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第三話

 信陵君が、秦軍を破ってくれた。

 楚軍は、指揮に従っただけだけど、信陵君はマジに強いな。


「敗残兵を追ってね~。各個撃破よ~」


「「「はっ!」」」


 楚国の兵は、散って行ってくれた。残党狩りは、美味しいよね。


「「春信君! 良く来てくれた!!」」


 俺と、平原君と信陵君の三人で手を合わせる。

 『四君』の集う、歴史的な勝利だよね。



 その後帰国すると、歓声を受けた。本当の勝者は、信陵君と趙国だけど、黙っていよう。

 俺は、政治的な権限が欲しい。功績にしたい。

 パレードの後に、考烈王に謁見だ。


「良くやってくれたのよ~。春信君~。もうね、褒美になんでもあげちゃう」


 考烈王もご機嫌だな。

 でも、反対意見も出て来る。


「秦国の矛先が、こちらに向いたらどうするんだ! 長年の友好関係が、水泡に帰してしまったじゃないか!」


 いるよね。不満を言いたいだけの人。

 その友好関係を、10年以上支えたの、俺よ? 君がなにしたっての?


「あっ~。白起は自害したので、昔みたいに怯えなくていいです。韓国と魏国は、秦国に背を向けましたし。こっちには、来ないです」


 ――シーン


 誰からも反論が出なかった。

 その後、俺は丞相に任命された。

 門閥の影響が大きい楚国だけど、トップに立ったのだ。これで、権力を振るえる。


「呉起の作った国政改革を、復活させないとね」


 今の楚国は、非効率なのだ!





「もうすぐ、戦国七雄の時代か~」


 戦国代の末期に突入だな~。実際には、前漢国が立つまで続くんだけど。

 秦国は、信陵君のいなくなった魏国へ攻め続けている。

 王族皆殺しにして、国を滅ぼしておけよと言いたい。

 韓国も、独立したみたいだし。


「秦の昭襄王も詰めが甘い。范雎かな?」


 そういえば、そろそろ、秦国の丞相が范雎から蔡沢に代わる頃かな?

 范雎も、後世で散々な評価を受けるんだよね~。中華の半分をとった丞相なのにね~。


 そう思っていると、楚国内で内乱が起きた。

 旧呉の地だ。

 サクッと討伐して、平定する。

 ついでに、内乱に協力してた、魯国だな。滅亡させて、国土を増やした。


 趙国は、恩を売っているし、斉国は今の時期は大人しい。

 東は、大丈夫かな?

 ここで、手紙が届いた。


『春信君、戻って来て~。考烈王より』


 やっぱ、俺が中央にいないとダメだよね。



 国都の陳に戻ると、相談された。


「やっぱ、秦国ですか……。魏国が標的にされていると」


「秦国をなんとかしないと、危なくない?」


 そう言われてもな~。

 ここで、木簡が差し出された。


『魏国に戻りますので、援軍よろしく。信陵君より』


「急いで出兵しましょう。俺が兵を率います」


「おお、頼もしいのよ」


 やべぇよ。これ、遅れるわけにはいかないな。

 ここで、信陵君が負けると、歴史が大きく変わってしまう。


 秦国の統一は、避けたいのが本音だ。


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