第三章 セレニウスの杖工房
メリンダ先生との戦闘の翌日
私の杖の調子が悪くなっている。私が生まれた時に母上が直々にくださった杖なので、正直交換したくなかったのだが、私にはわかるこれは練習用の杖だということが。
家の人たちは、これはレッドヴェイル家に代々伝わる杖だと言われてきたが、その杖は祖母が壊してしまっているらしい。
それにこの杖が代々伝わるものなら、性能があまりにも低すぎる。
私が、頑張って制御しているからこの杖は壊れていないが、私が注意しなかったら、一瞬で壊れえつぃ待っている、なぜなら私の魔力量は、常軌を逸してるからだ。
それ相応の杖が必要だろう…
「昨日は、リリアちゃんが体調悪くて寝てたから、今日杖探しに行こう」
なぜか、私の家に勝手に上がり込んでいるアリサ…
今日は、休日なので、人が多そうだが…まぁ私の杖も調子悪いし見てもらおうかなと思っていたし
「そうだね、私の杖も調子悪いんだよね…町の杖工房でいいかな?」
「うん、というか私そこ以外知らないよ?」
そこには、一回だけ言ったことがあるので、ファストトラベルが使える。
まぁテレポートを使ってもいいのだが、他の魔法使いに見られるのはよくないし、魔力もかなり消費するから、まぁいつもだったら全く問題ないんだけど、今日は昨日の戦闘でかなり魔力を消費してるので、あまり魔法を使いたくない
「それじゃぁさっそく行こう!」
「いやいや、私今起きたばっかりだから、着替えも朝ごはんも何もしてないんだわ…ちょっと待っててくれる?」
というか、門番は何してるんだよ…アリサとは言え勝手に入れちゃダメだろ…
「分かった、待ってる」
「…あのぉアリサさん?お着換えするのでお部屋出て行ってもらってもいいすか?」
「なんで?別に幼馴染だし、女の子同士なんだから別によくない?」
いやいや、アリサでも恥ずかしいものは恥ずかしいし…
アリサはいいかもしれないけど、いざみられる立場になったらそれはそれで困るだろ…
「いいから出て行ってください!」
「はーい」
なんだか、制服以外に袖を通すのは久しぶりだな…お出かけだしよそ行きの服…いや結構歩くかもだし動きやすい服の方がいいか、でもパンツスタイルで行くと、足短いからなんかアリサに負けた気分になるし…ここは無難に、ロングスカートでいいか…ちょっと動きにくいけど
「まだー?おそーい」
はいはい、もうちょっとだからまってなさい、全く子供っぽいんだから…
「お待たせ、ご飯食べるから一緒に食べよ、アリサはもう食べちゃったかもだけど」
「うん食べちゃったけど、まだ食べられそうだからいただくよ」
本当に食い意地が張ってるな…だからこんなに胸に差ができるのか?やっぱりいっぱい食べた方がいいのかな…
「おはようシェフ、アリサの分もお願いできるかしら?メニューはお任せするわ」
「承知いたしました、アリサ様はアレルギーや好き嫌いなどありますか?」
「全部ないです!なんでも食べます!」
へー好き嫌いがないのはいいことだね
私は、トマトと生ハムとモッツァレラチーズが食べられないな…
アレルギーはないけど…
「ねぇねぇ、アリサ杖を買いに行くんだけど事前に勉強とかしてきてる?」
正直、魔法の勉強はしてきているけど、杖の勉強はしていないのでどういうものがあるのか、どういうものが私に合うのか全然わかっていない。
「ちょっとは、してたよなんか気の種類によって、硬さとか出る魔法の性質が変わるらしくて、私が使ってる、くるみの木は重いんだけど、硬くて狙いがずれないかな、けっこう無理な魔力出力でも、壊れにくいし、おすすめではあるよ」
なるほど…まぁ結局お店いっていろいろと聞けばいいか
「お待たせいたしました、エッグベネディクトでございます」
「おほー!私の大好物です、シェフさんもしかしてご存じでしたか?」
正直、私も好きではある、いや結構好き…
「いただきま~す!」
あさから、元気だねぇ… 私は、そんな元気ないわ…魔力があんまりないからってのもあるけど…
「いただきます」
うん、おいしい…おいしい…やばい、まじでおいしいぞこれ…
今日のシェフいつもと違う?
「とてもおいしいです、とても腕のいいシェフさんなのですね!」
うーん…あれっ…こんなに年老いてたっけ?
「もしかして、先代ですか?お顔がとても似ているので、わかりませんでした…」
「ははは、そうでしたか、でもお気づきになられた、やはり息子は、まだまだですかな」
いや、おいしいのは変わりないんだけど、やっぱり先代はもう一段階奥のおいしさがあるんだよな…
なんなんだろう…この違いは…
「あの、シェフのお名前をうかがっても」
「私は、ジェラルド・ダカーポと申します」
「私の、ところのシェフと同じ苗字です!ご兄弟なのですか?」
へー、そうなんだ…まぁ家も近いし、それぞれ腕がいいのでしょうな
「セーニョは私の弟です。彼には負けないように日々精進しているのですが、お味はどうでしょう、比べるというのは、あまりよろしくはないのでしょうけど」
「そうですね…確かにダカーポさんのはとてもおいしいですし、感動しました。でもやはり、セーニョさんに慣れているので、一概にどっちがいいとはいえませんね…でもどちらも好きですよ」
こういう対応は、上手なのね…たまたまか
「食べ終わったし、そろそろ行こうか、準備万端だし」
「そうだね、ファストトラベルでいいよね?」
魔力が本当にたりない…やばい…誰かに分けてほしい…あんな魔力消費しまくるような戦闘したらこうもなるか…私の属性が陰属性じゃなければ…アリサみたいな水属性ならすぐに魔力譲渡できるんだけどなぁ…陰属性は希少だから難しいね…
「それじゃ、行くよファストトラベル!」
うわっ!まぶしっ!
