70話 真夜中のクリスマスー朝霧結菜side
今年のクリスマスイブは宗太、凛、加奈ちゃん、瑞穂お姉ちゃん、桜木さん、私の5人が集まって家でパーティをした。とても楽しいパーティになった。本当に楽しかった。
皆が寝静まり、私の部屋で夜中に凛と2人で起きて、宗太からもらった指輪を見せ合っている。宗太からもらった指輪。すごく嬉しい。大切にしなくちゃ。凛も指輪を見てウットリしている。凛、よかったね。
私にとって宗太は特別な彼氏。凛は特別な親友。2人共大好きだよ。
凛は宗太の2号さんだと言ってるけど、私は凛だけは特別だから許すことができる。凛も私だから、宗太の彼女であることが許せると言ってくれている。傍からみるときっと変な関係。でもそんなことは関係ない。私と凛はもう親友みたいなもの。そして、宗太はその2人の特別な存在。それでいい。
凛とは、ある意味、何でも分かち合える、同じ人を好きになった似た者同士。大好きな親友。だから私は凛だけは許せるんだ。大事な私の親友。他の誰も理解してくれなくてもいい。私達3人だけが解っていればいい。
宗太がバイト代と貯金まで使って、皆にプレゼントしてくれた。クリスマスイブのプレゼントが指輪なんて最高ー。女性として最高のプレゼント。凛もウットリしているし、私もそう。心が溶けちゃいそう。宗太、本当にありがとう。
瑞穂お姉ちゃんと桜木さんは凛が持ってきた高級シャンパンを5本も開けちゃって・・・・・・
瑞穂お姉ちゃん・・・・・・桜木さんから、あんな高価で素敵なネックレスを受け取ってどうするつもりなんだろう・・・・・・今日もどうして桜木さんを一緒に連れて来たのかわからなし・・・・・・最近、桜木さんと仲良しなのかな?
もしかしたら、桜木さんと付き合っちゃうのかもって、少し期待しちゃった。いつも優しい瑞穂お姉ちゃんは、男性には強気で意地っ張りなところがある。だから本当はどうなのか、少しわからない。
桜木さんをクリスマスイブに連れてくるってことは、少なくとも、桜木さんとクリスマスイブを一緒にいてもいいと思っていたってことよね。桜木さんの、瑞穂お姉ちゃんへの愛は大きい。だって何度、断られても、瑞穂お姉ちゃんを追いかけてるくらいだし、瑞穂お姉ちゃんもそれを楽しんでるような気する。何か怪しいんだよね。
恋愛、男性関係になると、瑞穂お姉ちゃんは完全な秘密主義になるからわからないんだよねー。
凛とも相談したけど、凛も私と同じ意見だった。もし、瑞穂お姉ちゃんと桜木さんが付き合うことになったら、桜木さんを応援しよう。瑞穂お姉ちゃんには幸せになってほしい。桜木さんは優しい人だと思う。
「結菜、私達、宗太から指輪もらえて、よかったね」
「凛、本当だね。お互いに嬉しいよ」
今夜の宗太は幸せを運んでくれる、まるでサンタクロースだ。
大好きな宗太から指輪をもらって幸せだよー。それにセンスもいい。宗太だけのセンスと思えないのが少しひっかかるけど、今はそんな小さなことは気にしない。
指輪は女性からすると特別なプレゼントだよ。誰だって、愛してもらっている男性から指輪をもらったら幸せになる。宗太・・・・・・私と凛に特別なプレゼントをありがとう。
クリスマス前の学期末テスト、瑞穂お姉ちゃん、宗太、凛、すずなちゃんに勉強を教えてもらって、必死でテストを受けた。その結果、学校の廊下にある掲示板の成績表に私の名前がはじめて載ったよ。
なんと私は50位だった。一番下に名前が載っただけだけど、本当に頑張ったから嬉しい。宗太は42位だった。凛はいつもの通り学年トップ。さすがです。
