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恋しい女性の口説きかた↓撃沈

私は生まれてはじめて恋をした。

あの赤みがかった紫の瞳が忘れられない。


「ケイル様!まだ、間に合います!」

フオストが叫んだ。

相変わらず、元気なやつだな。

「優黎はグーレラーシャの武人に守護されているのだぞ、どうすれば取り戻せるのだろう?」

私は言った。

あの後ろにいた男性は

先代国王のグーレラーシャの獅子だったはずだ。

あの気迫ただ者ではない。

「正攻法で贈り物でももってプロポーズされたらいかがですか?」

ビレキスが言った。

「そうですぞ、青の指揮官の血をぜひアキュア聖王国の血筋に加えましょうぞ。」

ヤデギが言った。


皆、優黎の博識と発想の豊かさに

魅了されているようだ。

裏切りものというのも

私が手にいれやすいように

あえて言ったようだな。


私にとっては初めての真剣な恋だ。


女なんて私の身分と顔でいくらでも

よってきた。


グローリエはお互いに幼い頃から

結婚することが決まっていた。

当たり前のように結婚して...。

暮らしている。

あんな面白い女だと思わなかった。


優黎は...。

初めて会った時からドキドキした。

なんて綺麗な女性だろうと

だからつい、側室にと言った。


グローリエが側室を置くことを嫌っている。

その事も女性に本気にならない理由だったのに。


なのに優黎はグローリエまで魅了してしまった。


「優黎、私はお前を諦めたくない。」

私は呟いた。


あの強いのにどこか不安定な

なにか、フワフワしているところが

保護欲をそそる。


ファモウラ軍国の総統と

婚約したと言っていた。


(ソウトウ)ロビンが引き続き

ファモウラ軍国を治めた方がよい

という魔剣姫殿の意見は賛成だ。


アキュア聖王国の脅威にならなければ


だが、優黎は私とアキュア聖王国の王都に

つれていく。


このあんまり考えない忠臣たちが

考えてくれたのだ。


優黎は功績の褒賞として身分を与えよう。

軍王側妃と言う地位を。


あの柔らかそうな身体を抱き締めたい。


床に沈められるだろうか?


「花を用意いたしました。」

ビレキスが言った。

「軍王陛下頑張ってください!」

フオストが叫んだ。

「そうですぞ。」

ヤデギが言った。


おお、心強いな。

「いってくる。」

私は言った。



「優黎に改めて求婚したい、会わせてほしい。」

私は言った。

グーレラーシャ陣営のイェティウス殿のところに来ている。

「優黎さんは憔悴しています、会わせたくありません。」

イェティウス殿が言った。

「優黎、いるのだろう!」

私は叫んだ。

優黎のテントはもうなかった。

「やめてください。」

イェティウス殿が言った。

「優黎、私はお前を愛してる、結婚しよう!一緒に帰ろう!」

私は気に止めず叫んだ。

「優黎さん!来なくていいですよ!」

イェティウス殿が慌ててる。


「...そんなわけにいかないよ。」

優黎がやっと姿を現した。

今日は足首丈のシンプルなワンピースを着ている。

「私は、優黎と結婚したい。」

私は真剣に言った。

「お断りします。」

優黎は静かに答えた。

「私の事が嫌いか?」

私は聞いた。

「嫌いと言うより考えられません。」

優黎が言った。

「優黎さんを側室なんて許せません。」

イェティウス殿が口を挟んだ。

「...私はたとえ、ダメでも麻ロビンさんを愛してますから。」

優黎が微笑んだ。

なんて綺麗なんだ。

「ファモウラ軍国になどやらない。」

私は言った。

「それは、僕も同感です。」

イェティウス殿が言った。

「私はファモウラ軍国にいくのでなく、麻ロビンさんのところにいくんです。」

優黎が言った。


決意は固いらしい。


「私は最後まで諦めない。」

そう、優黎が他の男のものになったとわかるまで。

いや、絶対手にいれる。

「諦めてください。」

イェティウス殿がなぜか言った。

「ぜひ、諦めてください。」

優黎も困った顔で言った。


いや、諦めない。

優黎、覚悟しておけ

必ず私の側妃にしてみせる。

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