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Times Limit Lover ~ プロ野球入団予定の私と隣人の鬼教師の時間制限の恋 〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『 Times Limit Lover』(夏葉視点)
25/39

第5話:「響け、心をつなぐ… 音がつなぐ、ふたつの家族」


◆プロローグ:駿輔と校長・教頭の会話(前日・校長室)


(広陵高校 校長室)


校長「網谷くん。シーズン中に、わざわざありがとう」

駿輔(にこりと帽子をとって)「今日は、妻のことでお願いがあって来ました」

教頭「まさか、先生に退職させてほしいと?」

駿輔(笑って)「いえいえ。そういう話ではありません。実は妹の香奈が、明日こちらにサプライズで来たいと言っていまして」

校長「妹さん?あのGRT48の……!」

教頭「アイドルの?おお、それは……なかなかのサプライズになりますな」

駿輔「夏葉が吹奏楽部の顧問を引き受けてから、色々悩んでいるのを見ていて……香奈なりに励ましたいみたいです。今日はGRT48の活動も休みで」

校長「ふむ……なるほど。それなら協力しましょう。体育館も空いてますし、警備はこちらで手配します」

教頭「奥様には内緒で?」

駿輔「はい。喜ぶと思うんです。……いや、たぶん、泣くかな」

校長「よし、我々も一肌脱ぎましょう。学校全体のサプライズとして楽しみですね」


――


◆東京・GRT48事務所(同日・夕方)


(社長室)


安本康晴「香奈、吹奏楽部とのコラボだなんて、お前から言い出すとはな」

香奈「お兄ちゃんの奥さんの夏葉先生、私、ずっと尊敬してるの。あの人、すごく努力してるから……なんか、私も動きたくなっちゃって」

安本「その気持ちは立派だ。楽器と音響機材はうちで用意する。全力でやってこい」

香奈「うん。お義姉ちゃん、びっくりするかな」

安本「泣かせてこい。お前の“音”でな」


――


◆吹奏楽部・部室(土曜日 放課後)


(夏葉が部員に声をかける)


夏葉「今日の練習はここまで。合奏は明日に回して、各自の課題を忘れずに」

部員A「先生、来月の定期演奏会のソロって……」

夏葉「今週の合奏を聞いて判断するつもりよ。焦らず、自分の音に向き合って」

部員B「はい!」


(その時、部室の扉がノックされ、帽子を深くかぶった人物が現れる)

香奈(帽子を取ってニッコリ)「こんにちは、先生。サプライズ、成功かな?」

部員たち「えっ……!?えええええええ!?!?GRT48の香奈ちゃん!?なんで!?」

部員C「やばいやばいやばい!!夢!?現実!?」


夏葉「香奈ちゃん……どうしてここに?」

香奈「今日はGRT48の活動、お休みなの。お兄ちゃんが校長先生にお願いして、先生に内緒でサプライズするって決めたの。ちゃんと事務所の安本社長にも許可取ったよ」

夏葉「……駿輔が……」

部員A「えっ!?先生って、あの網谷駿輔選手の奥さん!?」

部員B「じゃあ……香奈ちゃんとは義姉妹!?」


香奈にっこり「そうだよー♪ 夏葉先生は私のお義姉ちゃん!」


(部室が騒然となる)


夏葉「でも、どうして吹奏楽部に?」

香奈「私、小中とずっと吹奏楽部だったの。今でも趣味でいろんな楽器吹いてるんだ。今日は体育館で1日だけのライブするの。みんなもぜひ見に来て!」


部員D「ど、どんな楽器吹けるの!?」

香奈「トロンボーン、サックス、チューバ、クラリネット、オーボエ、フルート……かな」

部員E「す、すご……!」


――


◆夕方・体育館 GRT48香奈ライブ開幕


(照明が落ち、会場が静まり返る)


香奈「今日は広陵高校のために、1日限定ライブを開きます!吹奏楽アレンジで、特別なステージをお届けします!」


(香奈はトロンボーン、サックス、クラリネットを曲ごとに持ち替えながら観客を魅了)

部員たち「かっこよすぎる……」「あんな演奏、初めて見た……」


(ライブ中盤)


香奈「今日、ここに来たのは、演奏のためだけじゃないんです。私の大事な家族、夏葉先生を紹介したかった」

(カメラが夏葉を映す)

香奈「お義姉ちゃんは、努力家で、生徒にまっすぐな人。私にとっても音楽の師匠みたいな存在なんです。だから――これからも先生を信じて、ついていってあげてください」


(静かな拍手、夏葉の目に涙)


――


◆ライブ後/舞台裏


夏葉「……どうして、あんなことを」

香奈「言いたかっただけ。お義姉ちゃん、ちゃんと誰かに褒められるべき人だから」

夏葉「私、吹奏楽部の顧問になったばかりで……うまくできてるか、不安だった」

香奈「みんな、ちゃんと分かってるよ。先生の音、先生の想い、ちゃんと届いてるって」

夏葉「……ありがとう。香奈ちゃん」

(そっと手を握り合う)


――


◆夜・網谷家


駿輔「……どうだった、香奈のサプライズ」

夏葉「もう……最高すぎて怒る気も失せたわよ」

駿輔「ふふ、それはよかった。香奈も、お前のこと本当に大切に思ってるからな」

夏葉「……あなたがいちばん、大切にしてくれるだけで、十分よ」

駿輔「ありがとう、夏葉。……じゃあ、今夜はご褒美だな」

(2人、自然と唇を重ねる)


――


◆エピローグ:GRT事務所・東京


秘書「社長‼︎ ライブの反響すごいです。SNSで吹奏楽部との共演がバズってます」

安本「ほう……やるじゃねえか、香奈。あいつ、本気出しやがったな」

秘書「“楽器も吹けるアイドル”って、新たな武器かもしれませんね」

安本「音と心で繋がれるやつが、本物なんだよ」


――


◆ナレーション・夏葉モノローグ


夏葉(心の声)

「“音”は、心をつなぐ。家族も、生徒も、そして――自分自身とも。

私は、もう一度“教師”である意味を思い出せた気がした」



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