のロイに関する情報は現在、殆ど残っていない。父サムと母カーリーの間に生まれ、ハーエン(バルバーグ家の本拠地)で育ったことは文献から確認できる。後の創作と考えられる資料では「怒りっぽく、一度怒鳴ったら相手が泣くまで暴言を浴びせた」と書かれている。
ロイが大きく変わったのは17歳の頃である。ある日、階段で躓きほぼ2階から1階へと転落したのである。彼は頭を強く打ち、1週間ほど意識を失ったと言われている。
彼が目を覚ましたとき、驚くべき変化があった。彼は物静かで冷静な男に変わっていたのである。
起きてから数日で彼は熱心に勉強をするようになった。また、屋敷で仕える者には敬意を払い、やさしく接するようになったと言われる。
しかし、父であるサムはロイを無能な息子と認識していた(実際間違っていなかったのだろう)ため、学校に行かせるつもりは微塵もなく、入学手続きを放棄していた。
独学を続けたロイは、自らの持つ知識に新たに得た知識を組み合わせて、彼独特の、そして彼が為した偉業のプランを練っていた。
ロイがバルバーグ家の当主になったのは21歳の時だった。父が急死したのである。史料には落馬での傷が原因と書かれている。しかし、ボン伯爵日記にはロイが父を殺害したことをほのめかす記述があることに注意すべきだ。どちらにせよ、ロイは父の死によってバルバーグ当主の座に就いたのである。
当主になったロイは続けざまに多くの改革を公表した。いずれも数年前から練っていたものであった。
一つ目は中央集権化である。
これまで役人が持っていた諸々の権限を全てロイのもとに集めたのだ。もともと領内に有力な人物が居なかったため、大きな抵抗もなく行われた。今から見れば個人による独裁政治の始まりであったが、あとに上げる政策を行うには中央集権化は必要なことであった。
二つ目は税制の整備である。
今までは雑多で毎年集まる量がまちまちだった税を、種類をしぼって効率よく徴税できるようにした。
領民に課された税は租調庸の三種であった。
租は主に作物で納めるものである。多かったのはコムギで、他にもアワやヒエなどを納める地域もあった。税率は初期は3%とかなり低く、後に18%まで段階的に引き上げられた。領民の大半が租を納めていた。
調は絹や綿を納めるものである。極限られた地域に適用されたもので、あまり多くの絹や綿は集まらなかった。
庸は肉体労働することで税を納めたことになるものである。租調庸かなり柔軟に運用され、不作の年は多くの領民が庸を選んだ。年によって異なるが概ね20〜30日程度の労働をする必要があった。なお食事等は支給。
三つ目は戸籍の導入である。
それまでは大雑把にしか把握されていなかった人口が、戸籍の整備によりかなり正確にわかるようになった。役人の数を増やし、徹底的に各集落を調査することで家族構成まで把握した。ちなみに戸籍が導入された当初の人口は約30万人であった(当時の王都の人口は約70万人)。
ロイは戸籍をもとに畑を再配分した(均畑制)。成人に一律で一畑与えたのである。人数と畑を上から与えたことで、ロイは納税量の予想を簡単に出来るようにしたのだ。
四つ目は義倉の設置である。
ロイは貴族の仕事は領民の保護と救済であると考えた。その救済を目的に設置されたのが義倉と呼ばれるものである。義倉とは飢饉の際に配る食料を保管しておく倉庫のことである。
なぜこのようなものが必要だったかというと、王国時代は安定して食料を生産することが極めて難しかったからである。豊作の翌年が大凶作というのはよくあることであった。大凶作の年というのは暴動といった領民の抵抗が強まる。自分達の食うものに困った領民が税(穀物)を納められるか!と怒るのである。そのような反発はやがて大きくなり、国を倒すことすらあるのだ。故に飢饉のときに食料を配ることで、領民の安心させ信頼を得る必要があるのだ。
義倉は至るところで建設され、各地で穀物の保管が進められた。数年後に義倉を訪れた他地域の商人は日記に「うず高く積まれた穀物に驚いた。聞けばこのような倉庫が領内に幾つもあるらしい。それらをすべて売ったらいったい幾らになるのだろうか?」と記した。商人は金のことばかり考えているものである。
五つ目は非ヒト種族の保護である。
非ヒト種族というのは、エルフ・ドワーフ・獣人といったヒト以外の種族の総称である。主に侮蔑の対象を表す語として当時は盛んに用いられた。
当時、王国では非ヒト種族は公然と差別、いじめの対象となっていた。長い耳を持っているだけで石を殴られ、髪をむしり取られたのである。当然、騎士団もそのような行為を咎めることはしなかった。このような状況になっていたのは、ヒト種族の考え方が原因であった。ヒト種族は「ヒトこそが最も先進的な生き物であり、亜人(非ヒト種族)はヒトになり損ねた哀れで格下の生き物である」としていた。ヒト種族は非ヒト種族を格下に見ることで、いじめ、奴隷化していたのだ。このような意識は王国のみならず帝国や商業連合の人々の間でも共有されていた。
