表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/29

エピソード06 【 学校では30分が限度 私用は無制限】



3学期の始業式が始まった。


校長先生の話は2学期の修了式より30分長かった。

他の(クラス)の生徒も欠伸(あくび)をしたり、隣の(クラス)の子と喋っていた。


始業式の後は毎回の頭髪服装検査。

夏葉先生は歴史の先生でありながら生徒指導部の職員である。


夏葉先生は鬼教師と呼ばれながらの頭髪服装には厳しい。


この夏葉先生は(クラス)で見るのでは無く、

遠目から見て怪しそうな人物を確認するタイプの先生だ。


何人かの人は手を合わせて祈った。


「 頼むから、他の先生にしてくれ… 」


「 俺も、あの鬼教師だけは辞めてくれ。」


「 私も、あの悪魔だけは見て欲しくない… 」


と数人の男女が小さい声で呟いていた。


先生は遠目(とおめ)から見て、

怪しそうな人を1人ずつ確認(チェック)しに行った。


先生に当たった人は、

「 マジか!俺かよ… 」


「 五月蝿い!身体(からだ)真っ直ぐにしろ! 」と背中を叩いた。


「 痛ってぇーーーー 」と1人の男子が大声で叫んだ。


他の組の男女問わず… それを見ていた。


「 おい、鬼教師。それ体罰やろが! 」

ととある1人の高身長男子が(夏葉)先生に大声で言った。


「 あ? 今、言ったの誰だ? 」と夏葉先生は怒った。


他の生徒達は下を向いた。

すると、さっき言った男子が手を挙げて言った。


「 俺だけど、どうかしたのか? 」


「 今から行くから待ってろ… 」と先生は彼に言った。


周りの男女は… ざわついた。

「 あらら、余計な事言っちゃったね… 」

「 言わなければ良かったに、どうなっても知らない。」

「 俺、知らねーわ。」

「 私やって、あの先生と関わりたくない。」

「 私も知らない。」と何人か小さい声で。


私は元部長と4番で捕手の子と3人で話していた。

2人はその声(=夏葉先生の怒鳴り声)を聞いていた。


「 ヤバいぞ… お前の彼女。

 駿輔、あの鬼教師のどんな所が良いんだよ? 」


「 うーん。なんて言えば良いか分からない。とにかく可愛いって事だけやな。」


「 はあー?あの鬼教師の何処が可愛いんだよ? 」


と4番で捕手の子が大きい声で言った。

すると、夏葉先生は遠い所から耳にして聞こえていた。


「 今、鬼教師って言ったのは誰だ? 」

と周りに居た男子達と女子数人は私を指差してきた。


「 え?網谷君です。」


「 おい、ちょっと… 俺、何も言ってないぞ! 」と私。


「 あ、網谷か。お前は後で教室で検査するから待ってろ! 」と先生は大きい声で言った。


「 えー!先生。網谷君には甘くありませんか? 」


「 そんな事は無い。後でやるから… 」


「 今やって下さいよー! 」と女の子達。


「 五月蝿い!黙って待ってろ。」と先生は怒鳴った。


女の子達は驚いた。

“ 流石、鬼教師。怖い… ”

 とか 

“ なんで網谷君には甘いの? ”

