訪問⇔妖怪通販押し売り?
優黎ちゃんの様子がおかしいから
あやんが様子みにいってって可愛く頼んだ。
あきらめてないのかな?
でも、さすが、次元魔王だよね。
連絡とったら襲われて負傷したんだって。
黒猫軍師イェティウス君が言ってた。
「妖怪通販の押し売りでーす、優黎ちゃんいる?」
私は言った。
日本のレトルトカレーとか
ご飯のパックを
もちろん『お見舞い』に持って来たんだけどね。
「あ、紫乃さん、どうしたんですか?」
道の向こうから優黎ちゃんがきた。
なんかかっこいい人にお姫様抱っこされてる。
それに血と消毒の臭いがする。
「妖怪通販の押し売りでーす。」
私は言った。
「押し売りなんですか?」
優黎ちゃんが首をかしげた。
「押し売りじゃなくてお見舞いだよ、大丈夫?」
私は言った。
「まあ、かすり傷ですから。」
優黎ちゃんが言った。
「そのかすり傷で10針も縫ったくせに。」
優黎ちゃんをお姫様抱っこしている
男性が言った。
「そういえば、その人誰?」
私は言った。
「麻ロビンさんです。」
優黎ちゃんが言った。
「優黎の婚約者です。」
ロビンさんが言った。
婚約者?
…あやんがなくなこりゃ…。
ああ、でも二人の子供みて大喜びも目に浮かぶけど。
「こんにちは、宇水紫乃といいます…優黎ちゃんの大伯母か大祖母?みたいな付き合いです。身内同然かな?」
私は言った。
「大伯母上様、麻ロビンです、ファモウラ軍国で総統をしております、よろしくお願い致します。」
ロビンさんが言った。
あれ?ファモウラ軍国って敵方じゃなかったっけ?
なんで、優黎ちゃんと婚約したの?
しかも総統?
「ロビンさんの正体言いふらさないよね。」
優黎ちゃんが心配そうに言った。
「いいふらす必要性を感じないんだけど…。」
別に言いふらして利益になるわけじゃなし。
「よかったよ。」
優黎ちゃんが言った。
「まあ、テントの中で話そうよ、お仲間も来たみたいだし…雄ちゃん特製のロールケーキもあるよ。」
私は言った。
「わーい、おいしいんだよね。」
優黎がばんざいしかけて顔をしかめた
いたいんじゃない。
「無理をするな。」
ロビンさんが大事そうに抱き込んだ。
「大丈夫だよ。」
優黎ちゃんが言った。
「嘘をつく口はふさいでしまおう。」
そう言ってロビンさんは優黎ちゃんにキスした。
わ、熱烈だね。
「求愛行動進行中、良い事です。」
優黎ちゃんのお友達のコルネウスくんが言った。
「甘すぎる。」
同じく友達のレシファードさんが呟いた。
「二人とも、美味しいロールケーキがあるよ。」
私は言った。
ケーキで釣ってとういう状況で襲われたか
聞きださないとね。
早く解決しないとうちの次元魔王自らおでまししかねないし…。
そうしたらパーウェーナ世界が明正和次元の属次元になっちゃうしなぁ…。
回避しないと私の仕事がふえるし。
「ロビンさんの名をかたっておびき寄せられたらしいです。」
コルネウスさんがロールケーキにハチミツをかけながら言った。
グーレラーシャ人には甘さが足りないらしい。
「最初のごろつきはともかく次の連中は優黎が遅れをとる程度には強かったようだ。」
レシファードさんがお茶をのみながら言った。
そういえば甘いもの嫌いだったね。
「ロー…ロビンさんもうやめ…。」
婚約者な二人はあまあまなキスを繰り返してる。
私も旦那とああいう時があったなぁ…。
まあ、レオンはいまでも甘くてかっこいいけど。
「独り身にはきついぜ。」
レシファードさんが言った。
コルネウスさんはグーレラーシャにかわいい婚約者がいるそうだ。
うーん、あやん。
もしかしたら、なにかがかわるかも知れないよ。
少なくとも…優黎ちゃんは婚約したからね。
もう少し探ってみよっと。




