エピソード05 【 一緒に歌う時間は計算するの? 】
正月の夜も終わり… 1月3日。
私は家で1人でバラエティー番組や刑事ドラマ。
後はAmazonprimesやNetflixなど…
この日は一日中家でテレビ三昧だった。
香奈もテレビでようやく香奈主演のドラマが始まった。
途中からなので、題名は分からないが…
女子高生で刑事役を演じる香奈と大物俳優とのコンビの話。
全16話と基本的な本数。脚本家も有名な人だった。
香奈の役は女子高生で刑事。実は祖父が警視総監の孫の設定。
(※このドラマは実際にあるのを真似て製作してます。)
このドラマは毎週水曜の22時枠。TBS系列…
今放送されてるのは第4話とまだ序盤辺り…
このドラマを観てない人の為に登場人物の紹介がある。
家での香奈とは全く違った感じで私的には面白いが…
ちょっとだけ感じるのは棒読みの気がする。
TwitterとかSNSとか見ると、意見はバラバラ。
“ 面白かった。”
とか
“ 棒読みかな? ”
とか
“ 次回が楽しみ。”
とか何件かのコメントが寄せられていた。
友達からも面白かったよ!とか香奈ちゃん雰囲気変わったよね。とか女子高校生役ぴったりだよね!とのメールも。
そして、1月4日の空演奏当日。
天気も良好。私服姿も少しお洒落にして家を出た。
すると隣に先生が車の中で警笛を鳴らして待っていた。
「 すいません… お待たせ致しました。」
「 いいよ。私も10分前に家を出てたから… 」
「 あ、そうなんですね。」と私は先生に言った。
「 ビックエコー広島本店で良かったよね? 」
「 はい。そうです! 」と私は答えた。
車は家の前を出た。
運転してると、先生はいきなり私に聞いた。
「 そういえば、昨日の香奈主演のドラマ観たよ! 」
そう昨日4話を放送していたあの女子高生のドラマ。
夏葉先生も1人で自分の部屋で見ていたのだ。
「 どうでしたか? 」と私は先生に聞いた。
「 面白かったよ!香奈ちゃん… いつもの香奈ちゃんとは違った感じのキャラで私は好きかな… 」と答えた。
「 そうなんですね… そう言って貰えると妹も嬉しいと思います。」と私は答えた。
そのまま先生は目の前の運転に集中した。
「 網谷君… 今日のカラオケで何歌うの?」といきなり聞かれたので、
「 私は流行りの曲は知らないから、昔の曲が多いかな… 今の曲だったらNiziUぐらいかな… あと星野源だったり。あと誰だろう… 昔の曲やったら嵐とかSMAPとか全然ジャニーズの曲は歌えるし。でも私音痴ですよ? だからあまり歌いたくないんっすよね… 人前では。」
「 え?網谷君って音痴なの? 」
「 はい、そうですが… 」と私は音痴だと答えた。
「 なら、私と一緒に今日練習する? 」
「 それって、2人っきりって事ですよね? 」
「 まぁ、そうなるね… 」と詰まりながらも先生は答えた。
「 今回は一緒に歌うとしたら、時間ってどうなさるんですか?計算されるんですか?30分とか1時間とか設定は? 」
「 今回はそう言うの決めていない。教える時間は恋愛時間とは別。」
「 分かりました。なら、先生… 特訓御願いします。」
と言ってる間に、ビックエコー広島本店に到着した。
私は先生と別れ、店内に入った。
すると元部長や4番で捕手の子に組の数人が立っていた。
「 お待たせ! 」
「 あ、駿輔。やっと来たか! 」と元部長。
「 え?○○○(元部長)はどうやって来たの? 」
「 俺は家から歩いて徒歩10分も掛からないから歩いて来た。」
「 他のみんなは? 」と私はクラスメイトに聞いた。
「 私は親に送り迎えする予定。」
「 俺は電車で来た。」
「 私も電車で来た。」
「 駿輔。お前は? 」
「 俺も車で迎えて貰った。帰りも電話する予定… 」
元部長と4番で捕手の子は店内のガラスの奥から見える夏葉先生の車を見つけた。
「 え?お前、まさか夏葉先生の車でか? 」
「 おう。」と答えた。
「 え?大丈夫なん? 」
「 何が? 」
「 何がじゃねぇーよ。あんな鬼教師と一緒に居て。」
「 全然平気だけど、ってか、鬼教師って言葉辞めんか? 」
「 なんか、お前。あの鬼教師と一緒になってから変わったな… 」
「 そうか? 」と言ってると、他の人達がやってきた。
「 お待たせ!今来たよ! 」
「 ごめんごめん… 」と男女合わせて25人。
中には来れなかった人が10人ぐらい居た。
家の用事とか親戚の集まりで来れないって人が数人。
パーティ室に入り… それぞれジュースを置いた。
「 みんな、歌う曲とか入れて!順番は好きなように! 」
と眼鏡を掛けた学級委員長が言った。
タッチパネルに自分達が歌う曲を1人1人入れてった。
そして、私の所にパネルが来たが… 隣に渡した。
「 あれ?網谷君。歌わないの? 」
「 すまない… ってか歌えないわ。」
「 そっか、お前音程外れるんだったよな… 」と小学校の時からの幼馴染。
「 ○○○。音痴って言うな… 恥ずかしいやろが! 」
「 え?網谷君の歌声聞きたいです。」と隣に居た女の子。
「 ○○○。辞めとけ、昔の曲はともかく今の曲でも合ってるかのようで少し音程外れるから聞く気になれない。」