 とか意見が聞こえた。


そりゃ当然… 付き合ってるなんて他の人には言えない。

4番で捕手の子は私に “ すまん、ごめんな ” と小さい声で謝った。


夏葉先生は頭髪に引っ掛かりそうな生徒を見た。

“ お前の髪長い。” とか “ 髪の毛の色なんとかしろ! ” と。


生徒達は答えようとしたが、聞いてくれなかった。

夏葉先生は何人かの髪の毛や服装を見ながら回っていた。


頭髪服装検査も終わり、教室に戻った。

1人の生徒が夏葉先生に網谷君の検査をするのか聞いた。


「 先生… 網谷君の検査して下さい。」と1人の女の子。


「 網谷君はしなくて大丈夫です。」と先生が…


「 なんでですか? 」


「 え?網谷君は見た感じ、悪い所無いので… 確認(チェック)しなくても大丈夫です。」と先生はまた答えた。


「 それなら、さっきのは何だったんですか? 」


「 もう良いじゃないですか?その話は…良い加減に怒りますよ! 」


と先生は話を終え、自分の椅子に座った。

生徒何人か “ 鬼教師怖すぎる… ” など小さく呟いてた。


そして、次の授業が始まった。

3限は数学… 4限は化学。いつも通りの授業が行われた。


そして、学校の食堂へ。

元部長と4番で捕手の子の2人と一緒に昼飯を食べていた。


1人の別の(クラス)の男子生徒が私を呼んだ。


「 駿輔。教頭先生呼んでる! 」


「 おう、サンキュー! 」と丼物の皿と御盆を片付け、

2人に“ 教頭呼ばれたから行くね ” と言い、食堂を出た。


私は食堂の前に立っていた教頭に声を掛けた。


「 こんにちは。」


「 網谷君… 昼飯の時にすまない… 」と教頭が私に。


「 大丈夫です。で、教頭先生話はなんですか? 」


「 校長室で話したい事があるから、付いてきて? 」


「 分かりました。」と私は教頭先生の後を付けた。


3.4分後、校長室の前へ到着した。

中には校長先生と夏葉先生の2人が校長室に居た。


「 佐藤先生… 先生も呼ばれてたんですか? 」


「 ええ。ついさっき校長先生に呼ばれてね。」


私は夏葉先生の隣に立った。

すると校長先生は急に私達の関係を聞き出した。


「 網谷君。君は佐藤先生と付き合ってるんですよね? 」


といきなり言われたので、焦った私。

夏葉先生も校長先生が言った言葉に驚愕した。


「 校長先生。なんで私と網谷君の関係を知ってるんですか? 」と夏葉先生は校長に聞いた。


「 実は、網谷君の父親から電話が掛かってきた。うちの息子と佐藤先生は付き合ってるって事を言われた。」


「 え?私の親父を知ってるんですか? 」


「 はい、知ってますよ。勿論… プロ野球選手でしたから。」と先生は答えた。


話に寄ると、下記にて詳細…

⑴(私の親父は生徒。校長先生は当時の担任。)

⑵(夏葉先生の父親は教頭先生の一個上の先輩。)


教頭先生も夏葉先生の親父さんから、

“ うちの娘と駿輔君は付き合ってるから、宜しく頼む” との事。


「 私は、君の親父さんからそういう風に言われたので、このことは学校には内密に頼むと言われた。だから、今話しておく… 他の人にバレない為に学校では30分以内の時間を儲けようと思う。」と校長先生は私と夏葉先生に…


「 30分以内とは? 」


「 正確に言えば… 学校で話する時は30分以内で収める事、家や私用(プライベート)は君達の自由な時間に任せます。って事で、他の生徒や先生には話しません。学校でもイチャついたりとか30分以上の話はしないで下さいね!30分過ぎるんでしたら、続きは家でやって下さいね! 」


校長先生は私と夏葉先生にそう言った。


また、教頭先生も…

「 勿論… 私も同じような意見です。他の生徒や先生にバレないようにお願いします。あなた方の恋愛に口を挟む事はしたくありませんし、邪魔はしません。但し、学校でのやり取りだけは気を付けて下さいね。お願いします! 」


「 ありがとうございます… 」


「 分かりました。」と私と先生はそれぞれ言った。


そして校長室を出た私達。

正月に親父達が言っておくと言ったのが現実になった。


「 網谷君。校長や教頭先生にバレましたね… 」


「 まぁ、親父が言ったのですから仕方ないです。」


「 なら、今度からは学校では30分と時間を決めましょう。」


「 そうですね… その方が良さそうです。」


私は夏葉先生と別れ教室に戻った。

すると2人(元部長と4番で捕手)が私に問い詰めてきた。


「 駿輔… 教頭先生の話なんだって? 」


私は小さい声で校長と教頭にも、私達の関係を気付かれた。

私の父親と先生の父親がそれぞれ校長と教頭に話した事。


「 え?なんで、校長と教頭先生は父親の事を知ってるの? 」と元部長は聞いた。


私は元部長に2人の父親と校長と教頭の関係性を話した。


「 なるほど… そういう訳か。それならしょうがない。」


「 まぁ、お前の親父も元プロ野球選手で凄い選手だったらしいし、その時の教え子が校長とは珍しいなぁー。」


「 それもそうだけど、あの鬼教師の父親と教頭が1個下の後輩ってのに驚いたわ!お前の周りどんだけ凄いんだよ!流石に有り得ないと思ってたわ!」と4番で捕手の彼が言った。


