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ガーラン魔法大国との正式協力

すみません、忘れてました。

昨日は布団に入った段階になって思い出し、パソコンのスイッチも切ってしまっていたので申し訳なかったです。

「――というわけで、現在王国と帝国は協力し合っています。そこにエルフ族も入り、凡そ二年後に備え目下強化中です」

「そうか。俄かに信じきることは出来ないが、そうなった場合拙いな」


 現在文化祭も無事終えて、次の休日に僕達は魔法王クロスさん達と話し合いをしている。

 勿論既に協力は義父さん達が取り付けていて、後は僕が知っている限りの情報を渡すことになっているだけ。


「近いうちに神様達に伺ってみますが、巧妙に隠しているようで居場所の特定が出来ないそうです。まあ、神様もルールがあるそうですから、二年後に何か起きるという情報が貰えただけでもましだと思います」


 僕が神様達と話せるのはギルドカードで信用してもらった。

 驚いてはいたけど、それならその強さも納得だといって握手を求めてきた。

 勿論、声が漏れないように結界を張って、契約はしないけどばらさないように言ってある。


「そうだな、本当に攻めてきた場合どのような被害が出るか分からない。協力して損はないだろう」

「今の所公国にも使者を送り、周辺国にも出来る限り協力してほしい旨を伝えてある。他種族に関しては全てシュンに任せてある」

「ええ、近いうちにドワーフ族と話し合いをし、その後に魔族と対話をしてきます」

『魔族!?』


 やっぱり驚くね。


「魔族との戦争から二百年経ってます。魔族は悪者だといいますが、僕から見ると僕達も悪者だと思うのです」

「それは魔族を擁護するという発言か?」


 少し剣呑になるけど、僕が言いたいのはそうじゃない。


「別に擁護するわけではありません。確かに魔族は過激です。でも、それは種族の特性だから少し仕方ないのではないでしょうか」

「それで許せと? 俺も二百年前に何が起きたのか知らない。だが、文献から魔族の恐ろしさは十分理解できる」


 やっぱり魔族とは相いれないんだろうか。

 それとも時間が解決してくれるか。


「許せとは言いません。でも、お互いの気持ちを理解してほしいと思います。僕は半分こちらの人間で、半分違う世界の人間です。ですから、考え方が少し違うんです」


 この場にいる人達には僕のカードに表示された異界の魂について説明してある。

 いろいろなことから納得されたけど、信じてくれるのならいいでしょう。


「魔族も家族がいます。その家族を殺されて嫌な気持ちなんですよ。しかも僕達人族と違って彼らは全員長寿です。それが二百年の間攻めてこないとなると、分かりますよね?」

「……ここらで終止符を打ちたい、そう言うのだな?」


 剣呑さがなくなる。

 空気もどこか柔らかいものになって、喋りやすくなる。

 魔力も関係しているんだろうけど、これが上に立つ者の風格なんだろうね。

 僕にはない素質だ。


「魔族は、いえ、魔王は無関心にすることでお互いの関係を無いことにしたんだと思います。無関心は言い過ぎですが、関わらないという選択を取り、自分達で繁栄しようとしたのだと思います」


