イアペトゥス・フィーリア
エクスターミネーターを解体して5年近くたっただろう
魔族との戦闘はより激化し
たくさんの人、魔族が死んでいった
私たちの村も、エクスティンクショナーによって攻撃を受けた
村に、戦士がいない瞬間を狙って、襲撃してきたのだ
もう、魔族も人間も女、子供関係なく殺し始めているころだった
村は燃やされ、5人が死んだ
私は、そのころ王都に魔法使い登録試験を受けていた
つまり、本当に村を守る存在がなかった
その5人は、村長、村長の妻、村長の娘、門番、そして勇敢に立ち向かった私の母
私が到着したころには、母は死んでいた
悔しさとか、悲しさとかはなかった、怒りすらも芽生えない
ただ、任務遂行の一心だった
どうしてだろうか、感情を失ったかとまで錯覚するほどだ
その時、私は魔族の感情を理解した
人間とは違うのだと
私は、人間と母と、魔族の父を持つハーフである
より幼い時から、理解はしていたが
ここまでの、人間と魔族の差を痛感したのはこれが初めてだ
この村に来た魔族の痕跡、魔力、それらを探知できている
その魔力を、追うことまで、確実に成長を感じる
本来魔力探知は、以前に残された魔力を探知することは不可能だ
だが、この瞬間だけ私にはできていた
「まだ近い…」
この村から距離にして2㎞地点に、基地がある
バラック小屋だから、すぐに離れるつもりだろう
おそらく、狙いは私だったっぽいけど、なめられたものだね…
たった3人で来るなんて
「テレポート」
魔力探知は、魔族の得意分野だろうから魔力を極力消してと…
バラック小屋の中には男二人女一人といったところだ
殺すことは楽だが、エクスティンクショナーを解体することも一つの目標だからな…
この時には、もう復讐心は消えていた、作戦遂行のように淡々とただ冷静に、物事を見れていた
だけど、恐ろしいとは思わない、だってそのほうが、都合がよかったから
戦いにおいて、感情はそこまで重要ではない
冷静でいることが重要だ、だから私にとっては好都合
「こんにちは、ちょっとお話いいかしら?」
「お前!どこからきた!ガキは帰んな危ねぇぞ…まて…まてよ?お前○○・フィーリアだな」
「えぇ、そうよ、ちょっとお話ししましょうよ、勝てないことはわかってるでしょ?」
相手も魔力を開放してきたけど、せいぜい魔力量は500程度相手にもならないだろう
「クラトゥス・テネブラールム」
闇の信仰心という魔法は、魔導書で見たことない…
簡単な術式だけど、相手を確実に殺せる…
とても優秀な魔法研究者がいるのね
「アルテルナ」
普通に防げるけどね…防御貫通の術式は私もまだわかんないし、そんなの研究するだけ無駄だしね
またそれを上書きして、防御魔法を作れるからね
「なっ…防いだ…!エクスティンクション」
エクスティンクションか…これは防げないな
「テレポート、ヴィス・エフィシオ」
魔力が多い魔族のほうが簡単にこの魔法が使える
「なんだ…そr」
一人は殺してもいいだろう、そのほかに話を聞ける
「さぁ、もう勝ち目がないのはわかるでしょ?だからさ、お話聞かせてよ」
「くっ…エクスティンクション!」
あぁ…自殺しちゃったよ…
「私も、もう…」
「あぁ、君はだめだよ、お話ししないといけないからね、全部答えてもらうからね」
さて、どうやってお話をしようかな…拷問するのはナンセンスだし、精神操作魔法は難しいし、資格がないと使っちゃだめだしな…
「おなかすいてない?何か食べよっか」
「なっ…村を襲った私に、優しさなど…どういうつもりだ!」
「はい、パンこれくらいしか持ってないけど、食べて毒は入ってないよ、私はただおしゃべりしたかっただけだよ」
この魔族も、きっと無理やり戦わされているに違いない
「ねぇ、この戦いに意味ってあるのかな、私は人間と魔族は仲良くしていないといけないと思うんだよね」
「その通りだ、しかし人間がその安定していた生活を破った、私だって戦いたくはないさ、村の人間も殺したくなかった、実際殺せなかった」
「そうなんだ、どうして殺せなかったの?」
「殺すことが怖かった、それに村にいた一人の女戦士が強くて、私はすぐにやられたんだ」
母だろう、女戦士ではないがまぁ確かに強かっただろう
「うん、嘘ついてないね、君の魔力は一切振るわれてなかった、魔法を放っていない証拠だよ、ねぇ私についてこない?この戦いを終わらせてあげるよ」
「そんなこと…できるの?」
「どんな方法になるかはわからないけど、できると思うよ」
この子には素質がある、魔力を制御しているし、闇の信仰心を持っていても闇の魔力まだ蝕まれていない
「光の属性なんだね、それに人間だなんでエクスティンクショナーについたの?」
「すごいな、そこまでわかるなんて…私はエクスティンクショナーについたわけじゃない、無理やりやらされたのよ、それにこの闇の魔力も闇の信仰心ではないしね」
「まさか、光と闇の二種類持ちなの?すごいね、ホワイトルクスビームとダークヌクトールナの二つの家同士で結婚した娘とかなの?」
「そのまさかだよ…」
ホワイトルクスビームとダークヌクトールナが結婚したという情報は、まったく知らない…
それほどの大きな家同士なら、大々的に報道されてもおかしくない
見た目から年は18歳前後くらいだろう
その頃は、まだ魔族戦争も始まっていなかったから、報道規制もないし…
「隠し子ってこと?」
「…そう、探偵さんかな?ここまでわかるなんて…精神操作魔法か何か使ってる?」
「いや、そのくらいしか光、闇の二色持ちなんてありえないから」
「まぁ、そうだよね…私、行く当てもないのよ、名前もないし住所もないから、それにこのまま帰っても、殺されちゃうし…だから連れて行って」
ひどいことするね…ホワイトルクスビームとダークヌクトールナ、変にプライド高いからだよ
「わかった、私はイアペトゥス・フィーリアそうよんで、人間と魔族のハーフだよ、あなたの名前…はないんだよね」
「うん、って人間と魔族のハーフなの?私と一緒じゃん!」
やっぱり、ダークヌクトールナは魔族だったんだ…怪しい動きが見えたから…
「そう、じゃぁしばらく死なないから、私のいい話し相手になるね」
「そうだね、これからどうするの?」
「魔族と仲直りする旅に出るよ、あと君の名前はキネレね」
「いい名前だと思うわ」
灰色って意味だけどね…