「 で、教頭と校長には卒業式の時に告白(プロポーズ)する事はいってないんだよな? 」と元部長が私に言った。


私は言ってないと答えた。

そして、5限目の授業は国語。25歳と若めの女教師。

あの鬼教師とは違った感じで可愛く男子生徒はベタ惚れ…


「 ってか、お前も意外だよな… 」


「 何が? 」と私は4番で捕手の彼に聞いた。


「 普通なら、こんな美人な先生を好きになる筈なのに… なんであの先生の事を好きになるのか、さっぱり不明。」


「 俺もそれ思った。普通なら美人の先生を選ぶのにな。 」


「 まぁ、人それぞれでしょ。好きになる人違うのは… 」


「 違わねぇ〜よ!」「 な訳あるか! 」

と2人は同時に大きい声で私に教室全体で聞こえるよう言った。


「 そこの2人。静かにしなさい! 」と25歳の女教師。


「 すいません… 」「 ごめんなさい。」

と2人は同時に話すのを辞め勉強に取り組んだ。


授業が終わり最後の6限は歴史…

そう(クラス)(みんな)が嫌がるあの鬼教師だ。


その間の10分休憩の時…

「 始業式の最後の授業があの鬼教師ってマジ最悪。」


「 それ、俺も思った。」と4番で捕手の彼。


それを聞いていた男子も女子も話に入ってきた。


「 それ分かります。なんでよりに寄って最後が佐藤先生なのか、早く授業終わらせて帰りたい。」


「 俺も早く帰って、ゲームとかしたい。」


「 私はカフェで友達とパンケーキ食べたい。」


などなどと数人が早く帰りたいアピールをした。

私は雲が夕日に隠れるか、夕日をじーっと眺めていた。


そして、6限のチャイムが鳴った。


「 お待たせ。今から歴史を始めます。」と夏葉先生。


「 ってか、本当に聞くが、あの鬼教師の何処が良いんだ?何も良い所とか無いぞ? 」と小声で(元部長は)言った。


「 おい、静かにしろ… そこ。」と先生は怒鳴った。


元部長は下を向いた。

そして、授業が始まった。今回の歴史は卒業考査の範囲。


その卒業考査の為の授業だった。

先生は卒業考査の範囲の内容を黒板に書き写した。


範囲の内容を黒板に書いては消し、止める事無く。

何人かの生徒は追いつけない状況で混乱または困惑していた。


私は後ろから見ていたが…

何人か隣の人に“ 後でノート見せて! ” と小声で言っていた。


そして、チャイムが鳴る10分前に女子生徒が聞いた。


「 先生… 聞きたい事があるんですが、」


「 卒業考査の範囲でしたら、各自で確認するように。」


「 それじゃないです。」


「 じゃあ、なんだ? 」と先生は強めに聞いた。


「 先生は好きな人とか付き合ってる人とか居るんですか? 」


私は後ろから聞き驚いた。

元部長と4番で捕手の彼は私の方を見た。


「 駿輔。さてどうする… 言わないのか? 」と4番で捕手の彼。


「 おい、○○○。先生にそういう事聞いてどうするんだ? 」と元部長は私の代わりに言った。


「 え?ただ聞いてみたかっただけ… で居ないの? 」


夏葉先生は元部長の顔を見て、

“ 言ったらぶん殴るよ! ” と口元が小さく動いていた。


「 いや、分かんねーよ。居るかもしんないし、居ないかもしれない。」と元部長は女子生徒に言った。


「 もしかして、あんたなの? 」と女子生徒は元部長に。


「 まっさか。俺はちゃんと付き合ってる人居るし、今は遠距離だけどね。」と元部長は答えた。


私は知っている。元部長の恋人は…

前は地元の放送員(アナウンサー)で今は東京のテレビ局の放送員(アナウンサー)


「 なんだ、○○○はいるのか。なら誰なんだろう… 」


「 もうその話は良くない?チャイムが鳴りそうだからさ。」


と言ってると、50分の授業の終わりのチャイムが鳴った。

そのまま終礼を迎えた。


明日から普段通りに学校に来て下さいとの事。

そして、怪我のないようまた明日元気に学校に来て下さいと先生は言って解散した。


そして、その夜に私は夏葉先生の部屋に入った。


「 駿輔君。」と可愛い声の夏葉先生は私に言った。


「 今日はお疲れ様です。」と私は先生の頭を撫でた。


「 疲れた。めっちゃ疲れた…

 明日から普通の授業なんか面倒臭い。」


「 最後の授業。ちょっとスピード早く無いですか?あれじゃ(クラス)(みんな)、戸惑いますって!

 今日の授業ノートってありますか? 清書したいんで。」


「 あるよ、これ汚いけど… 」

と先生は鞄の中から授業用ノートを取り私に渡した。


「 ありがとうございます。」


「 網谷君は優しいんですね… 他の子に。」と少し嫉妬。


「 まぁ、自分の為でもありますし、(クラス)の成績を上げる為ですかね。」


「 ふーん。そうなんだ…偉いね! 」と先生は呟いた。


「 今日は校長と教頭先生にバレちゃいましたね。」


「 そうやね。時間決めようね! 」


「 校長先生が言ってたように学校では30分以内で収めましょう。その方が他の人には気付かれないと思いますし、それに30分も長く話す内容も無いですからね。こうやって家で話せば良いだけの事ですから… 」


「 そうね。その方が私も有り難いし… 今後からそうしてこうね。」


「 まぁ、分からない事とかは家でこうして聞けますから。」


「 なら、そういう事で… 」


「 夏葉先生。今日から改めて宜しくお願いします。」


「 駿輔君。こちらこそ宜しくね! 」


改めて私は先生と交際する事となった。

しかもこれが始業式。3学期の初日である。

その後、私は妹の香奈に先生と交際する事を伝えた。


香奈も喜び、夏葉先生の方からもメールが来た。

「 お兄ちゃんの事宜しくお願いしますね! 」と。


私は家に帰り、明日の学校の準備をして横になったのだ。

明日は歴史の授業はどの(クラス)もないので1日借りた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