そのような状況でロイは周囲の反対・困惑を無視して非ヒト種族の保護を断行した。ではじめに邸内に難民キャンプを設けて、行くあてのない非ヒト種族の世話をしたのである。嫌がる使用人を無視して、ロイ自身が手を動かし料理を振る舞ったのだ。
そして、難民キャンプで非ヒト種族からの好評を得たロイは、非ヒト種族の全面的な受け入れを表明した。難民キャンプに居た非ヒト種族に親類や知人を領内に連れてきてもらうようお願いしたのだ。
始めは数十人のコミュニティーだったが、1年後には1,200人を超える非ヒト種族コミュニティーに拡大した。その後もコミュニティーは大きくなり続けて、人口の30%以上が非ヒト種族になっていった。
この政策の目的は、貿易による利益の増加だった。非ヒト種族はヒト種族に侮られていたが、ヒト種族な唸るような技術を持つ種族も少なくなかった。
エルフの木工品は他のどのような工芸品よりも美しく、上流階級は欲しがった。ドワーフの防具と武具は丈夫で使いやすく、冒険者が欲しがった。獣人の戦闘技術はひたすらに強く、武人の憧れであった。
ロイは敢えて非ヒト種族と関係を持つことで、非ヒト種族の持つ知識やアイテムを独占しようと目論んだのである。
結果から言うと、この政策は成功し、ロイは非ヒト種族に対するありとあらゆる権利を独占したのである。全てのヒトやモノがロイを介して繋がったのである。その富は莫大なものであり、ロイはまたたく間に王国有数の富豪になった。
六つ目は教育の拡充であった。
ロイは領民に学が無ければ豊かにならないと考えていた。すでに教会などで読み書きを教えていたが、聖職者が教えるものは農民の生活に困らない程度のレヴェルの低いものであった。ロイは農民であってももっと多くの知識を持つべきだと主張し、領内に学校の整備を求めた。
しかし、大々的にそれを進めようとすると教える側の人数が明らかに足りなかった。この時代、すでに王都に大学があり、かなり進んだ教育をしていたが、そのような人材が田舎に行くことは稀であった。
そこで、ロイは王都を真似して大学を設置した。大学に求められたのは、教師の育成・冒険者の育成・研究である。後に冒険者の育成を行う部門は独立して英雄学院になる。
このような大規模な改革を行えたのは、バルバーグ家領が豊かな地であったからだ。
王国は中心部が最も肥沃な土地で、国境に近づくほど痩せた土地となる。バルバーグ家領は小さいながらも王都にほど近い場所に存在していた。農業に適し、十分な財源(税収)のあったロイだからこそ、このような大改革を実行できたのである。
同じ頃、ロイは一人目の妻を得た。ローラ・オーリンである。彼女は西の「武人」公爵レオンハルト・オーリンの三女であった。約1か月の文通の末婚約に至った。結婚後は常にラブラブを見せつけて、王国一のおしどり夫婦だと話題になった。
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その実相……(ロイ視点・ラブコメ要素強め)
はあ、妻が居た方が良いとは聞くけれど、こんなに急に話ができるとはなあ……
俺ことロイの手元には一通の手紙があった。内容は「会える日を心待ちにしています」というものであった。
書いたのはレオンハルト公爵の三女、ローラであった。
この女性、あまり良い噂は聞かない。曰く気が強く、気に入らない相手は男性であっても片手でねじ伏せると。そんなおっかない女と暮らすなんて無理だね。
だが、この縁談を持ちかけられて大層喜んだのが父だった。貰い手の居ない俺に千載一遇どころか万載一遇のチャンスが来た!と引くくらい大騒ぎしてたよ。
手紙の文面も無難。それどころか字は丁寧で美しさがある。さすが公爵家の娘と言った感じか。
数日掛けて早馬で西の公都であるケッヘンに俺は向かった。ローラに会うためであった。
ぶつくさ言ったものの、別にローラが嫌いというわけでもないし、とりあえず会ってみようかという気分である。
この時ローラに会いに行かなければ、俺の人生は大きく変わっていだろうね……
「はじめまして。オーリン公爵家三女のローラと申します。あなたに会えて光栄に思います」
「……は、はじめまして(思った以上の美人さんが来た!?)」
俺の目の前に立っていたのは蒼髪ポニーテールの美人であった。23歳と俺より年上であることを考えても、包容力のありそうなお姉さんキャラであった。ママだと感じちゃうタイプの人。
身体の線も細く、とても男性をねじ伏せるような力があるとは思えない。立っている姿勢も素晴らしく、人形みたいな感じである。
彼女の父も挟んで会話をしたが、あまりの美しさに緊張してしまい、何を話したか忘れてしまった。
「二人きりで話してみませんか?」
気づけば俺とローラは二人で個室に居た。
何も聞いていなかったが、話はどう進んでいるだ…?