 聞いている話では冒険者ギルドも作ったみたいだし、魔大陸のゴブリンは農作物を育てたりする村人みたいな存在だと聞く。

 聞いただけだと魔大陸が少し生き辛い以外普通の国と変わらないってことだね。


 まだ魔王とは直接話したことはないけど、バリアルからいろいろなことを聞かれることがある。

 冒険者ギルドのことだったり、国の様子だったり、道具とかだったりね。

 多分バリアルにしては頭の良い質問とかあったから魔王が訊ねたことなんだろう。


 魔王は女の子みたいだし、多分僕より強いだろうね。


「お前の言いたいことは分かった。俺も魔族に興味が無いとは言わない」

「クロス様?」

「いや、興味があるといってもその暮らしぶりだ。文献では知っているが、この場にいる者は誰も魔族を見たことが無かろう?」


 今いるのは皆人族で、僕以外多分魔族を見たことが無い。

 いや、会話をしたことが無いだろう。

 魔族は完全に魔大陸に引っ込んでるってことだね。


「ならば、シュンの言う通り今度は対応を間違えずに少し近づいてみるのはどうだろうか?」

「本当のことを仰ってるのですか? 相手は残忍と有名な魔族ですよ?」

「それは本当なのだろう。だが、俺は知らない。魔族が皆残忍なら、今頃魔大陸は殺戮の光景が繰り広げられていることだろう」


 確かにそうだ。

 魔族が動く者全てを殺すような残忍さを持つとしたら、仲間と殺し合ったりするんじゃないだろうか。

 極端な言い方だけど、それをしないということは話し合いの余地があるってことだろうね。


「そもそも、魔族との確執とは何ですか?」

「確執とな?」

「ええ。確かに魔族と争ってきたのでしょう。エルフ族はダークエルフ族と世界樹の件と追いやった負い目があるのでわかります。でも、魔族全体との確執とは何ですか?」


 今思ったんだけど、魔族と何故争ってるんだ?

 この世界は宗教も複数あるし、神様はたくさんいるし、魔族が魔物を操る能力を持つわけじゃない。

 バリアルも道具が無ければ無理だし、僕達が使える召喚魔法だってある。

 魔王が世界征服を企んだんだろうけど、それをいうと少し前の帝国もそうだ。

 姿が違って凶暴で残忍だから余計に悪者って感じなんだろうね。


 想像物の様に魔族が邪神を崇めてる?

 そんな話聞いたことが無い。崇めてるのはそういった集団たちだ。

 殺戮を繰り返す?

