一話 この世界とは
この世界には3種の人間が存在する。
一つは能力者。所謂異能力者だ。炎を操るものや、水を操るもの等が例として挙げられる。
二つは半能力者。能力を理解できていない者が挙げられる。
三つは無能力者。完全に能力がない人々だ。
この世界は実力主義だ。強者は、何をしても許される。
逆に、弱者は強者に虐められる。それがこの世界だ。
生まれた時点で、人生の勝敗が決まる。そんな惨めな世界なのだ。
私の名前はサリエル。この世界の最高神であり、最強の神だ。
そう、人間じゃないのだ。神なのだ。だから、人間になってみたい。そして、世界を変えてみたい。
いつもそんな事を考えている。人間になりたいなぁと。
でも、この世界をこうしてしまったのはボクのせいだ。
…ある日。僕が世界を見回っているときだった。急に視界が暗転した。目の前が真っ暗になる。
そのまま、僕の意識は薄れていった。
「ん?あれ?ここどこ?」
僕が居たのは、見たことも聞いたこともないところだった。
「早く神殿に戻らないと」
そう呟き、飛ぼうとする。が、
「やめて!」
そう、女の人の声が聞こえる。僕は声がした方向に迫る…
…主人が考えたものを私、しえ(通称シエル)が編集いたしました。