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Times Limit Lover ~ プロ野球入団予定の私と隣人の鬼教師の時間制限の恋 〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『 Times Limit Lover』(夏葉視点)
23/39

第3話:「あの日、春が始まった」



(春の昼休み。広陵高校の中庭。昼食を広げた吹奏楽部の女子生徒たちの輪の中に、復職した網谷夏葉の姿)


女子部員A(そっと小声で)

「ねえ…先生って、ほんとに、カープの網谷選手と結婚したんですか…?」


女子部員Bうずうずしながら

「ぶっちゃけ、その話……本当は都市伝説かと思ってました……」


夏葉(箸を止め、ため息交じりに)

「もう……どうしてそういう話がこんなに早く広まるのかしら……」


女子部員C(目を輝かせて)

「えっ、本当に!?本当に“あの”網谷駿輔さんの奥さんなの!?」


夏葉(観念したように笑いながら)

「ええ、そうよ。私が“網谷夏葉”って名前になってる時点で、隠すのはもう無理でしょうね」


(一斉に「キャー!」と歓声が上がる)


女子部員A「いつからお付き合いしてたんですか!?いつ、どうやって出会ったんですか!?プロポーズは!?」


夏葉(頬を赤らめて)

「……みんな、質問が早すぎるわ。ちょっと順番にしてもらえる?」


(黒板の方を見つめながら、静かに語り始める)


夏葉

「彼と最初に出会ったのは、彼が1年生の時。私が担任で、しかも……隣の家に住んでたの」


女子部員B「えぇー!?隣人!?まさかの恋愛ドラマみたい!」


夏葉(少し苦笑しながら)

「まさにそうだったわね。最初はただの生徒と教師。でも……どこかで惹かれてしまった。厳しい立場だったし、毎日が葛藤の連続だった」


女子部員C「じゃあ……秘密の恋だったんですか?」


夏葉(目を伏せて、静かに)

「……ええ。卒業までは、誰にも言えなかった。教師としての責任もあったし……彼の将来を壊したくなかったから」


(部員たちは息を飲む)


女子部員A「それで……卒業してから、告白……?」


夏葉(少し照れながら)

「いいえ、あの日——卒業式の日に、彼が壇上で、みんなの前で私にプロポーズしたの」


女子部員B「は!?なにそれ、伝説すぎる!!」


女子部員C「映画化しましょう先生!!!」


(その場に吹き出して笑う夏葉。生徒たちの視線には尊敬と、憧れが滲んでいる)


夏葉(落ち着いた声で)

「私はただの教師。でも彼が、どんな時でも私を信じてくれたから……今、こうして戻ってこれた」


(チャイムが鳴る)


女子部員A「もう!先生、今度もっとゆっくり聞かせてくださいね!」


女子部員B「演奏会後の打ち上げで、絶対インタビュータイム作りますから!」


夏葉(苦笑しながら立ち上がる)

「じゃあその分、今週の譜読みは3倍速で進めましょうか」


女子部員たち「えぇ〜〜〜っ!!」


(明るく笑いながら教室へ戻る夏葉。その背中は、過去と今をしっかりと抱きしめた母であり、教師であり、ひとりの女性だった)


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