「おぉ、着地がテレポートよりも簡単…正直初めて使ったんだよねファストトラベル」
「私も!これからはファストトラベルある場所はこっちの方がいいかもね、着地が安定するし」
本当に!なによりも着地がきちんとできるのは感動だ…
私が最初テレポートしたときは、頭から着地しそうになったからな…
まじで、ファストトラベル開発した人めっちゃ頭いんだろうな…
「さぁ、入ろうか、どうしたのもじもじして、緊張してる?」
アリサは、こういうお店あんまり来たことないんだろうな…お嬢様の家だし、まぁ私もそうだけど抜け出して、勝手にこういう店よく来てたから
「店長さん、怖かったらどうしよう…」
なんだ、そんなことか…まぁその時は、私たちが名家の人間だ!って示せば大体の人はひるむから、大丈夫でしょ
「こんにちわ、杖の交換を検討しておりまして…参りました」
「いらっしゃいませ、おやおや、これはこれは、レッドヴェイル様と、ブルーリング様じゃありませんか…そのようなかたが、こんなお店にいらしゃっるとは、意外でしたから驚いてしましました」
まぁ確かに、オーダーメイドでお届けいただくという形がメインだからね…でもどういう杖がいいのかわかんないから、ちょくせつ触ってみないとだなとおもって
「私の杖も、交換しようかとおもって…」
「ははは、アリサさんなんの御冗談ですか、その杖はブルーリング家に代々伝わります、杖でございます、それ以上の物を作るのは困難ですし、私には無理でございます」
やっぱり、そうだよね家紋が彫られてて、ブルーリング家の家石のサファイヤが入っていたから、そうだと思ってたんだよね…
それに対して、私のは家紋は掘られているけど家石はないし、素材も安い合成材だし
大違いだね…
「しかし、レッドヴェイル様の方の杖は一体…練習用の杖ではないですか?」
「やはりそうでしたか、私もうすうす気が付いていたのですが使えるしまぁいいやと思って、使ってきたんですが、買い替えたくて…」
正直な話、お母さまからもらったものだから、使っていたかったというのもあるけど、本格的に戦えなくなってきてるから、交換が必要だなと思って今日来たわけだ
「しかし、二つの魔法を繰り出すためには、私の技術では作ることができないんですよ…まことに不服ながら、私よりもうでがいい、杖職人を紹介せざるを得ないですね…頑固な奴ですけど、腕は確かですよ」
なるほど…それにしても、私が二つの魔法を使うことまで知っているとは、かなりレッドヴェイル家について詳しいな、この人
「その方は、どちらにいらっしゃるのですか?」
「エルダグリム山の頂上におります、ぜひ向かってみてはいかがでしょうか」
エルダグリム山…隣町で一番高い山、魔力の瘴気が渦巻く場所で、魔力酔いして行方不明になる魔法使いが多数いるとか…魔力酔いせずに頂上に行けたということは、その杖職人さんは、魔力をもたない、人間なのだろう…魔力を持たない人間というのは、ほとんどいないが、そういうことじゃないと上るのは困難だ…それにしても、私たちがどうやって行くか…
「エルダグリム山、私上ったことあるよ!確かに、魔力酔いがすごい場所ではあるけど、水魔法で浄化しながら、頑張って登れたよ!」
なるほど、アリサの家系魔法の中に、浄化するというものがあったな…
それなら、魔力酔いせずに上ることができると…
それにしても、どうしてエルダグリム山なんかに上ったんだ?
あそこには、魔力酔いする酔いするような危険な森と、ダンジョンと、知る人ぞ知る杖職人の家しかしないのに…
「まぁ、行ってみようか、テレポート魔法が使えるか怪しいけど…使えなかったら、どうする明日にする?」
「うーん、まぁいいけど、善は急げっていうか、テレポート使えたとしても、ふともまでだし結局は登山はしないといけないから、頑張っていくしかないよ」
まぁ確かに、そうか…登山は確定か…いやだねぇ体力不足を痛感しているからね最近…
「山を登るのは、今日も明日もやめておいた方がいいですね、今日の午後にかけて雨が降りますので」
あー、じゃぁもう本格的に、来週末という案しかないな…
仕方ない、しばらくは、この杖で我慢だな…
「ブルーリング家の招集とあれば、恐らくこっちまで来てくれると思うんですよ!お母さまにいって、呼んでもらいましょう!」
呼んだら来るってわけじゃないだろ…気難しい方なんだろうから…
「じゃぁ、お母さまに伝えるためにいったん、ここでお開きに、またてリリアちゃん!」
いやいや…話が急展開すぎる…
私もいったん帰ろうかな、いろいろと、話も整理したいし…
まじで急展開なんだよなアリサと一緒に行動すると…
なんだか、無駄に疲れたわ