「 えー! ○○○。嘘だぁー。網谷君がそんな訳ないじゃん。」と隣に居た女の子に服を引っ張られながら言った。
すると、私の携帯からLINE通知… 夏菜先生からだった。
「 私もカラオケルーム入ったので、後で来て下さい。教えますから… 」との内容だった。
私はそのメールを見て…
「 ちょっと席離れます。」とパーティ室を退出。
そして、先生に部屋番号を聞いた。
「 805号 」と上に書かれた番号の部屋へ入った。
「 お待たせしました。」と目の前には先生が。
「 なら、何歌う? 曲入れて! 」
と先生が手元に持っているキョクナビを渡された。
そして一曲だけ機械に入れた。
その曲はSMAPの『世界に一つだけの花』だ。
「 世界に一つだけの花一人ひとり違う種を持つ……… 」
やっぱり自分でも恥ずかしい…
こんなに音程が外れるとは自分で顔が真っ赤になった。
「 なら、私。ちょっと飲み物持ってくるから待ってて! 」と言い部屋を出た。
その頃、組の方は何人かトイレに行ったり、飲み物を取ってくる人が居た。
元部長と4番で捕手の子は数人とドリンクを取りに行った時に偶然先生と会ってしまった。
「 鬼教師。なんでこんな所にいるんだ! 」と元部長。
「 嘘やろ… まさか、な 」と4番で捕手の子は言った。
「 あれ? 佐藤先生だ… なんでこんな所に居るの? 」
「 本当だ。鬼教師… 楽しませてくれよ。」
「 うわぁー逃げろ! 」と他の数人は夏葉先生を見て言った。
先生は2人が背後を向いてると気付き…
先生は通り過ぎて2人の耳元で “ 805に後で来て ” と言った。
「 805って、俺ら先生に呼ばれてるよな? 」
「 多分… そうやと思う。」と2人は言った。
一旦、パーティ室に戻った2人は洋杯を置き、
組の皆に「 トイレ行ってくる。」と嘘をついた。
2人は退出し、805と書かれている部屋に向かった。
2人は部屋を開けると、そこには先生と駿輔が居た。
「 駿輔。こんな所に居たのか… 」
「 おう!お疲れ。」と私は元部長に言った。
「 君たち、来たか! 話があるから座れ! 」
と先生は2人に言ったので、ソファーに恐る恐る座った。
「 先生… 話ってのはなんですか? 」と元部長は聞いた。
すると、先生は…
「 君達。いつから私と網谷君の関係を気付いてたんだ? 」
2人はやっぱりその事を聞くと思い、
4番で捕手の子が先生に小さい声量で言った。
「 あ、先生と駿輔の事は最初から気付いてました。と言うのは嘘になりますが、体育祭の時から知ってました。」
私は驚いた。そんな前から…
先生もえ?体育祭の時からなんで知ってたんだの顔をして
「 え?体育祭の時から知ってたの?」
「 はい、駿輔となんか関係があるのかなぁって… 勿論、勘なので実際に付き合ってたかどうか分かりませんでしたが、前に野球場で練習後の雨が降った時にこの2人付き合ってるだろうなと思いました。」
「 お前、凄いな… 」
「 そりゃ、どうも。」と4番で捕手の子は照れた。
「 褒めてねぇわ。それより私と網谷君が付き合ってる事… 」
「 あ、言わなきゃ良いんですよね? 分かります。言ったら俺達殴られるんですよね? 」と4番で捕手の子。
先生は私の方を見た。
私は何も言ってない行動を示した。
「 あ、駿輔の奴は言ってないっすよ。多分、クラスのみんなに言ったら、俺達がボコられるのは確実ですから。」
「 なら、この事は内密にな。もし言った時点で殴るから覚悟しておけよ! 」と先生は2人に言った。
「 こういう事だから頼むな!」と私は2人に言った。
私は2人に練習するから多分ルームの方には戻れないかもと伝えた。
そして、私は先生の猛特訓に付き合った。
その頃、元部長や4番で捕手の子達のクラスは楽しく元気に歌っていた。
「 やっぱり、あの鬼教師怖いよな… 」
「 俺も分かる。」と元部長は4番で捕手の子に言った。
すると隣に居た女子が元部長の肩を叩いた。
「 ねぇねぇ。○○○、網谷君は? 」
「 あ、駿輔。駿輔の奴は1人で練習してるわ! 」
と嘘をついた。先生と一緒に居るなんて誰にも言えなかった。
「 え!そんな… 網谷君の歌声聞きたかった! 」
「 ○○○。だから辞めろって… 彼奴は音痴やから!聞く気になれない。」と小学校の時の私の幼馴染。
その頃、私は先生と特訓中…
あずさ2号やNiziUやAKB48やジャニーズ系を歌った。
「 網谷君は上手いんだけど、音程がね… 」と溜息。
「 やっぱり、そう思いますよね… どうしたら良いんでしょうか? 」と私は先生に聞いた。
「 また今度、一緒に練習しましょうか。
網谷君、喉キツいでしょ?歌いすぎて…… 」
私は喉が痛い事に気付きもしなかった。
「 痛いです。」
「 なら、今日の特訓はこれで終わり。今度私が歌うから聴いてて! 」と先生はキョクナビに曲を入れた。
夏葉先生が熱唱。凄い綺麗な声だ。
男性の声も女性の声もそれぞれ特徴があり格好良かった。
「 なら、早いけど… これで解散ね! 」
「 はい、」と私は立ち上がった。
「 それとあの子達に先帰る事伝えておかないとね。」
私は元部長にLINEで先に帰るとコメントした。
その頃、彼ら達は夜の7時まで熱唱していた。
3学期の始業式まであと残り2日となったのである。