 現状からは違う。天魔族が原因だ。

 魔物だから。

 それこそ違うと思うし、魔族は姿が違うけどこの世界に住む一種族だと思う。

 知性がある時点で種族と考えていいのではないだろうか。

 この世界は違うと思うけど、人間は猿だしね。


「確かになぁ、それはあまり考えたことが無かった。昔から魔族は敵だと教わっていたものだから、そういう物だと思っていた」

「シュン君に言われた始めて気が付きました。シュリアルでも確かめてみる必要がありますね」

「ガーランでも調べてみます。それで構いませんね?」


 両者ともに魔族に関して見直すことになった。

 少し急だけど、やっぱり魔族を知らないというのが大きいんだろうね。


 刷り込みや洗脳みたいなもので、僕の発言で気付いたって感じかな。


「反発はあると思いますが、よろしくお願いします」

「ああ、任せろ」


 これでいったん話し合いが終わって、正式にガーラン魔法大国とも協力体制を結ぶことになった。

 次に帝国とエルフ族に教えた物と同じことを魔法大国にも教え、魔法大国にも研究所を造り、こちらは完全な魔法研究を行うことになった。

 題目は広域魔法について、王国では扱っていない魔法を研究する。


 広域魔法っていうのは分かると思うけど、単体や範囲ではなくどこかを起点にした範囲に対する魔法のことだね。

 例えばファイアーボールは単体魔法、ファイアートルネードは複数体に攻撃できる範囲魔法、広域魔法というのはファイアーウェーブやメテオだね。


 広域って言ったら基本的に攻撃っていうイメージがあるけど、結界は広域支援魔法で、回復魔法のオールヒーリングや僕が作ったオール・アビリティアライズもそうだね。

 あと、広域殲滅魔法のニブロスディスメインやダークネスライフドレインもそれらに当てはまる。


 定義は結構あやふやなんだけど、五十体を一度に攻撃・防御・回復できると考えれば広域かな。






「お前のおかげでいろいろな魔法を思いついたからな、良い刺激になった」


 どうやらあの劇のおかげでいろんな魔法を思いついたそうだ。

 元々クロスさんは攻撃魔法の専門家で、メイドじゃなくて奥さんのララさんは支援系の魔法が得意なんだって。


 言い忘れてたけど、結局僕達のクラスが賞を取って、永久食事無料券や一学期間学費免除や単位が貰えた。

 僕とフィノには特にほしいものではなかったけど、代わりに皆と仲良くなれたからいいと思う。


 一気に友達が四人から二十三人に増えたからね。

 あと、最後の日はウォーレン先生とシュレリー先生が仲睦まじかったと言っておく。

 それと料理に関しては食堂のおばちゃん達に教えて、ガーラン風にアレンジされた絶品メニューに変わった。

 そうしないと暴動が起きかねなかったからね。


「疑問だったんだが、あの幻術はどういう仕組みだったんだ?」

「私も気になっていました。あれは感覚では幻術にかかっていなかったと思うのですが」


 その辺りに気付けたということは、僕以外の人が使った幻術の違いに気付いたっていうのもあるんだろう。


「あれは蜃気楼を応用したんだよね? 私にも見えてたし」

「流石フィノだね。他に人には原理が難しくて説明してないんだけど、しっかり覚えててくれたんだ」


 フィノにも原理を教えてなかったんだ。

 そんな時間がなかったとも言えるけど。


「む。フィノ姉様、他にも教えて!」

「いいよ。シルは本当に可愛いね」


 フィノ、年頃の男の子に可愛いは禁句だよ。

 まあ、それほど気にする人はいないと思うけど、少し複雑な思いになるから止めてあげて。


 それとシリウリード君はまだ懐いてくれない。

 寂しい感じがするよ。


「蜃気楼だと?」

「蜃気楼というと公国方面で有名ですね。砂漠によく現れ、人を騙して命を食らう実在しない魔物だとか。そんなお伽噺があります」


 へぇ~、地球にも蜃気楼にちなんだ伝説の生物がいた記憶がある。

 ちなんでるのかどうかは知らないけど、巨大なハマグリだとか、竜だとかいう話だね。

 まあ、実在はしないと思うけどさ。

 こっちにならいてもおかしくない魔物だ。


「蜃気楼というのは一種の光の現象ですね。光を上手く使うと人の目を錯覚させ、空間を歪めてそこに何かがるように見せられるのです。といっても、それだけではうまく作れないので、光魔法の透明化と投影を応用し自身のイメージを投影します」

「なるほど、ですから私達に精神魔法をかけられた感覚が無かったのですね」


 ララさんは頭が良いみたいだね。

 クロスさんは首を傾げてるけど、多分そういった役割なんだろう。


「破るにはあの時言ったように魔力が多くないといけないのか?」


 あの時っていうのは魔闘技大会の時フィノが闇魔法で隠れていた敵を倒したってやつね。


「まあ、基本そうだと思いますが、この魔法は実体がありませんし、会話も出来ません。所詮光がねじ曲がってできた虚像ですから。光を当てれば消えますし、暗闇にすると消えます」

「待て、あの時は声もあったし、暗闇の中にお前の言う幻術があったりしたぞ? それはどう説明するんだ?」

「それは魔法に重ねがけするんです。打ち消すのではなく、暗闇という現象の上に幻術を置けば普通にその幻術が見えます。これは光による魔法ですから、相手の視界が正常である限り見えます。声は誰かが言えばいいだけですね。どうせ幻術で隠せば見えませんし」


 勘違いしやすいんだけど、闇魔法の精神系幻術と光魔法の屈折系幻術魔法は別物だ。

 脳に直接作用するか、視界から入るかの差だね。


「ですが、ブラックアウトは光を奪う魔法ですよ? ……あぁ、だから重ねがけなのですか」

「ララさんが思っている通りだと思いますが、重ねがけというのは魔法と魔法を重ねることを言います。特に技術がどうと言うことはありません。ただ、相手の魔法を打ち消しさえしなければ光を奪う魔法の上に光りの像を浮かべることが出来ます。数字と同じですね。1の次は絶対に2ですから」


 少数を除ければ。

 1が現実として、2にブラックアウト、3で僕が幻術を作ればいいってこと。


「じゃあ、小さくなったのはどんな原理だ?」

「それは私が分かるぞ。あれは恐らく投影の魔法だ。あの時は拡大してもらったが、今回は逆に縮小したのだろう?」

「そうですね。あの時とそっくりです」


 まさかの義父さん達が気付くとは。

 別に侮ってるとかってことじゃないよ?

