決戦→ヘチファデ平原
最終決戦だよ。
ファモウラと和平出来るように頑張るよ。
ロビンさんと結婚したいもん。
ヘチファデ平原の南側にファモウラ軍が陣をかまえているのが見える。
「優黎、いよいよだな。」
装備を整えたケイル軍王が言った。
それだけ聞けばカッコいいのに
なんで私の腰を抱こうとする?
だから、私に草の海に沈められるんじゃない。
「まったく。」
私は言った。
本当なら、コルネウスかレシファードの隊か
リツデイナちゃん達がそばの方がいいよ。
「相変わらず、強いな優黎は。」
ケイル軍王は復活したようだ。
「余分な行動はしないでください。」
私は言った。
「余分な行動ではないのだが。」
ケイル軍王さんが言った。
思えば遠くにきたもんだよ。
ここに来なきゃこの人とも会わなかったよね。
会いたくなかったけど、
「五十嵐軍師、ファモウラ軍が動くようです。」
報告があった。
「では、作戦通りに行きましょう。」
私は言った。
「ああ。」
ケイル軍王さんが言った。
風と人の動きに草が揺れる。
あいまみえた両軍が今激突する。
まあ、戦争にかっこいいも何もないけどね。
「勝ったようだ、雫老将軍と雫大佐は拘束された、大掛かりにみえて実は両軍被害が少ないようだ。」
ケイル軍王さんが言った。
うん、終わった。
被害が少ないように組んだからね。
あとは...和平の話し合いかな?
「ファモウラ軍国の総統から通信が司令室に入った。」
ケイル軍王さんが言った。
ついに動き出したんだね。
「あの優黎の自称婚約者は食えない男だな。」
ケイル軍王さんが言った。
「自称じゃないです。」
私は言った。
「さて、これが終わったらアキュアの王都に帰ろう、我が屋敷は街の中だが良いところだぞ。」
ケイル軍王さんが私の手を握りそうになったので避けた。
「自称婚約者とは結ばれないのだから...悲しくなる前に私の胸にこい、優黎守ってやるから。」
ケイル軍王さんがなにかをふくんで言った。
「行きません。」
私は言った。
「軍王陛下、五十嵐軍師を拘束しますか?」
大尉が言った。
は?なんで拘束されにゃならんのさ。
「いや、優黎はファモウラ総統と通じているわけでない。」
ケイル軍王さんが言った。
ああ、それで拘束ね。
牢屋に入れられる?
「では、軍王陛下、五十嵐軍師はお任せします。」
大尉が言った。
なんか司令室で嫌な感じで見られてるよ。
さっきまでヤッターって感じだったのに。
作戦、手を抜いてないよ。
「では、優黎を送ってくる。」
ケイル軍王さんが私の手を握っていった。
なんか、振りほどく元気ない。
今まで一緒に戦ってきたのにー。
「戦利品みたいに優黎さんを連れ去らないでください。」
黒猫軍師が顔を出した。
「黒猫軍師さん、どうしたらいいの?」
私はちょっと泣きそうだった。
「ケイル軍王殿、戦いが終わったので優黎さんの契約は切れたはずです、優黎さんは取り合えずグーレラーシャ陣営に戻していただきます。」
黒猫軍師が言った。
後ろにコルネウスとレシファードと
赤い髪に水色の瞳の...。
黒猫軍師、あんた自分のお父さんまで
引っ張り出してきたんかい。
グーレラーシャの先代国王陛下
ウェティウスさん、律ちゃんの旦那さん。
たしか二つ名はグーレラーシャの大型ワンコ?
それは律ちゃんがいった言葉だ。
グーレラーシャの獅子だよ。
私、混乱してるな。
「帰してくれなければ実力行使します。」
黒猫軍師が言った。
まあ、多分グーレラーシャの武人の中で
単独で一番強い。
ウェティウスさん。
今はたしかクロウサギ剣士だっけ
その人がいれば帰れるよね。
「求婚は改めてしよう、優黎をつれていけ。」
ケイル軍王さんがあっさり手を離した。
「優黎帰りましょう。」
コルネウスが言った。
「ユーリいくぞ。」
レシファードが言った。
「うん。」
私は言った。
なんか私は危機を乗り越えた...のかな?
ロビンさんは大丈夫かな?
ロビンさんに会いたい。
会って大丈夫か確かめたいよー。
魔剣姫編が魔剣姫は振り返らない本日投稿分でリンク中です。
よろしければご覧ください。(平成25年4月10日分です。)




