とある伝説と言い伝え
これまで人が夢見た事が、一つでも叶った事があるだろうか
助けたいのに、助けられない現実。人は初めてその壁にぶつかった時、人間として覚醒する
こんな世に『CRIMSON』なる魔武器が存在してるそうな
その魔武器は、どんな現実もねじ伏せて見せた
ー人が死ねば、生き返らせー
ーどんな高い壁をも乗り越えて見せー
ーどんな夢物語な話でも叶えて見せたー
しかし、その魔武器は、諸刃の武器とも呼ばれ、持ち主の要望、願い事を叶えた途端、持ち主の肉体を魔界へと持ち去ったという...
■ ■ ■
如月の満月の夜の日。何故かその日の満月は深い紅の色に染まっていたそうな...
その日の二ヶ月後の事
まだ夜に冷えを覚える春先の穏やかな日。世界は動いた
北の山奥の村の更に奥にある場所に遺跡の様な洞窟があった。その日まで人が近付いた事など一切と無い
深紅の満月が現れた二ヶ月の間、山に住む動物達は荒れていた
毎日の様に、様々な動物同士の惨い殺し合いが繰り起こされ、山には動物達の死体が当たり前かの様に転がっていた
深紅の満月が現れた二ヶ月後には山の中は動物の死体で埋もれていたとの事
中には、人間の死体も発見されたらしい
そして、世界各地に住む人間達は気づかなかった
この異変に。動物達の異変に。まず、人間達は動物達が殺し合いをしていた事さえ知らずにいた
...そして何も知らずに事は起こった...
動物達の大量の血で開かれた道があった。それは魔界と呼ばれし、魔の世界とつながりし道だったのだ
その道から現れ出たのは勿論、悪魔だった...。低身長で、顔の眉間にはシワがこれでもかと引き締められており、涎を垂らしながら、歩いている...。身体の色は紅く染まっている
有り得ない筋力と聴力と視力、それに魔力と呼ばれし魔物の力を駆使し、人間達を殺して回ったと云われている
そして、一夜にして、国を三つ一気に滅ぼしたという言い伝えが残されている...