 義父さんは魔法が得意じゃないからね。

 義母さんが気付いてるのは何となくわかるけど。


「なるほどなぁ、投影もそんなやり方があるのか」

「精巧だったのは直に見ているのを投影してもらったからですね。映像の魔道具と同じ原理なんですよ。魔法使用者が魔道具ですね」


 感嘆の声が幾つも聞こえる。


「魔法っていうのは知識が大切です。想像力も大切でしょう。でも、僕は応用力や幅広い考えや思いつきが大切だと思っています。空を飛びたい、じゃあ次は高速で飛びたい、更には集団で、物も飛ばしたい、逆に重くしたいとかですね。簡単に言うと単語からの連想です」


 連想ゲームとかをすればいいと思う。

 それでかなり思い付きが増えていくと思うし。


「やっぱり考え方が違うな。だが、良い事を聞いた。ノールの奴にも伝えて、取り入れてみよう」


 ノール学園長は学園の片付けとかで忙しくて今はいない。

 まあ、既に話してあるし、顔合わせはまた今度で大丈夫だろう。


「だが、あの劇がもう見れなくなるというのは残念だ。せめて記録の魔道具に収めたかった」

「確かにクロス様の言う通り、あれは何度でも見たいものです。また公演して頂けませんか?」


 じょう、だん、だよね?

 一度やれば後は同じとか聞いたことがある気がするけど、流石にもうしたくない。

 しかもアドリブが入ってたから何を言ったか覚えてないんだよね。


 勿論アドリブを入れた人にはちょっとねちったけど。


「一応台本がありますし、衣装もあります。同じ服はアロマという服屋で買うことができると思います。ですから、勘弁してください」


 収納袋から台本を取り出して頭を下げる。


「ふはは、仕方ないな。お前と同じものが出来るかは別として、この劇は後世に語られることだろう」

「今頃ローレの奴は動いておるかもしれん」

「ふふふ、あの子もああ見えて思いっ切りが良いですからね」


 ああ、義兄さんのことね。

 いろいろと言っちゃったし、多分書記係の人が台詞を纏めてるんじゃないかな。

 そうだとしたらかなり面白い劇になってるね。


「よし、これからは俺の方でも調べておこう。シュンは気を付けていってこい。後で、この国にある魔族の資料も見せてやる」

「魔法王様、流石にそれは……」


 だよね。

 見せてくれるのは有難いけど、流石に国に関わってくるようなことまではね。


「仕方なかろう、技術提供をしてくれるのだ。その見返りを出さないというのはどうかと思うぞ。それに魔族の資料はそれほどない。シュンは戦争の資料が見たいのではなく、魔族の詳細が知りたいのであろう?」


 確かに。

 それなら国にはあまり関わらないかもしれない。


「はい、魔族について知りたいですね。勿論何か知ったとしても口外しません」

「信じているぞ」


 それでもお付きの人は不安そうだ。

 まあ、普通はそのぐらいだと思う。

 クロスさんが結構大胆で、僕は何故か親近感を覚える。


「頭の固い奴だなぁ」

「魔法王様、これは国の方向を決める一大事なのです。協力は否定しませんが、もう少し段階という物を踏んでください」

「そういうが、よく考えてみろ。この国、いや、世界でトップクラスの俺が魔法で敵わないと言える人物なんだぞ? お前はそんな人物がいる国に恩を売らない気か?」

「そ、それはそうですが……」


 いや、それ僕達の前で言うことじゃないよね。

 義父さん達苦笑してるし。


「争う気はこれっぽっちもないが、もし戦うことになったらお互いに悲惨な未来を迎えるだろう。ならないがな。だから、今のうちに出来る限り協力と支援をし、シュリアル王国、()いてはシュンがこれから関わっていく者達とも良好にしていきたい。そのための布石だと思えばいい」


 物は言い様に聞こえる。

 まあ、クロスさん自体どこかひょうひょうとしてるから、全く悪気はないんだろう。

 多分隣で怖い笑みを浮かべてるララさんにお仕置きされるだろうね。


 奥さんが、ならいいけど、服装はメイドだからね。

 そう言う趣味の二人なのかな?


