第11話:「 栄光の記憶、今奏でる音 ~ 響け、未来へ ~ 」
◆回想:かつての広陵高校
――5年前。
夏葉が新任1年目で指揮を振った名古屋国際会議場。
「吹奏楽の甲子園」と呼ばれた普門館の伝統を継ぐ舞台で、広陵高校は西関東代表として全国大会に挑んだ。
玉名女子、大阪桐蔭、習志野、天理、岡山学芸館、埼玉栄、春日部共栄、関東第一――
そうそうたる強豪校を退け、彼らはゴールド金賞・第1位を獲得。
――あれは奇跡だったのか、それとも必然だったのか。
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◆現在:広陵高校・音楽室
夏葉が復職して半年。
部員たちは、かつての輝きとともに、“今”だけの音を模索していた。
全国大会へと続く道のり。
最初の壁は――「地区大会(西関東支部)」「都大会(県大会)」「支部大会」。
部長「春日部共栄と当たるかもしれません」
副部長「完成度が異次元です……」
夏葉「でも私たちは、“今”の広陵を信じて。過去ではなく、今ここにある音を」
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◆都大会(県大会)当日:埼玉文化センター
他校の音がホールに響く。
•埼玉栄:圧倒的な精度と一糸乱れぬアンサンブル
•常総学院:情感豊かな木管と独自の世界観
•春日部共栄:安定した金管と繊細な打楽器表現
そして、広陵高校の音は――完璧ではないが、まっすぐな“想い”があった。
結果:金賞受賞、西関東支部大会進出。
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◆支部大会:西関東支部・さいたま市文化センター
緊張感漂う会場。
演奏順は、前が天理高校、次が習志野高校、そして広陵高校がトリ。
夏葉「想いのある音を、届けましょう」
演奏後、静寂を破るように大きな拍手が響いた。
結果:金賞・代表校に選出、全国大会へ。
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◆全国大会:横浜みなとみらいホール
ステージ袖に立つ夏葉。
かつての記憶がよみがえる。
夏葉(心の声)「あのときは余裕なんてなかった。今は彼らを“信じる”力がある」
演奏が始まる。
一音一音が、まっすぐ客席に届く。
強く、優しく、純粋な音――その“想い”が、会場の空気を変えていく。
結果発表――
司会「ゴールド金賞、第1位は……広陵高等学校!」
会場に歓声が響き渡る。
涙を流す部員たち、夏葉も目元をそっと拭った。
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◆ラストシーン:中庭(数日後)
夏葉「あのステージはゴールじゃない。また“日常”に戻って、次の音を探すのよ」
生徒たちが頷く。
見学に来ていた香奈「お姉さん、全国一位ってすごいですね!」
駿輔「でも一番すごいのは、そこに至る“想い”なんだろうな」
空へパンアップ、タイトルが浮かぶ。
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◆ナレーションまとめ(エピローグ)
広陵高校吹奏楽部は、地区大会・都大会(県大会)・支部大会を勝ち進み、名だたる強豪校が集う全日本高等学校吹奏楽大会 in 横浜にて、ゴールド金賞・第1位を受賞した。
出場校例:
•北陸支部:高岡商業・富山商業
•東海支部:名電・東海大翔洋
•関西支部:淀川工科・天理・洛南
•東関東支部:習志野・柏・幕総
•西関東支部:埼玉栄・春日部共栄・伊奈学園
•東京支部:片倉・関東第一・高輪台
•北海道支部:札幌日大・北星学園
•中国支部:岡山学芸館・就実
•九州支部:精華女子・福工大城東
かつての普門館から、現在は名古屋国際会議場に舞台を移した全国大会。
夏葉が1年目で手にした栄冠は、その後も部の礎となり、彼女が結婚・出産で現場を離れた後も、広陵高校は金賞を獲得し続けた。
そして5年――
夏葉の復帰により、部は再び新たな風を受け、“今”の音を全国に届けた。