「二人になったところで、少し申し上げたいんですが……」
意識をローラに戻すと彼女は頬を赤らめてモジモジしながら何かを言おうとしていた。
もしかして告白?こんな美人さんならウェルカムだよ。
「あの…その……、甘やかしても良いですか?」
「へ?(へ?)」
今なんて?
「"ロイ君"ね、すっごく可愛いの!ずーっと我慢してたけど、一目見た時からずーっと、ナデナデして、頬ずりして、ギューって抱きしめたかったの!!」
「わわっ!」
言った側から俺は大きな胸に包まれ、柔らかく温かい手に頭を撫でられていた。
ああ…落ち着く……
「ふふ。"ロイ君"かわいい……」
ローラはハート目で涎を垂らすヤバい女になっていた。
しかし、俺はそれを目視することが出来ずにもみくちゃにされていた。
「"ロイ君"というのは?」
「"ロイ君"はロイ君だよ。私だけの特別な呼び方。うふふふ……」
全く会話になってない……。なんかこの人やばいかも。
「あのー、そろそろ帰らないと……」
「ダーメ。ロイ君チャージがまだ足りないもん」
誰だよこの人。さっき会った公爵令嬢とは別人だろ。どっからどう見ても独房に入れられる異常者だよ。
「父上も心配しますし……。第一、俺に執着する必要もないでしょうに」
「パパは大丈夫。お酒飲んで上機嫌になっているから。
それとロイ君じゃなきゃヤダ。ロイ君見てると姉性が爆発しちゃうの。甘やかしたい。結婚してずっーと側でよしよししてあげたいな〜」
ダメだ、これ(諦め)。
もう逃げるしか道はない。三十六計逃げるに如かず。
「逃げちゃダメ!」
バタンッ!「おうっ!?」
「ふふっ、捕まえた〜」
俺が逃げようと腕を抜け出した瞬間、首根っこを押されて簡単に押し倒されてしまった。
いつの間に倒された。
「逃げちゃダメだよ〜。これから私と(一生)一緒に居るんだからね」
「……」
ヤバい、目が据わってる。捕食者が獲物を狙ってる目だわ。
「……わかりました。ですが、まだ婚約は決まったわけじゃないです。書類とか色々準備も必要だろうと思います。今日のところは一旦帰って…、また会えますからね」
「うーん、まあ、そうだよね。また会おう。約束だからねっ!」
「ええ、もちろん」
……こんなとこ二度と来るもんか。俺は地獄まで逃げ切ってやる。
その日は不満そうにしながらもローラは引いてくれた。
しかし、本当の戦いはここからであった。
家に着くとローラからの手紙が届いていた。どうやら早馬で出して俺を追い抜いていたらしい。
「親愛なる世界唯一のロイ君へ
ロイ君帰ちゃって寂しいなあ。寂しすぎて食事が喉を通らない。また会える日はいつなんだろう?
いつでも会いに行くよ。 ローラより」
私的な手紙じゃねぇか。
まあ、無難に「直に会えますよ」と返しておくか。会う気はさらさらねぇけど。
こうして手紙のやり取りが生まれたわけだが、時間が進むごとに事態は悪化していった。
3日後に返信が来た。早い。
次の手紙は返信ではなく翌日に届いた。
そうこうしているうちに毎日手紙が届けられた。
1ヶ月も経たない内に手紙は1日10通届くようになった。
内容も変わっていった。元から世間話とかではなかったが、確実に悪化している。
例えばさっき届いた手紙はこうだ。
「ねえ、ねえ、ねえ。
いつになったらロイ君に会えるのかな??
私寂しくて死んじゃうかも。
会えないのってロイ君に女が居るから?その女のこと教えて欲しいな。私がロイ君にちかづかないように「教育」してあげるからね。
ロイ君のそばに居て良いのは私だけ。ロイ君と共にあるべきなのは私だけなんだから。
ねぇ、ロイ君、いつ会えるのかな?
会えないなんてことはないよね?
世界一ロイ君を愛してるローラより」
端的に言ってヤバい。
なんで血みたいな黒い字なんだよ。
……乾いた血じゃないよね?