 それと、ツェル達と服について話してたよ。

 僕オリジナルのメイド服と執事服だからね。

 性能も折り紙付き。

 今度お土産として持ってこようかな?

 義母さん達もあんなドレスが良いと言ってたし、今度の流行になるかも。


「まあ、俺は争っても良い事が無いのは分かっている。それが強力な力同士なら尚更だ。大国同士が争うと周りの国も巻き込まれる。今は小を切って大を得る方が大切だ」


 国のことよりも関係の方が大きい恩恵が得られるって思ってるんだね。

 まあ、帝国は既に恩恵を感じ始めているらしい。


 あとレコンが完全復活して、シルバータイガーが周辺の魔物を抑えているんだって。

 狩りも出来るようになって今は長時間でなければ魔道具を外して冒険もさせているらしい。

 第二皇子のシュビーツ殿下は無事召喚獣を手に入れたみたいで、偶にレコンとじゃれ合って頬を綻ばせていると手紙が来た。


 得たのはBランクの猫又の異常種だって。

 異常種と言っても猫又は戦闘が得意じゃない魔物だ。

 幻術とか火魔法とかが得意で、この世界ではモフモフの二尾の猫。飼い主に恩返しをすると有名で、商売をする人とかが偶に召喚獣として飼っている時がある。

 あまり見ないのは一応魔物で個体数が少ないから。


 異常種は黒い毛並みで白い斑点が背中にある。

 黒ってのは忌避されやすいけど、この猫又は別なんだ。


 で、同じネコ科の魔物だから、仲が良いには当たり前かもしれない。

 まあ、虎と猫では差が大きくあるんだけどさ。


 と、そうこう話している間に付き人は言い包められたみたいだ。


「分かりました。城に帰って説得をお願いします」

「え? それはお前がやれよ」

「嫌ですよ。大体私は会議に出席できてもあまり話せません。ここは魔法王様の発案ということで説得してください。本当のことなんですから」


 クロスさんも会議とかは苦手なようだ。


「クロス様? そろそろおいたが過ぎると思われます」

「ラ、ララ? 俺は別にふざけてはないぞ? 真面目に王国と協力しようとだな……」

「それは十分、理解しておりますとも。ですが、その後の責任から逃れようとするのはいただけません。さあ、帰って溜まった仕事も片付けましょう」

「ちょ、それはやってくれたんじゃないのか?」


 あ、ララさんの目が据わった……。

 そこだけ絶対零度の猛吹雪が吹き荒れてるよ。


 だけど、これは完全にクロスさんが悪い。

 流石の僕も仕事を放り出すことはないと思う。多分。


「と、もうこのような時間ですね。ほら、最後にご挨拶してください」

「お、おう。今回は面白い物が見れた。協力に関しても出来る限り手を貸そう。俺の方でも各国に手紙を出すから安心してくれ。では、今日はこれで失礼させていただく」

「しっかりと挨拶をしてください。――このような方ですが、これからよろしくお願いします。これからはよりよい関係を築けるようお互いに協力し合いましょう」


 外はすっかりと暗くなり始め、クロスさんはララさんに首根っこを掴まれる様に去っていった。


 残った僕達は最後に家族で話し合い、通信の魔道具で義兄さんとダグラス皇帝に結果を知らせる。

 結果は上々で喜ばしいという話になって、帝国も周辺国と話し合いを行い、少しずつ協力体制が出来始めているらしい。

 それは王国も同じで、人族の国は多少の問題はまだ残っているけど、聖王国を除けばどうにかなりそうだ。


 そろそろ本気で教会に一度顔を出さないと危ない。

 義父さん達が慎重に動いてくれているけど、僕からも手を打っておかないとね。


 あと、ドワーフ族にも動きがあって、ガンドさんに頼んでいたドワーフ族との話し合いができるようになったみたいだ。

 既にドワーフ族が住む山から族長が向かってきているみたいで、ガンドさんも呼ばれて王城に来るって。

 だから、義父さん達を送り返すときに僕達も一緒に帰って話し合いを行う。


 その後に教会に行って、いよいよ冬休みとなり魔大陸へ話し合いに行くことになる。


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