16XX年、カレーは「ご飯の上にかける」か、「ご飯の横におくか」ということで、大きな戦いが起こったそうです。
16XX年。ここはとある昔作りの家。あごひげとちょんまげの男は持っているセンスでパタパタ自分を仰いでいた。
庭の木にはピンク色の花を咲かせ、池にいる鯉は時々ピチャリという音を立てて跳ねる。
「カレー横にかける軍との戦いはまだ続きそうですか?」
「ああ、まだまだ続くだろう。だが絶対に負けることはないよ」
隣にいた赤の着物を着た綺麗な女性の言葉にそう笑いながら返す。
「カレー横にかける軍」とは、その名の通りカレーライスは半分ご飯、半分カレーといったようによそう派閥だ。我ら「カレーはご飯の上からかける軍」からしたら、敵対する存在となる。
どちらが良いか、戦いの火蓋が落とされたのは少し前、1つの手紙から始まった。
『カレーは横にするか上からかけるか、どちらがふさわしいかを決める』
というようなカレー上かかける軍の将軍「加例横掛」という男からの手紙だった。日時などが書いてあり相手は戦う気満々だった。
「ふーむ、今は大丈夫だが後々ここは戦戦場となる。その時は逃げて生き残るんだ」
そう女性に言うと、その女性は「もちろんです」と笑顔で答えた。
庭の池ではまた鯉が水着から飛び上がり、再び池に着地していた。
その時だった。別の武将が息を切らせながらやってきた。とても慌てた様子だ。
「か、家令上掛様!敵が...敵が横から...!」
「横からだと?」
「壁を壊して、襲いかかってきました!」
「な、なんだと!?」
この村は石でできた壁に覆われていて入り口は見張りが付いている。
横の石の壁を壊し奇襲を仕掛けてきたのだ。
突然のことに応戦が遅れ、こちらの軍は劣勢とのことだ。
「くそう!」
そう呟き馬に乗り勢いよく駆け出す。現地に行くと。敵交戦している者たちの姿が見えた。味方の死体が何個も転がっている。剣を使い敵をバッサバッサと切り倒していく。
「おのれカレー横にする軍め..!戦いの前に襲いかかってくるとは卑怯な!!」
なんとか撃退はしたが、突然のことにこちらの軍勢は半分ぐらいに減っていた。
おそらく、戦う前に不意打ちで村を襲わせ、こちらの兵力を減らす作戦だったのだろう。いきなりの事もあり相手の作戦通りにだいぶ数やられ、が減ってまった。
「こちらも何か手を打たないと...そうだ!」
何かを思いついたようでおもむろに立ち上がる。そして戦えるものをかき集めた。
決戦の時ー。
大地が広がる荒地で「カレー上にかける軍は崖の上にいた。そこから見下ろすと敵の本拠地が見える。白い布のようなもので周りを覆いカレーが描かれた旗がいくつも立っている。
「カレーは上からかける!行くぞ!!」
「おおー!!」
その掛け声とともに崖を降りていき本陣へと攻め入る。
これこそが作戦「上からかける作戦」というやつだ。まさか相手も真正面じゃなく崖の上から攻めてくるとは思わないだろう。
その作戦が功を奏し一気に有利な状況へと運ぶことが出来た。
「勝負だ!加例横掛!!」
「来い!!」
キンキンと刃が混じる音が何回もなる。何回も混じり合い、戦いはついに終わりを迎える。
「やった...!倒したぞ!!」
加令横掛を打ち破りついに勝利した。
敵兵も降伏し戦う意思をなくした。刀を振り上げ、万歳をする。これで長き戦いが終わー。
ドシュ
何か鈍い音がした。体が熱い。一体何が起こったのか?
それはすぐにわかった。刀が体に突き刺さっているのだ。正体を見ると、自分のところの兵が...。
「な、なぜ...?」
「カレーは横の方が実は好きなんだよね」
荒地に倒れこむ。その言葉以降何か言ったような気がするが、よく聞こえなかった目を閉じて、そのまま生き絶えた。
とある小学校の教室では、生徒が社会の授業を受けていた。先生は社会の教科書を持ってこんなことを口にする。
「今日は『カレーの乱』というものを勉強しましょう!はい、一緒に覚えましょう!!16XX『カレーの乱』」
「いちろくXXカレーのらん」
学校の先生がそういうと、生徒が同じことを繰り消した。それを聞いて先生方は嬉しそうな表情になる。
「カレーの乱はカレーの上か横かによって起こった戦いですね」
「せんせー!なんでこの戦いは終わったんですか!」
一人のツインテールの女の子がそんなことを質問する。するとにこやかな表情で、こう答えた。
「いい質問ですね!カレー上にかける軍の将軍が裏切られた暗殺されたことでこの戦いは終わりを迎えました」
「へえー..」
「この『カレーの乱』はとても重要なところですからね、今日はこれを覚えて帰りましょうね!!」
「はーい!!」
元気よく挨拶する生徒たちの中に、つまらなさそうに空を見ている生徒が一人いた。その生徒は、とても小さな声で
「どこが大事なの?」
と呟き、はぁーっと息をついた。