これで宗太と同じ大学を目指すために頑張れる。これからも一生懸命に勉強をして、宗太と一緒の大学に入るんだ。
掲示板の成績表に私の名前が50位に載った時、凛は泣いて喜んでくれた。宗太も満面の笑みで私の頭をなでてくれた。3人で掲示板に名前が載ったことを飛び跳ねて喜んだ。私は凄く嬉しかった。すずなちゃんにも褒められた。
「すごく朝霧さんは頑張りました」
家に帰って学期末テストの結果を伝えたら、瑞穂お姉ちゃんにも伝えたら頭をなでなでしてくれた。
私、来年になったら本気でもっと勉強して宗太と同じ大学にいくんだ。それは、これからの自分の努力次第だけど。とにかく嬉しかった。
黒沢が掲示板の成績表を見て「朝霧、お前、カンニングしたんじゃないのか?」と失礼なことを言ってきた。
黒沢は成績表を見て、目を丸くして驚いている。あんまり失礼なことをいうから、黒沢にアッカンべーをして、睨んだら、黒沢は逃げていった。逃げるくらいなら言わなきゃいいのに。
黒沢と佐伯は、私が遠藤をぶっ飛ばしてから、私のことが怖いらしい。本当に失礼だ。あの頃は遠藤も、私に相当、しつこかったけど、あれ以来、私に近寄ってこない。諦めてくれてよかった。私は宗太と付き合えて幸せだ。
成績表に名前が載ったご褒美として、宗太から沢山キスをしてもらちゃった。もう蕩けそうだった。私、まだまだ勉強を頑張る。そしてもっと一杯、宗太にキスしてもらうんだ。
凛と話をしていると、凛の頭がウトウトし始めて、目を擦って眠たそうな目になって、私にささやく。
「結菜、私また寝るわね。お互い嬉しかったね。おやすみなさい」
「うん、凛ありがとう。おやすみなさい」
時計をみたら夜中の3時だ。自分の部屋からリビングからに行こうとすると、リビングから宗太と桜木さんの声が聞こえてる。
私はリビングに行き、起きている宗太と桜木さんに「瑞穂お姉ちゃんは?」と聞くと、「もう酔っぱらって自分の部屋で寝ている」と宗太が答えた。加奈ちゃんも12時に寝たし。後は私達3人だけだ。
まだ酔っぱらっている桜木さんと、桜木さんに付き合ってる宗太に冷たい麦茶を渡した。桜木さんは宗太に、瑞穂お姉ちゃんの相談をしているのがわかった。
「あの瑞穂が、俺が3か月分のバイト代を貯めて買った、ネックレスをやっと受け取ってくれたんだ!今までは花束も何も受け取ってくれなかったのに、俺は嬉しい」
桜木さんは、宗太と私に向かって、麦茶を一気に飲んで、また号泣して話をしている。桜木さんもイケメンで爽やかで、筋肉隆々、性格も優しいし、瑞穂お姉ちゃんには案外ピッタリなのかもしれない。
あの瑞穂お姉ちゃんの酒癖の悪さのも耐えて・・・・・・最近は瑞穂お姉ちゃんの運転にも慣れて・・・・・・私は瑞穂お姉ちゃんには桜木さんしか無理かなって思う。
後は瑞穂お姉ちゃんの気持ちが固まり次第だけど・・・・・・瑞穂お姉ちゃんは照れ屋さんだからなー。2人のことは2人に任せるしかない。宗太も眠そうになっているけど、酔っぱらって幸せそうに語る桜木さんの話しは止まらない。相手で大変そうだ。
私は宗太に笑顔を向ける。
「ありがとう、指輪、本当に嬉しい」
「おう」
宗太は照れて顔を赤くしている。でも、きっと気持ちは伝わったはず。
桜木さんの相手は宗太に任せて、私は凛が寝ている自分の部屋に戻った。今、女の子の中で1番の親友は凛だ。昼休憩の時は3人でお弁当を食べて、楽しい時間をすごしている。凛はすやすやと寝ている。凛もありがとう。
宗太、こんな素敵なクリスマスに指輪を本当のありがとう。宗太が大好きよ。私も微睡みにおちていく。ありがとう。宗太。愛してる。ハッピーメリークリスマス。おやすみなさい。




