第十七章 ジリオンランク魔法使いになるということ
さてと…無事契約できたわけだが…
なんだろう…ジリオンランク魔法使いになった実感があまりない…
もちろん、いままでいなかったリラが隣にいるわけだが…なんとも…
「あっ…どうも無事ジリオンランク魔法使いになれたっぽいです…」
「あっ…あぁ…いやもちろんおめでたいのだが…あまりにも早すぎてな…それに本当にリラと契約するとは…」
『やぁ、久しいねイアペトゥス、200年ぶりぐらいだろうか…』
「もうそんなに、たつのか…あっ!いやとりあえずまずは!リリア・レッドヴェイルジリオンランク魔法使いになれたこと、祝福申し上げる!あなたはジリオンランク魔法使い頭首に任命したい…理由は2つだ。まず最速でジリオンランク迷宮を脱出したこと、2つ目に現状戦力で最強ということだ」
「戦力最強というのは…イアペトゥス様ではないのですか?」
「あぁ…ついさっきまではな…本当にリラと契約してきてしまったのでな…リラは私と同等かそれ以上の力を持っている…」
嘘でしょ…いやもちろん伝説の精霊だからそれなりの戦闘能力というか魔法能力はあると思ってたけど…イアペトゥス様と並ぶほどまでとは…
「イアペトゥス、大袈裟だよ私はそんなに強くないさ、もっと強い魔法使いがいるさ」
「まぁなにはともあれ、ジリオンランク魔法使いになられたということで、私の方から説明をさせていただきます…ジリオンランク魔法使いには特権として、魔法道具無償、魔法料理屋無償、学費無償、指定授業免除、魔法使い協会ラウンジ使用許可となります」
やった〜あのラウンジ使えるのは嬉しいぞ!
「なぁ、リリアこのあと時間あるか?私と一戦手合わせしてほしい」
「えっ?あっはい!もちろんです!」
「それでは、15時に戦場で待っている、それまではラウンジなどを堪能するといい」
よっしゃー!それじゃぁお言葉に甘えて…ラウンジにレッツゴー!
「リラはさ、人間の飲み物とか飲んだことあるの?」
『残念ながら、私たち精霊は実体がないから、人間界のものには干渉できないんだ…そのてん、友獣であるソルセリオンがうらやましいよ』
「そうなんだ…どうにかして、人間界のものを触れるようにはならないの?」
『そうだなぁ…まぁ強いて言うなら人間の肉体を手に入れることかな、まぁリリアの体は入れないけどね…だから、そこらへんにいる人間を乗っ取ればいいってわけよ!』
それは、人権的にかなり大問題な気がする…
人形とか作ってその中に入ってもらうこととかできないのかな…
『リラ様、大変恐縮なのでございますが、私が得意としております、肉体変化の中で分身がございまして、その分体をお使いいただくというのはいかがでしょうか?』
なるほど、肉体分身で器だけ作って空っぽにすることはできるのか!まさしくさっき言った人形を作ってというわけだね
『ソルセリオン!素晴らしい提案だ!その分体というのは、私が容姿を作り替えたりはできるのかい?』
『はい、分体は本来ただの空っぽなものなのですが、それに何かが入れば、その者の所有物と化します故、魔法操作は私より、はるかに優れておりますので、問題なく使いこなせるかと』
いやぁ、なんだかうれしいねぇ兄妹ができたみたいで
『おぉ!これはすごい!肉体だぁ!うぉー!』
ははは子供みたいだ…
あっ、ちゃんと魔力の血族が発動して、居場所がわかる…それに相手の視点に移ることまでできるなんて…万能すぎやしないか…
『それに、この魔法はテレパシーも使える、遠くにいても私の声は聞こえるでしょ』
「ていうか!私の心の声まだ読めてるじゃん!なんでよ!」
『あれ?言ってなかったっけ?契約したあとでもまだ心の声を読むのは変わらないよ?特殊契約で私たちは血族だからね』
まじかよ…血族は契約としてはかなり優秀だけど、私の心読まれるのは困るなぁ…
『それなら、何も考えなければいいんじゃない?』
「それは、無理でしょ!まぁラウンジ行くよ!楽しみにしてたんだから」
さてさて、まず早速ジリオンランク特権の専用ラウンジ!うっひょー!金ぴかだ、さっき通されたところもきれいなラウンジだったけど、こっちのほうが豪華だねぇ
「おぉ!リリア・レッドヴェイルじゃないか!あぁ、すまない自己紹介がまだだったね」
「いえいえ、存じております!アリステア・ルーンフォーク様ですよね!吸血鬼の魔法使いというインパクトが強くて、一番お名前をしっかりと憶えている方ですもん!」
「本当かい?いやぁうれしいな!まずはおめでとう!これから同じランクの魔法使いとして、一緒に頑張っていこうね、お二方も今後ともよろしくお願いします」
うわーお、最敬礼してる…やっぱり、私と契約した友獣と精霊ってすごいんだな…
もう、これしか言ってないわ
『あいつ、吸血鬼でしたよね…なのに魔法使いなんですね珍しい…』
「あれ?ソルセリオン知らない?結構前からいる魔法使いだけど…」
『知らないのも、仕方ないさ彼が、吸血鬼だと明かしたのは50年ほど前で、とても最近のことだからね』
なるほど…っとラウンジを堪能しないと!
