明正和↑次元魔王は駄々をこねる
ねえ、優黎ちゃん
なんでパーウェーナ世界に行っちゃったの?
「蒼~、雄介~、遊びにきたよ~。」
わたしは言った。
今日は五十嵐本家に来てみた。
やっぱり二人はつるんでた。
「おおー、あやん、元気かー?」
雄介はいい子だね♪
「雄介~、いい匂いだね~。」
ロールケーキの匂いがするー。
わたしは明正和次元の魔王あやん。
容姿はくるくる回る紫海苔のカーテンに
目と口がついて足も手もある。
円筒形にカーテンでわかるかな?
中身はおいおい教えるよ、秘密じゃないし。
本業、食化魔王、副業、次元魔王で時空魔王かな?
だから、食べるの大好き~。
雄介のロールケーキおいしんだよね。
「あやん、僕は無視かい。」
蒼が拗ねた。
さっき蒼って言ったじゃん。
「蒼、げんき?」
わたしは言った。
「元気だよー、あやん!」
言ったとたん蒼に頭撫でられた。
ワンコじゃないんだからやめて。
「ねえ、優黎ちゃん、パーウェーナ世界に行ってるんだって?」
わたしは言った。
「あ、ああ、そうだが、あやん、なにかようか?」
雄介が言った。
「ええ?優黎ちゃんをわたしに部下にしようかな?って思って。」
わたしが言った。
だってあんなにハイスペックなのに
フリーターなんでしょう?
じゃあ、スカウトしてもいいよね。
わたしが言うと二人が固まった。
どうして?
いいじゃないさ。
「ディストが部下だったか?」
雄介が蒼に言った。
「う、うん、由月ちゃんもそうだよね。」
蒼が雄介に言った。
「よかった、パーウェーナ世界におくりだしといて。」
雄介が言った。
「そうだね、お姉ちゃんよぶね。」
蒼が言った。
なんで紫乃よぶの?
「あやん、優黎ちゃんを部下にしちゃダメ。」
紫乃が言った。
「どうして?部下にしたい。」
部下にすれば...。
いつでも美味しいお菓子と料理食べられるんだよ。
「優黎ちゃんには、役割があるからダメ。」
紫乃が言った。
紫乃はある意味わたしと同じ存在だ。
でも、完全にわたしじゃない。
考え方も違うし、体も別。
役割も違う。
紫乃は次元魔王じゃないし。
容貌も黒髪、緑目の女性の姿をしている。
蒼のお姉ちゃんだ。
「ゆうりちゃんを部下にしたいの~。」
わたしは泣き出した。
紫乃も蒼も雄介も困った顔をしている。
「ゆうりちゃんを部下にしたいの~。」
わたしはもう一度言った。
しばらく泣いてたら紫乃がわたしの頭を撫でた。
「あやん、瑠璃葉流亭いって食事でもして帰ろうか?」
紫乃が頭を撫でながら言った。
「雄介の、ロール、ケーキも、たべたい。」
しゃくりあげながら言った。
「おお、待ってろ。」
雄介が特大のロールケーキを
出してくれた。
「七色お化けジュースでいいよね。」
蒼が大きいジョッキで
キラキラ色を変える
ジュースをテーブルに置いた。
「おい、しい、よ。」
まだ、よく、話せない。
「オレたち、あやん、あまやかしすぎか?」
雄介が言った。
「うーん、普段、大変な仕事押し付けてるからね。」
蒼が言った。
「...耳がいたいな、予約いれた、蒼と雄介君もきてよね。」
紫乃が言った。
「お姉ちゃん一人じゃ無理だもんね、説得。」
蒼が言った。
「まあ、そうだよな。」
雄介が言った。
わたし、絶対、優黎ちゃん。
わたしの部下にするもん。
そして美味しい料理つくってもらうんだ。
食べ物がわたしの力の源だから...。