こんな内容が毎日15通届くようになってしまった。
早馬を飛ばす使用人もゾンビのような見た目になってしまった。
これはマズい。
使用人の命も俺の命も。
そう思った俺は、嫌々ながらもローラと会うことにした。ある決意をもって。
その旨を伝える手紙の返信は久しぶりに常人らしい文面の手紙であった。
約1ヶ月ぶりに訪れたケッヘンだが、随分久しぶりに訪れたなと感じてしまった。それほど地獄の日々だったのだ。
ローラと彼女の父が並ぶ部屋の前に着いた。扉を開けて部屋に入ると……
「ゴフッ」
「久しぶりのロイ君だぁ〜っ!」
ミサイルが飛んできた。目標は俺。
突き飛ばされて倒れ込むと俺の上にはローラが。
「ようやく会えたね!寂しかったよ!」
ニヘラっと笑うローラ。こんな顔してあんな怪文書を送りつけてたのかと考えるとゾッとする。どんな表情であの文を書いてたんだろうな。
「お久しぶりです。今日は"大事な話"があってまいりました」
「大事な話!?それってもしかして!?」
俺は期待で目をキラキラとさせる彼女に俺の決意を告げる。
「申し訳ありませんが、婚約の話はお断りいたします。俺…私には不相応なものです」
「えっ……………」
俺の言葉を聞くと、ローラの目から輝きが失われた。
そして、ゆらゆらと揺れ動きながら彼女はこちらに近づいて来て、
「ふふっ、そうか。そうなんだなー、残念ダナー」
バキッ!
「いたっ!」
俺の両足を折った。
バランスを失って倒れると、ローラはのしかかって俺の動きを封じた。
「断るのも逃げるのも許さないよ。ロイ君は私が手に入れるモノなんだから」
「そんなもので屈しない!!」
そう威勢よく言ったものの、折れた両足の傷みは尋常じゃないし、第三者のローラの父は彼女の豹変ぶりに驚いて使い物にならない。
「そうだねー、一度わからせてあげようカナー」
「ロイ君の不祥事とか、公表したらマズいよね〜。でっち上げて国王陛下にチクろうかな。そんなことになったらロイ君は処刑されちゃうし、お家はなくなっちゃうねー」
コイツ…!
「それとも異端審問に出すー?」
「そんなものに屈しないっ!」
「っ!!」
俺の身体はどうなってもいい。こんな奴に屈する方がよっぽど情けない。
一生バケモノに拘束されるくらいなら、今ここで殺された方がマシだ。
「なんとでも言えっ!俺は殺されても構わねぇし、お前と結婚するのは絶対に嫌だ!」
「……」
叫ぶように言うとローラは黙ってしまった。
さっきまでの威勢は何だったんだ。
「ぐすっ」
ん?
「なんでそんな酷いこと言うの…?」
なぜか目の前には大粒の涙を流す女性が。
「私はロイ君と結婚して一緒に暮らしたいだけなのに!」
「ロイ君と幸せな家庭を気づいて穏やかに暮らしたいの!」
「どうしてロイ君はそれを拒絶するの…?」
「……」
今度は俺が黙る番だった。
俺は人の涙に、情に弱い。
目の前で俺を想って泣く人を、どうして無碍に扱えるだろうか。
そして涙を流すその姿に俺は惹かれて、魅了されてしまつまた。
「……結婚、、、しましょう。結婚してから愛を育んで、お互いを想いあえるようになりましょう。それで良いですか?」
「……良いの?私、ロイ君にいっぱい酷いことしちゃったよ…?」
自覚はあったんだね。……こう言えたら良いのに。
「構いません。俺だって随分酷いことをしてしまいましたから」
「ううん、ロイ君は悪くないよ!」
「じゃあ、お互いチャラにしましょう」
「わかったよ!」
こうして歪な婚約が成立した。
ローラの父はビクビクしながら婚約を取り持った。
そりゃ娘のあんな一面を見たら恐ろしくもなりますわ()
結婚式には多くの人が押し寄せた。
ローラの兄弟姉妹達は皆無邪気に「おめでとう!」と祝福していた。ローラの暗黒面を知らないんだろうなあ。
パレードでは腕を絡めたりなんかしちゃったりして、周りからおしどり夫婦誕生!と囃し立てられた。
その後も寂しいといっては視察なんかにローラはついてきて、おしどり夫婦という話にどんどんエピソードを加えていった……
それはともかく、これが俺とローラが結婚するまでの過程である。
ちなみに結婚してからはヤンデレ、メンヘラ度は下がり、若干嫉妬深く、妄想逞しいだけに留まるようになった。安心。
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ローラとの間には5人の子供ができた。いずれも各方面で活躍する人間であった。
バルバーグ家が富を蓄積すると、その富を求めて多くの商人がロイのもとを訪れた。
彼らのバルバーグ家に対する商談の尽くは失敗したがバルバーグ家領内での商売はそれなりの利益をあげた。こうしてバルバーグ家領では発達する商業を軸に、農業や工業の発達も進んだ。特に栄えたハーエン周辺には商人や鍛冶職人が集まった。ロイは彼らに税を課すことで多少の貨幣収入を得ることが出来た。
好評価があれば最後まで書きます()