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睡眠前の社会ならし

作者: 西側諸国
掲載日:2023/11/29

人生で初めて話を書きました。読んでくれたら嬉しいです。

ある少年がいた。


学校での成績は特に優秀でもなく、だらしなく過ごす日が続いていた。しかし、勉学に興味がないわけではなかった。思春期に芽生え始める、自分や世界への疑問というのを持ちつつある時期であり、特に世界という漠然と巨大なものに興味を抱いていた。


特に勉強をして知ったということではないが、世の中の事象は全て繋がっており、もし世界を知ることができるならすべての分野を深く学び体系的に学習してみたいという願望はあった。

しかし彼は、それらの勉強を始めるとするならば膨大な労力がかかるということはすでにわかっており、あまり勉強に手をつけることができなかった。それにより、何もできない自分や、いくら努力をしようとも完全な理解には近づかないであろう世界の複雑さに恨みを持つようになった。


そして今、いつものように何もできなかった今日の自分を恨みながら、少年は布団に入り、寝転んでいた。

目をつむり少し考え事をしているとまどろみ、しばらくして完全な眠りに入った。


少年は夢を見はじめた。


夢の中で目を覚ました時、少年の意識は自身の脳内にあった。最初はただ目が覚めただけかと考えたが、意識を自身の肉体から離脱させられることで夢だと気づいた。また、考え事をすると、意識である自分を膨張させられることにも気づいた。

少年の意識は複雑な世界へと向いた。


肉体を伴って生活していると、その肉体の場所からの世界しか認識できなかったが、意識は無限に膨張させることができ、やがて自分の家、街、国全体を見渡せるほど大きくなった。

少年は、自身である意識を世界全体を包み込めるほど巨大にすれば、世界のあらゆる事象、また複雑さを一度に感じ、世界を完全に理解できるのではないかと考えた。意識はますます巨大化した。そして、地球を包み込めるほどにもなった。


少年は抽象的な形をした自身の意識で世界を包み、五感を集約したような一つの感覚で世界を感じた。これで、自分の目指す世界への完全な理解が達成されると思った。


しかし、完全な理解には及ばなかった。なぜなら、理解する世界は一つではなかったからだ。

生物はみな感覚を持ち、すべて独立しているため、生物の数の分だけ感じる世界が違っていた。無作為に置かれた物体の連なりを少し視点が違うと必ずしも同じ連なりには見えないように、完全に同じ場所に同じ個体がいるわけではないため、どの個体もすべて違った視点で世界を見ている。また、絶望と希望のように、全く異なる世界の見え方が格個体によって違っており、思考の数と同じ分違った世界があった。さらに、時が経つと、生物の個体はいなくなり、新しく命が芽生える。また個体自身の考えも変わるため世界の数も思考の変化ごとに変わる。世界は、生物の個体の数の分あるうえに、時間の経過によりどの一瞬一瞬をとっても数は無限であった。


少年は絶望した。自身の巨大な意識でも世界を完全に理解することは到底不可能だった。それに、意識が続く時間も無限ではないため、時間の経過によって無限になる世界の数に対処して理解できるわけがなかった。


少年は世界にとてつもない怒りを持った。そしてなんと、感情を伴った少年の意識は膨張にとどまらず、現実化、つまり具現して現実世界に現れた。


彼自身も驚いていた。肉体から離れた意識が、物体となって

現実に出現したのである。


彼は考えた。世界は生物の数だけある、また時間の経過でその生物が意識を帰るにつれ世界が無限になる。ということは、生物自体をなくせば世界はただの事象という事実だけになるのだ。そうすれば、世界も理解できる。


彼は自身の具現した意識で地球の表面を蹴散らし始めた。人間の作った街は当然として、陸地、海ともに無茶苦茶にした。無我夢中で破壊を繰り返していると、誰かが叫ぶような声が聞こえた。母の声だ。少年の本体の近くにいるのだろうか。しかし、まだ破壊に巻き込まれていないことを彼は疑問に思った。地球を見ると、少年の住む地域や周辺はまだ破壊していなかった。地球の最後の生命が残る場所ということになると彼は気づいた。また、彼は自身の家族の存在について思い出した。自身を世界に産み落としてくれた親、親が産まなければ自分はこの世界を体験することはなかった。しかし、複雑な世界を止めるためである。彼は無慈悲にも自分の住む地帯を破壊し、それと同時に少年も死亡した。

瞬間、彼の意識は途切れた。

生物は、何一つ残らず消滅した。





あの破壊から、何十億年も時が経った。地球は表面だけを破壊されていたため、星自体は崩壊せずに今も太陽の周りを回っている。そして、地球の表面には、また、海ができ、陸地には草木が生え、新たな生命が生まれようとしていた。


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