キティちゃんを「キティ」と呼び捨てで呼ぶのは、キティちゃんのカレシだけだと判断するのは正しいか?
ずっと気になっていたことがあった。
今まで生きてきて、キティちゃんを「キティ」と呼び捨てにしている人を見たことがない。
そこで考えてみた。キティちゃんを「キティ」と呼び捨てにしている人はいるのか。
キティちゃんの身内を除外すると、キティちゃんのカレシぐらいしか思い付かない。
親友でも、キティちゃんと呼んでいるに違いない。なぜなら、キティちゃんは優しい良い子なので、親友も同じようなお人柄だろう。きちんとちゃん付けをしている優しい良い子に違いない。
では、普段、ちゃん付けだった人が、突然、呼び捨てをする場合はどうか。
まず考えられるのは、保育士さんが叱ってきた場合だ。
キティちゃんも人間である。……いや、猫であるが、彼女も時には、うっかりミスが続くこともあるだろう。普段は「キティちゃん」と呼んでいる保育士さんも、何度もミスが続けば、思わず「キティ!」となるはず。
先生ではなく保育士である理由は、小学校にあがると一般的に名字で呼ぶためだ。
叱る保育士を候補に入れたい。
次に思い付いたのが、校長先生だ。
「表彰状、キティ・ホワイト」
表彰状を読み上げ、渡すときはちゃん付けをしない。
ただ、これは表彰状の文字を読んでるだけなので、呼ぶとはまた違うと判断し、却下とする。
次に思い付いたのが、部活中のキティちゃんだ。
例えば、バスケ部だった場合、なにしろスピードが勝負の世界。「キティ、パス!」とちゃん付けは省くのではないか。
コーチや顧問も、指導に熱が入った時に、ちゃん付けを省く気がする。
部員仲間とコーチと顧問を候補に入れたい。
次に思い付いたのが、キティちゃんが政治家になり、国会で発言するために挙手した時だ。
「キティ・ホワイトくん」
と、くん付けで呼ばれることになる。ちゃん付けではない。ただ、こちらも呼び捨てではないため、却下とする。
そんなことを考えていたら、とんでもないことに気付いた。キティちゃんが出馬する時に応援演説にやってきた政治家だ。
「彼女ならやってくれます! キティ・ホワイトをお願いします!」
と、呼び捨てにするのではないか。
応援演説をする政治家も候補に入れたい。
一般人でいないのかと考えた時、一つ思い当たることがあった。
キティちゃんが車にひかれそうになった時だ。我々はとっさに「キティ危ない!」と、ちゃん付けを省くのではないか。ただ、そんな切羽詰まった状態ならば、「危ない!」としか言わない気もするが、まあ、そこはご愛嬌。
緊急事態であるキティちゃんの周囲にいる人々。これはとりあえず、補欠候補とする。
ただ、ここまで考えて思った。
すべてはプライベートの時ではない。
緊急事態のキティちゃんはプライベート中だったのかもしれないが、ある意味、イレギュラーだ。
普段の、何気ない日々の中で、キティちゃんを「キティ」と呼び掛ける人物。私はやはり、キティちゃんのカレシしか思い付かないのである。
と、ここまで考えてふと思った。
いや、ちょっと待て。
キティちゃんのカレシに恋する女の子はどうだ。
「あたしの好きなあの人を! キティ、許さないわ!」
となり、ちゃん付けをする気になど、ならないのではないか。
いや、でも、できることならば、
「キティちゃんなら仕方ないわね。あの子じゃ勝ち目ないもの。あの人ったら、キティちゃんを選ぶなんて、見る目あるわね」
となってほしい。
キティちゃんの周りにいる人たちは、みないい人種であるはず。というか、そうであってほしい。
そして、よくよく考えたら、この呼び捨ては陰口の時であって、普段の何気ない呼び掛けとは違うため、却下とする。
というわけで、結論。
キティちゃんを「キティ」と呼び捨てで呼ぶのは、キティちゃんのカレシだけだと判断するのは、正しい。
読んでくださって、ありがとうございました。
連載中のやつをほったらかしにして、なにを書いてるんだろう。今までの人生で、一番キティちゃんのことを考えてました。