「さーて、どこから見ようかね…まずはこれ!専用特注冷蔵庫!その中には、高級シャンパンに高級ドリンク類!シャンパンはまだ飲めないけどね…」
『その、シャンパンは私が飲むよ、この肉体では飲めるからね!』
大丈夫か?だいぶ小柄な体だけど…すぐに酔いそうだな…
『全然大丈夫だよ、私は精霊だからアルコールを完全に分解できるのさ』
「そうなんだ…じゃぁお酒じゃなくてもいいじゃん…」
『このシャンデリアはすごいねぇ…西のほうの伝統工芸品だ…』
飛べるのか…すごいな、私はまだ浮遊魔法使えないぞ
いや、浮遊魔法自体は使えるんだけど、あんなに自由に空飛ぶのは難しいな…
「ねぇ、その浮遊魔法ってなに?」
『これは、浮遊魔法じゃないよ飛行魔法だグラビティゼロにしちゃうと、移動できないからね、飛行魔法ならこうやって自由に空を飛ぶことができるよ、古代魔法だけどね…ゼフィリアという魔法だよ』
ゼフィリア…聞いたことも、見たこともない…まさか、うちにある古代魔法書にすら載ってないとは…
特別な古代魔法なのか…
『載ってないのも無理はないよ、だって私が作った魔法だし』
「あぁ、そういうことか…ってことは!今目の前でその魔法を私に教えることもできるってこと!おねが~いおしえて~」
『いいよ、術式はこれね』
Aër supra, Zephyri lumen,
Spiritum caeli in me recipio.
Vincula terrae dissolvo,
et cum caelesti flumine misceor.
Canta, carmen ventorum — Zephyria.
風よ、天より吹き上がれ。光の西風よ
我は天空の息吹をこの身に受け入れん
大地の鎖を解き放ち、
蒼穹の流れとひとつに融け合わん
奏でよ――風の詩 ゼフィリア
か…やはり、ラテン語だ私ラテン語勉強してないよ…翻訳いちいちしないと意味が分からないのは困るな…翻訳魔法も的確じゃないし、時間がかかるし…
「難しいね…この術式複雑じゃない?」
『そうだね、簡単に解読されても困るし、難しい術式にしたんだよね…私もめんどくさいよこの魔法』
「なるほどね…この術式はかなり簡略化できるだろうね…半分どころかもっとこう…」
Carmen Ventorum — Zephyria
これでも、行けそうだな…翻訳うまくいってるかわからないけど…
「どうかな、これでいける?」
『どうかな…簡略化されすぎな気もするけど…それにこれって、魔力を制限しない術式だから、かなり魔力消費が激しいと思うけど…これって魔力が多い私たちに限定されない?』
「まぁ、そうだねでも私は、魔力を制限しならがら全然、この術式扱えるよ」
『ははは、私には不可能だよそんなこと…二重に魔法を使うことは本来不可能なのさ…だって心の中で思っていることと、口を別に動かすことはできないだろう?』
「ううん、全部無詠唱だけど…」
『嘘でしょ…まさか今まで無詠唱で二重に魔術を発動させてたの?』
えっ?普通にやってたけど…普通にできないことなのか…
『リラ様、リリアはおそらく、人格が二つあるんじゃないですかね?じゃないと二重に無詠唱なんか不可能ですよ』
「いや、普通に私だけなはずなんだけどな…もちろん、二重詠唱はそれぞれ、別な属性じゃないとできないけどね」
まぁ、とりあえずこの術式をつかって飛んでみるか
「ゼフィリア・コントリア」
おぉぉ!かなりコントロールが難しいが、飛べないこともないね
しかし、これはかなり神経が磨り減るな…
落ちたら大けがだもんな…
着地の時にはグラビティゼロを使って、簡単に着地するか…
簡単な魔法だから、三重詠唱もできなくないかな
「よいしょっと」
『もう、わけがわからないよリリア…』
よっしゃぁ!これで空中戦までこなせるぞ!




